2015/06/14 追記しました。
OVAアンツィオ戦が完成し、発売が近くなってきている今日この頃のガールズ&パンツァー界隈ですが、今(2014年5月25日)のうちに、その先の映画版の予想を出しておきたいと思います。
それ以前に、ガールズ&パンツァーについては書きたいことは山ほどあるのですが…流石にアニメ作品だけあって色々な人が色々なことを書いていますし、私もtwitterの方でちまちまとしたものは書いていますので、こういうまとまったものを書くのは筆無精の傾向になりまして…
今のところ、シナリオの可能性として考えているのは3種類。というのも、あの全国大会をやった後であることは公表されているので、その状況でできることは限られているんですね。
まずひとつめは、複数校連合チーム同士の対決。個人的にはこれ希望です。
黒森峰戦にTV放映分の2回+α、だいたい一時間くらいかけていることから考えると、映画の上映時間の中で出せる大規模な戦車戦は、ほぼ1回とみていいはずです。各キャラレベルでファンがついている現状で、戦車戦に誰とどの戦車を出す出さないの取捨選択は難しいし、ファンとしてはやってほしくない。となると、1回で全員出すには、全員参加の大規模戦しかない、ということになりますし、CGにじっくり時間をかけることができる映画版の利点を、異なる種類の戦車を数多く出すことで生かすこともできます。
おそらく先の全国大会での優秀校6校を選抜して…という名目で大洗・黒森峰・プラウダ・聖グロ・アンツィオ・サンダースが選ばれて、チーム分けは大洗+聖グロ+アンツィオVS黒森峰+プラウダ+サンダースでしょう。理由は純粋にバランス的なご都合で、TV版の文脈から行っても、こりゃ勝てないくらいのバランスからスタートしないと話が面白くなりません。幸か不幸か、大洗女子学園は優勝している一方でサンダース大附が一回戦負け等、「先の大会の実績」だけ見ると、これでも結構バランスが取れているように見えてしまうんですね。
戦闘の経緯は、アンツィオは開始早々にちょっと見せ場を作ってすぐ脱落。P40だけは残ってるかも…程度のところ。WWIIでの評価から行っても、主人公側のピンチを演出する観点から見てもこのあたりが妥当でしょう。大洗は言うまでもなく聖グロも癖のある戦車ぞろいですから、その癖と地形を生かしてどう戦うか、が制作側の腕の見せ所でしょう。ここは予想ができないものになると思います。
最後はみほのIV号とダージリンのチャーチルが協力して、連携必殺技みたいなものを出して勝つんじゃないかと思います。というのも、また一騎打ちですと、TV版のラストを越えるような派手な決着は、リアル設定に足をつけてやっている以上、望めないからです。二輌連携であれば、顕著に、より派手な演出ができますし、ライバル校で唯一、その学校所属の名のあるキャラが全員まとめて同じ戦車に乗っているのがチャーチルである、というのはポイント高いでしょう。ライバル校の中でも飛び抜けた練度の高さを期待できます。
サイドストーリーとして出てくるのではないかと期待しているのは、エリカの顛末。というのは、エリカが、TV版の敵役の役回りに回ったキャラで唯一、「まともに負けを認めた演出がない」キャラだからです。
ダージリンはそもそも大洗に対しては負けていませんし、紅茶を送ってその後大洗の後援者ポジションに回ったので納得行きます。アリサも反省会の一件で溜飲下がりますし、10話登場時はいい顔していたのでこれも納得。カチューシャも10話頭の涙と、同じく10話後半登場時の態度で納得。西住まほも「完敗だな」の一言があります。ところがエリカは、対戦中に追いつめられる演出と、対戦後の「次は負けないわよ」の一言のみ。正直、これだけでは納得しません。最終話まであれだけ言いたい放題やった以上、次は負けない以前に今回負けました、今までさんざんバカにしていたのもすべて間違っていました、ごめんなさい、を示す演出が見たいわけです。
勿論これが他の監督やら脚本担当やらの、ひねたストーリーなら、わざわざキャラ一人取り上げてあげつらうことはやりませんし、やっても無駄でしょう。その作品を見ないだけです。一方ガルパンはストーリーは本道を行っている作品で、それが作品の大きな魅力になっている。となると、エリカがたいして反省していないのは、反省シーンを映画版にとっておいてあるんだな、と好意的に判断するべきでしょう。
また、誤解されるといけないので一応書いておきますが、フィクションであるからこそ私は「反省シーンを見せろ」と書いています。現実の世界にはそんなことはまずあり得ません。せいぜいマスコミに演出された企業の土下座会見くらい。反省というのは対策のためにあるもので、次にどうするか、今後どうするか、の方が実際にははるかに重要です。反省ポーズだけ求めて溜飲下げて、はいおしまい、では何も解決しませんし、むしろ遺恨を招くだけ、というケースもあります。そういう意味では、12話でのエリカの「次は負けないわよ」は、態度に腹は立つものの、むしろ適切な行動とも言えます。
現実世界はフィクションにあるような反省などまずないし、信賞必罰でもない。グレーゾーンのブラックすれすれか、ブラックだけど実害がないようなことをやった人や組織が動かしていくのが現実の世の中ですし、善し悪しだって元になる価値観が異なればひっくり返る。だからこそ、あり得ないからこそ、フィクション世界では、主人公に対して言いたい放題言っている敵対者ポジションのエリカに、反省シーンを求めているんです。そこのところは誤解ないようお願いします。
で、この映画版予想ストーリーの中でエリカはどうなるか?ですが、大胆な予想を一つ挙げますと、エリカは先の全国大会のあとで、黒森峰女学院戦車道チーム内でクーデターを起こして自分が隊長の座に収まります。「西住流家元直系隊長の指示に従ったけどあんな邪道に勝てなかったのは隊長の責任。私が指揮すれば大洗くらい余裕で勝てる」という主張は、先の結果から考えれば支持を得られるでしょう。西住まほは、いち戦車長の立場に降格。
で、作戦自分でたてて、見事負けるわけです。自分が総指揮を執って負けたらもう逃げ場も言い訳もない。素直に負けを認めていただきましょう。
そして西住流本家にもサイドストーリーが。試合中に今度は、この西住まほが車長をつとめる戦車が、みほ黒森峰時代の「崖から落ちていく赤星小梅のⅢ号戦車」ポジションになります。何かのアクシデントで、助けないとまほの命に関わるけど、助けると黒森峰が負ける、という状況が発生するわけですね。今回はまほはいち車長、フラッグ車でもないので喪失イコール負けではない。
まほの親である西住しほにとっても、西住流の考え方から言うと見捨てなければならない。ですがここでまほが死ねば、娘の死でもありますし、西住流を血縁で受け継ぐことができなくなる、という状況にもなります。いまさら破門同然で、以降も西住流に則った戦い方に背を向けている、みほを呼び戻すことは本人的にも世間体的にもできないはず。まほみほに、ほかに姉妹がいれば話は別ですが、今のところはいないと考えるべきでしょう。
この状況で、死を目前にした西住まほと、それを画面で見る西住しほがどのようなリアクションをとるか、制作側の腕の見せ所ですね。
結末としては、その場に居合わせた、敵である大洗の西住みほと、黒森峰後続車の赤星小梅が、呉越同舟の形で協力して、まほ車乗員を救出するシーンを期待してます。このシーンがあったら私は間違いなく泣きますね。そして乗員全員を救出したら、何事もなかったようにみほ車と小梅車は、戦闘行為をせずにその場を去っていく。みほはその場で「適切な行動」をとれば即座に黒森峰に勝利できたはずなのに、あえてそれをしないことで、「私の戦車道」のサイドストーリーも大団円となるわけです。
このときに気になるのは、エリカは何をしていたのか?でしょうね。まほ車を救えば即負けになる状況、というのは、フラッグ車が容易に撃破される状況、であるはずです。フラッグ車をエリカが乗るティーガーIIが担当した場合、そんな状況があり得るのか?赤星小梅がフラッグ車を担当すれば話は別ですが、西住みほと同じく黒森峰10連覇の夢を破った戦犯である赤星小梅に、エリカがフラッグ車を任せるようなことがあり得るのか?やはりエリカの性格からして、自分がフラッグ車を担当しそうな気はしますが、ストーリーの書き方によってはフラッグ車を変えることも出来るのかもしれません。このあたりも制作側の腕の見せ所でもあります。
ふたつめの可能性は、大学や社会人等、上のクラスの戦車道チームとの対戦です。現実の一般のスポーツでも、高校・大学・社会人と言った区分けをまたいだ対戦が行われるものもありますので、戦車道でこれやっても不自然ではないでしょう。
高校生の場合ですと、使用できる戦車は1945年8月15日までのものですが、上のクラスですと、それ以降の、戦後世代の戦車を持ってくるでしょう。とはいっても第3世代以降のものや、それこそ10式なんか持ってこられた日には、ひたすらアウトレンジされて一方的にやられて終わり、になってしまいそうな気がします。
その状況でもがんばる、というストーリーも作れなくはないのですが、妥当な線としては61式とかT-54/55とかセンチュリオンの後期型といった、戦後第1世代あたりでしょうか。これならまだ、第二次世界大戦世代の戦車でも、戦い方によっては何とかなりそうです。
一方、主人公側チームがどういう構成になるか?というのも気になるところ。大洗として出るのか、あるいは他校の名のあるキャラも含めた高校選抜チームとして出るのか。主人公側チームでキャラクターの取捨選択が発生する一方で、敵方のキャラが少ないので新キャラを投入する必要が出てきます。
三つ目の可能性は、戦車道の試合ではなく、実際の戦争に彼女たちが巻き込まれてしまうシナリオです。某国が突然日本を武力攻撃、上陸作戦を成功させますが、自衛隊は手が足りないとか、たまたま上陸地点の近くに学園艦がいるとかの理由で、戦車道チームが実弾を用意して某国との戦争に巻き込まれていく。
おそらく上陸地点の近くにたまたまいるのは黒森峰学園艦で、黒森峰戦車道チームが橋頭堡拡大阻止に動くものの、あくまで戦車道の枠内の流派である西住流にこだわった戦い方をしたために、歩兵の対戦車火器や対戦車ヘリのような、戦車道では存在しない戦車キラーに簡単に撃破されていくわけです。結果黒森峰戦車道チームは壊滅、西住まほなどのメンバーも死亡あるいは行方不明の状態になり、復仇を誓った他校の戦車道チームが、周囲の制止を振り切って実戦に挑んでいく。
戦車道の枠内では、もう今まで以上の作品は作れない、と行き詰まってしまったとか、映画となる過程で色々なところから横槍が入って、大人の事情でこういうストーリーになるという可能性は、あり得なくはないです。
あり得なくはないですが、正直、私はこういうストーリーにはなって欲しくないですね。戦争になってしまうと、死人が出ないという戦車道の全体が崩れてしまいます。無名のキャラクターに至るまでキャラが立っている本編のあとに、そのキャラクター死に行く姿を見るのは何とも悲しい。また、逆に彼女たちが榴弾や機銃で歩兵をなぎ倒していく描写というのも、見ていて辛いものがあります。勿論世の中にはそういう作品はいくらでもありますが、ガールズ&パンツァーはそういうアニメにはならないで欲しい、というのが私の切なる願いです。
2014/08/12追記
OVAアンツィオ戦上映・発売とともに、新たな情報が出てきました。それによりますと
決勝戦後の装備の大洗女子チームと、西絹代率いる知波単学園が混成チームのような形で動いている
聖グロリアーナチームが敵になる
継続高校が出てくる可能性が高い
模様です。1.と2.は予告編映像で紹介されていたもので、3.はアンツィオ戦のスタッフコメンタリーの内容から推測できるものです。
この情報から考えると、今までの高校戦車道の試合の範囲での戦いになることは間違いないでしょう。社会人チームや人が死ぬ実戦の心配をする必要はないようで、一安心です。また、1.より、先に書いた複数校連合チーム同士の戦いになることが期待できます。勿論、練習だけ合同チームで行って、試合はまた1校で1チーム、という可能性はありますが、練習だけ見た目が派手な大編成をやって、試合ではやらない、という可能性は低いでしょう。
とはいっても、出す戦車の種類を減らしてCG作業に対する負荷を減らす努力は行っているようで、知波単学園は、見る限り全て97式チハで固めている模様(旧砲塔/新砲塔くらいのバリエーションは出すかもしれませんが)。継続高校も、フィンランドの縛りがある以上、出てくるのは三号突撃砲G型で、あとはBT改造の短砲身自走砲が出るか出ないか、という程度でしょう。まさか鹵獲したT-34とか…出さないですよね?既にプラウダで出ているので新たにモデル作る手間は少ないでしょうけど。残念なのはカバさんチームの三突はF型なので、モデルが別になってしまうところ。カバさんチームもG型相当に改造、とかやって、3DCGの負荷を減らす、という展開は、あるかもしれません。
継続高校がどちらにつくのか?というのは気になるところです。聖グロ側につくのであれば大洗+知波単vs聖グロ+継続。大洗が決勝戦仕様で火力は相当増強されていますが、相手に継続高校がつくのが痛い。実質89式の数が増えたのと大差なく、普通に戦うと役に立たない知波単勢を、如何に機動戦に生かして、相手の堅い防衛陣を撹乱・弱体化できるかがポイントになりそうです。
大洗側につくのであれば大洗+知波単+継続vs聖グロ+あと2校。今まで出たサンダース/アンツィオ/プラウダ/黒森峰から2校が出てくる、ということになるかと思います。相手も強いですが大洗側も継続参加で火力大増強、黒森峰のティーガー系列やマウスが出てこなければ、正面からの撃ち合いでも勝負になるかもしれません。とはいってもナオミやノンナの腕まで加味すると、やはり正面からの撃ち合いは不利ですが…継続側にも砲手版シモ・ヘイヘみたいな人が出るんですかね。
アンツィオ戦もそうでしたが、追加されるのが知波単と継続ということで、強い戦車を出して派手にする、という方向性ではなく、それぞれの学校のカラーを生かして戦術を工夫して戦う、ということになりそうなのは、実に有り難いところです。
2015/6/14追記
6/6の前売り券発売とともに出てきた劇場特報の映像ですが…何とも不穏です。
もともとの映像情報が、断片的な情報をちりばめるような形でできていてまとめにくいのですが、
「希望」「信じる心」「友情」「王道」「裏切り」「分断工作」「引き抜き」「絶望」
「どこでも花は咲ける」という華の台詞
「後継者」とされる人物の存在
「大洗防衛線、崩壊しました」という優花里の台詞
プラウダ高校の参戦
継続高校所属と思われる学生のヴィジュアルが明らかに
というところでしょうか。
まず、この映像が公開された当たりでは「またコラ画像」的な反応もあったようです。確かにガルパンTV放映版開始の当たりでも、「女の子の学園もので、戦車はちょっと出てきます」という監督のミスディレクションコメントがあったらしいですし、劇場版という例であれば、過去に某魔法少女ものでキービジュアルと内容の乖離が大きく、ビジュアルに騙された小さい女の子とその親がかわいそうなことになる的な話もあったようですが、これに関しては、私はアニメや映画業界に詳しいわけではないので何とも言えません。正直コラであった方が個人的には嬉しいことにはなりそうですが、ではこの映像に出てきたことが嘘、全く映画内に出てこない、という可能性も薄いのでは?とは考えています。以降は、この劇場特報に出てきた情報は全て劇場版内で事実、という仮定に基づいて書きます。
1.と、特報内に繰り返し出てくる大洗不利を示す台詞等から考えますと、どうも大洗陣営側から、戦闘前の引き抜きか、戦闘中の寝返り、あるいはその両方が発生することが分かりますが、果たしてこの引き抜き/寝返りは誰、あるいはどういうグループに対して行われるのでしょうか。ここで気になるのは、まず2.です。
2.は、そもそも同じ華がTV版9話で言った「ここでしか咲けない花もあるはず」という言葉の反対になっています。ということは大洗の誰かが引き抜き対象になる、という可能性が高そうです。寝返りの可能性は低いでしょう。寝返る前に情報が入る、あるいは戦闘中に寝返る状況でこの台詞は悠長すぎます。一方、出てきた戦車を見ると、一応大洗の8両は全て映像として出てきているので、チームではなく、個人が引き抜き工作にあった可能性が高そうです。
とりあえずあんこうチーム内で見て見ますと、華・優花里・麻子は学園艦内あるいは大洗に家族がいるので他校の引き抜きに乗る可能性は低いでしょう。優花里の両親当たりであれば、お金で釣れなくもないですが、いくら戦車マニアで装填手としても優秀とは言え、一家丸抱えレベルで引き抜く価値があるかというと疑問です。例えばTV版12話一騎打ち最後のシーンを見ると、優花里は装填時間短縮の要請に応えてますが、黒森峰側のまほ車装填手はほぼ同じか、それより早いくらいの装填時間で、4号の75mm砲弾より大きいティーガー1の88mm砲弾を装填しており、装填手の能力としては、優花里よりまほ車装填手の方が高い、と言えそうです。(勿論細かい装填手順等もあるとは思いますが)
沙織に大洗という土地に対する縛りがあるかは不明ですが、引き抜くほどの価値はあるかと言われると疑問です。人付き合いはいいので、新しい環境でもすぐ慣れるとは思いますが、それと今までの実績だけでは、引き抜くほどにはならないでしょう。他チームのメンバーという可能性もありますが、話題性はあんこうチームと比べると落ちるでしょう。ただ、複数チームに同時に工作を仕掛けて、大洗チーム全体を二分、という大がかりな話は、あり得ないとは言えません。
大洗の中で残るは西住みほの引き抜きで、これは可能性として一番話がふくらみそうですが、こうなると3.が引っかかってきます。そもそも西住流の後継者は、血縁であればまほがいますし、実力主義であれば、もっと年齢が高い大学やプロ当たりでできる人がいるでしょう。後継者として出てきた赤い服の人が、そういう人である可能性もありますが、それではみほを引き抜く理由がない。可能性としては、何らかの理由でまほが後継者から脱落する、という状況でしょうか。死亡や負傷等で戦車道を続けられなくなったか、黒森峰を率いながら二年連続で優勝を逃しただけで後継者失格の烙印を押されるくらい西住流は厳しいのか。とはいっても後者の方であれば、一度優勝したとは言えみほの後継者としての資格も相当怪しいですが、そのみほの資質を試すために、他の高校に再転校させて、他の戦車道チームを率いさせてみる、というのは、あるのかもしれません。
もう少し考えやすいところとしましては、今回の戦いは複数校vs複数校の形になりますので、そのなかの1つの学校のチームレベルで引き抜き/寝返りが発生する、ということですが、戦車道はスポーツに近いような扱いを受けている中で、通信傍受はともかく(野球等でもサインの盗み見などはあります)引き抜き/寝返りを認めることがあり得るのか?というのが大きな疑問です。まあまだ引き抜きであれば、金銭トレードのようなことはあり得るのですが、寝返りとなると、例えばサッカーの選手が突然寝返ってオウンゴール、なんてことはまともな試合ではまずあり得ないわけで。
ただここで気になるのは4.です。といいますのも、今まで戦車道の試合で出てきたのは殲滅戦とフラッグ戦。このルールであれば、防衛戦を突破する、あるいは突破される、というのは、それほど大きな意味を持ちません。せいぜい背後を取られるか、あるいは防衛戦の背後にフラッグ車が脆弱な状態で取り残されている、というくらいで、これも再編成や戦線整理で対応できるものです。要するに、勝敗を決めるのが、戦車という動くものの撃破であるため、特定の地域を守る守れないというのは、多少の戦術的有利不利には影響しますが、それだけで戦いの帰趨を決めるものでは無いんですね。
にもかかわらず4.のような台詞が出てくるということは、もしかしたら殲滅戦でもフラッグ戦でもない、他のルールで試合を行っている可能性はあります。一応、BDブックレット当たりでは、高校生ではほとんど殲滅戦かフラッグ戦、ということは書いてあったような気もしますが、まあ、日本戦車道連盟まで巻き込めるのであれば、ルールやレギュレーション変更まで、できてしまうわけで…
5.や6.、まあ6.はまだ予想の範囲内としましても、5.を考えると、2校vs2校ではない、更に大規模な戦いになりそうですので、その中の1校あるいは複数校が引き抜きあるいは寝返りに会い、しかもそれが認められるようなルールで戦っている、ということはあり得そうです。こういう切り口から見ますと、かなり不自然ではありますが…例えば関ヶ原の合戦みたいに、戦い前の味方集めや寝返り工作まで戦いのうちに入っている、というルールを作れるのなら、あり得るのかもしれません。
一番穏便なのは、聖グロリアーナが敵に回ること自体を「裏切り」「分断工作」「引き抜き」と呼ぶケースですが、たとえTV版の4話以降でダージリンとオレンジペコが大洗の理解者ポジションに回ったとは言え、再び対戦する機会があることを「裏切り」「分断工作」「引き抜き」と呼んだらそれは理不尽、聖グロリアーナに申し訳ない話です。また、これでは2.の台詞が出てくる展開にするのが難しそうです。私としてはこのくらい穏健な話であってほしいのですが、残念ながら、可能性としては低いでしょう。