日本経済新聞「きれい好きの落とし穴」

<経緯>

 2011年2月23日付でFSINから下記文書を配達証明にて郵送しました。
 2011年3月8日に日本経済新聞社に電話したところ、栩木氏は既に退職していること、文書の所在は分からないことが説明されました。
 対応を検討し、日本経済新聞社東京本社編集局長宛に文書を再度送ろうとしていたところ、3月11日の地震・津波が起こりました。社会情勢を考慮し、再送付を見合わせました。なお、現時点で藤田様からのご回答は得ておりません。
 


<質問状>

 
 
2011年2月23日
日本経済新聞社 編集委員        栩木 誠 様
人間総合科学大学 人間科学部 教授 藤田 紘一郎 様

食品安全情報ネットワーク(FSIN)
http://sites.google.com/site/fsinetwork/
 
1月29日夕刊《「きれい好き」の落とし穴》への公開質問状
 
 
 はじめてご連絡を差し上げます。
 食品安全情報ネットワーク(FSIN)は、食品の安全に関する必要な情報を収集し、科学的な立場からこれを検証し、自らも科学的根拠がある情報発信をすべく日々活動している、学識経験者、消費者、食品事業者、メディア関係者等の有志による横断的なネットワーク組織です。

 貴紙1月29日夕刊に掲載された標記記事に下記のような記載がございました。この内容について質問いたします。
「腸内細菌は免疫を作り、自然治癒力の源泉にもなっている大事なものです。それなのに、日本人の体内では減っています。それは大地で育つ野菜や果実の摂取量が減る一方で、防腐剤や添加物入りの食べ物などをたくさん食べていることとも関係があると思います」
 
 なお、標記記事は藤田紘一郎様へのインタビュー形式ですが、記事掲載の責任は編集者にあるものとFSINでは考えております。つきましては、本質問状は編集者である栩木様と藤田様とに同内容で送付させていただいております。
 

【質問】
  1. 日本人の腸内細菌が減っていると断言されていますが、その根拠は何でしょうか。科学論文をお示しください。
  2. 食品添加物入りの食べ物を食べていることと、腸内細菌が減少することとの間に関係があると思われる根拠は何でしょうか。科学論文をお示しください。
  3. なお、食品添加物において防腐剤という分類はございません。食品中で微生物の増殖を防ぐ役割の添加物は保存料と表示されています。
 
【意見】
 食品添加物の保存料は、食品中の細菌を殺すのではなく、その増殖を防ぐのが主目的です。それも食品中の細菌数が多いと十分な効果を得ることはできず、細菌は増殖します。
 食品中の保存料は、ヒトに摂取された時点で他の食物や体内の水分により希釈されます。さらに、ヒトの消化酵素による分解も起こります。腸内細菌の数は食品中の細菌数よりもはるかに膨大であり、腸内細菌の数を減らすような高濃度の保存料が腸に到達するような食生活はありえないといえます。
 つまり、食品添加物入りの食べ物をたくさん食べても、食品添加物を原因として腸内細菌の数が減ることは極めて考えにくいことです。

 なお、保存料は食の安全を守るために使われるものであり、昨今の保存料を避ける風潮は、食品の腐敗や食中毒といったリスクを高めかねないものと懸念しております。今回の記事は、保存料を含む食品添加物が腸内細菌を減らし健康を損ねる原因になるとの誤解を読者に与える恐れがあり、大変残念に感じています。

 以上、この記事の科学的根拠をお示しいただきたく、記事に間違いがある場合は訂正記事の掲載を要望します。
 ご多忙のこととは存じますが、事の重要性に鑑みて折り返しのご回答をお待ちします。

 なお、本質問状はFSINのホームページ等で公開いたします。また、貴職のご対応についても公開したいと考えていることも予めお伝えいたします。
 
以上
Comments