2025年3月16日
株式会社集英社 OurAge編集長
鈴木 桂子 様
食品安全情報ネットワーク(FSIN)
http://sites.google.com/site/fsinetwork/
《なんとなく不調、その原因は?》についての質問と要望
「食品安全情報ネットワーク(FSIN)」は、食品の安全に関する報道を科学的な立場から検証し、自らも科学的根拠に基づく情報発信をすべく日々活動している、学識経験者、消費者、食品事業者、メディア関係者等の有志による横断的なボランティア・ネットワーク組織です。
OurAgeに掲載されている《なんとなく不調、その原因は?》と題するシリーズ記事につき、質問と要望がございます。お忙しいところ恐縮ですが、3月31日までにご回答をいただきたくお願い申し上げます。
【質問1:第1回《あなたは大丈夫?「お腹のカビ」に要注意!》】
当該記事には下記のような記載があります。
〈風呂場やエアコンのカビなども、吸い込むと肺炎だけでなく、腸内のカビも増えます。〉
カビを吸い込むことで肺にカビが入ることは理解できますが、なぜ腸内にも入るのでしょうか。また腸内のカビが増えるという科学的根拠をご教示ください。
【質問2:第4回《甘いものがやめられないのは、お腹のカビが欲しているから!?》】
『甘いものがやめられないのは、お腹のカビが欲しているから!?』というタイトルの文言の科学的根拠をご教示ください。
当該記事には下記のような記載があります。
〈また、化学調味料や発色剤、着色料といった食品添加物、遺伝子組み換え食品なども、腸内細菌を減らし、カビを増殖させる要因になるので避けたいところ。〉
食品添加物や遺伝子組み換え食品が腸内細菌を減らし、(腸内に)カビを増殖させる要因になるという科学的根拠をご教示ください。
【質問3:第5回《パンと牛乳が「お腹のカビ」を増やす大きな原因!?》】
当該記事には下記のような記載があります。
〈小麦は特にグリホサートという除草剤の残留が懸念されます。これは発がん性、また腸内環境への悪影響が指摘されています。〉
小麦にグリホサートの残留が懸念されていることは事実ですが、それは残留基準以下の微量です。そのような微量で発がん性や腸内環境への悪影響があるという記述の科学的根拠をご教示ください。
【要望】
以上の質問は、断定的な書き方をされているものに絞ってピックアップしたものです。内山葉子氏の意見としての掲載ではありますが、例えばリーキーガット症候群が医学領域では確立した概念ではないことや、特定の疾患の原因となることを示す明確な科学的根拠はないことなどを伝えずに健康への悪影響を示唆する書き方をしているなど、読者に誤認を与える内容となっています。
集英社のような大企業が運営されるサイトがこのようなシリーズ記事を掲載していることは、読者に大きな不利益を与える恐れがあります。本シリーズ記事の削除と不適切であった旨の文書掲載を要望いたします。
※ 本レターは、FSINのホームページ等において公開するほか、主要新聞社や主要週刊誌、主要テレビ局など約20社にも送りますので予めご了承ください。また、メディア記事を読み解き、判断する上で有用な情報として広く共有を図りたく、貴社のご回答についても公開させていただきます。