言うまでもなく頭部は重要器官です。頭蓋骨を割られたら一巻の終わりです。だから当然重厚な防御を施す必要がある…と言いたいところですがそうとは言い切れない。
何故かというと頭部には「感覚器官が集中しているところ」というもう一つの側面があるからです。
どんなに厚い鎧で防護するよりも避ける方がいいに決まってます。特にそれほど装甲を厚くできない、冒険者ではね。避けるためには前提として迫り来る 驚異をいち早く感知することが必要。そのためには鋭い感覚が欠かせないわけで、冒険者が感覚器官を塞ぐような兜をつけるのはお勧めできません。
具体的には目や耳、鼻の周囲には防御を施さない方がいいわけです。感覚器官ではありませんが、情報伝達と呼吸の確保のために口の部分も空けておきた いし、兜が重すぎたり兜と鎧が完全に接続されていて首が回らなかったりするのも困る。危険は前からしか襲ってこないとは限りません。
今述べた部分は同時に人間の弱点でもありますが、ここはあまり「狙われたら困る」と臆病にはならずに、あまり防具で覆わないでおきましょう。
具体的に防御するのは脳のまわり、つまり頭の部分と、あと後頭部。後頭部は頭を地面に叩きつけられたときのために他の部分よりもショック吸収に気を 使った方がいいと思います。顔や耳の周囲は防御を施さず空けておきましょう。ただ眉間から鼻の頭にかかる部分はちょっとした衝撃でも致命傷になることがあ るので、この部分だけ兜から金属の棒や板状のものを突出させて防護する手はあります。ちょっと見栄えは悪くなりますが、こういう兜は歴史上にも結構ありま した。
首の周りは悩むところですが、好みに応じて喉元の辺りまでは覆っておくとか、完全に空けておくとかしておけばいいと思います。首の動きを邪魔しないように、これだけ気をつけましょう。
ちなみにこの絵では何も防具をつけてませんね。これはちょっとまずいかも。まあ、髪の毛はショック吸収の助けにはなるかもしれませんが。ただ、歴史 を見てみると兜はほとんどが金属製で、あまり軽そうなものがないんです。ハード・レザー製の「革の帽子」みたいなものがあればいいんですが…。