*neuromagソフトのbem.fifの座標系(coordinate system)まとめ

背景

bem.fif (いわゆるBEMモデル)を使うとsphereモデルより概ね推定精度が上がる(脳の形をそのまま使うか、球で置き換えるかなので脳の形を使う(BEMモデル)の方がよいというのはさもありなんな話である)。

背景続き:bem.fif、-bem-sol.fifとは?

bem.fifはMRIから脳の形を抜き出して保存される。BEMモデルの情報。

bem.fifは通常の作業の流れだと2つある(名前-bem.fifか名前-bem-sol.fif)。

-bem.fifと-bem-sol.fifの違い

-bem-sol.fifは-bem.fifにgeometry dependent solutionの情報が付加されている、ということで意味不明。

BEMモデルの情報という点では-bem.fif、-bem-sol.fifいずれでも使える。

-bem.fif(-bem-sol.fif)はnasionとかの情報は基本入っていない

bem.fif(-bem-sol.fif)はMRIから変換されるが、MRIのデータにはどこがnasionで、とかいうことは含まれてないので、人の目でここがnasionで、というのを指定する作業が必要。そうしないとMEGのデータとの位置合わせができない。

背景続き:座標系は通常意識するのは2種類

MRIの座標系はMRI coordinate

nasion, LPA, RPAから決まる座標系がhead coordinate (たぶん)

作業の流れにより-bem.fif(-bem-sol.fif)にhead coordinateが入っているかが変わる(!)

背景続き:BEMモデルを使うソフトの対応状況

各解析ソフト毎に-bem.fif(-bem-sol.fif)にhead coordinateが含まれている必要性が変わる。

BEMモデルを使うneuromagソフトはxfit (source modeling: ダイポール推定のソフト)beamformer

xfitは-bem.fif(と-bem-sol.fif)にhead coordinateが入ってなくても作業中にhead coordinatを取り込むことが可能。

-> -bem.fif (-bem-sol.fif)はMRI coordinate、head coordinateいずれでも作業可能

beamformerは作業途中でhead coordinateを取り込むことはできない(たぶん)。

-> -bem.fif (-bem-sol.fif)はhead coordinateでなくてはならない

背景続き:xfit、beamformerそれぞれの-bem.fif(-bem-sol.fif)の作成の流れ

1. xfit

xfitは脳幹込みのBEMモデルでよいので、基本DICOMデータからスクリプトで-bem.fif(-bem-sol.fif)まで作成できる

少々計算時間はかかるが(30分くらい?)作業の手間は少ない。

この作業ではhead coordinateは含まれない(=MRI coordinate)

-> xfitでhead coordinateの情報を取り込むのはMEGファイルのオープンの時

2. beamformer

beamformerは-bem.fifを作るとき脳幹を外すよう指定してある。どのくらい必要度が高いかは不明(マニュアルには脳幹が残っている)。

脳幹を外すのに手間がかかる。

また繰り返しになるが、-bem.fif(-bem-sol.fif)はhead coordinateでなくてはならない。

余談:ここで作成した-bem.fif(-bem-sol.fif)はxfitでも使用できるはず。

Beamformer用-bem.fif (-bem-sol.fif)作成作業の流れ

MRIからseglabで脳の形のメッシュ(.mesh)を作成して、xfitで-bem.fif、-bem-sol.fifに変換する。

-bem-sol.fifはhead coordinate-bem.fifは作業の流れによりhead coordinateまたはMRI coordinateになる

-> 基本-bem-sol.fifを使っておけばok

MRIからseglabで脳のメッシュを作成する手順

1. 脳のMRI (COR.fif)を読み込む

2. 脳MRIから脳表を切り出す

3. meshで保存する。

2. の作業を人力(seglabマニュアル参照)でするか、半自動化するかはお好みで。

人力では作業時間が2時間くらい

半自動化の場合は実作業時間は20分くらい。

どこでhead coordinateの情報を取り込むか

1. seglabで読み込むMRI (通常COR.fifかCOR-日時.fif)にhead coordinateを取り込んでおく

COR.fifにhead coordinateを取り込む方法は2つ

1-1. mne_analyzeを使う

1-2. MRIlabを使う

meshを作った後、File-save as meshの画面でcoordinateがheadを選択できるようになる

2. xfitでmeshから-bem.fif (-bem-sol.fif)を作るときに取り込む

=seglabで.meshを保存するときMRI coordinateで保存した場合

xfitでestimates- prepare new bem modelで作業

.meshはMRI coordinateなのでhead coordinateを含むCOR-日時.fifを選択してprepareを押すと-bem.fifと-bem-sol.fifが

/neuro/databases/bemに保存される。

-bem-sol.fifを使用する。

推奨する段取り

1. xfit

dicomからmne_setup_forward_modelで-bem.fif (-bem-sol.fif)を作成しxfitのMEGのファイルオープン時にhead coordinateの情報を取り込む

-bem.fif、-bem-sol.fifがMRI coordinateだと計測ごと使い回しができる。

2. beamformer

(1). 半自動で脳幹のないCOR.fifを作成

(2). seglabで.meshに保存(MRI coordinateで):この.meshは計測ごとに使い回しができる。

(3). xfitのprepare new bem modelでhead coordinateを取り込み-> -bem-sol.fifを使う