農林水産大臣 山田正彦氏への抗議及び要望

遺伝子組み換え作物リーフレット回収について

2010年6月22日

農林水産大臣 山田正彦 殿

食品安全情報ネットワーク(FSIN)

遺伝子組み換え作物リーフレット回収への抗議および再開の要望


大臣就任おめでとうございます。日頃は農林水産行政にご尽力いただきありがとうございます。

食品安全情報ネットワーク(FSIN)は、食品の安全に関する必要な情報を収集し、科学的な立場からこれを検証し、自らも科学的根拠がある情報発信をすべく、日々活動している、学識経験者、消費者、食品事業者、メディア関係者等の有志による横断的なネットワーク組織です。

さて、5月7日朝日新聞、5月30日毎日新聞等で、一部消費者団体が農林水産省が発行している遺伝子組換え作物の解説リーフレットに抗議、回収を求めていることなどを背景に、貴省並びに社団法人 農林水産先端技術産業振興センターの遺伝子組み換え作物に関する情報提供のホームページサイトが閉鎖された旨が報道されております。実際、ホームページはいまだに閉鎖されております。

ホームページで公開されているリーフレットに抗議している消費者団体の抗議文を見ると、遺伝子組み換え作物が生物多様性や安全面で悪影響を及ぼすとした上で、リーフレットはメリットだけを強調し、児童・生徒にそれを教え込もうとする意図があると抗議しています。しかし、遺伝子組み換え作物については食品安全委員会および農林水産省、環境省が設置する委員会等において厳しく審査され、安全性が確認されていることはご存知のとおりです。一部の団体から指摘されている問題は科学的根拠に乏しく、ホームページを閉鎖する必然性があるとは考えられません。仮に不適切な表現などがあったのであれば、順次その内容を訂正、更新するのが妥当な対応と考えます。確かに、一部とはいえ遺伝子組換え作物や遺伝子組換え食品に対する不安があることは、各種調査結果からも明らかです。その要因として、情報不足が挙げられ、今回閉鎖されたホームページはそのような情報不足を補う重要な役割を担うものです。

ご承知のように、我が国の食はその多くは遺伝子組換え作物に依存しています。遺伝子組換え作物抜きに我が国の畜産が成り立たないことは自明です。そして遺伝子組み換え作物の推進は「科学技術立国」をめざす我が国の方針でもあるはずです。このような状況を考えれば、遺伝子組み換え作物に関する科学的情報の発信は、その安全性評価および環境影響評価を実施し、その輸入と流通を認めている国の責任において行われるべきです。

明確な理由も、その経緯も明らかにすることなく、突然ホームページが閉鎖されたことに強く抗議するとともに、遺伝子組換え作物に関する科学的な根拠がある情報提供の早急な再開を要望します。

以上

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6月30日付で回答がありましたので、添付ファイルをご覧ください。