画像の範囲では狭いのに対象となる範囲は広い項目になってしまいましたが、冒険者の武器について。あと、絵にはなかったので盾についてもここで書いておきます。
冒険者にとって最適な武器ってなんでしょうか…結構大変な質問ですね。
絵の方ではショート・ソード(short sword 70~80cmくらいの短めの剣)を装備しています(鞘だけではわからないとは思いますが…)。この鎧が使われていた時代には戦闘がスピード化しつつあ り、また鎧もまだ結構厚い時代だったので、短めで扱いやすく、また斬るだけでなく鋭く丈夫な切っ先で突くことで薄めの部分なら鎧も貫くことができるショー ト・ソードが使われていたのもうなずけます。
上に書いた特徴は冒険者にとっても嬉しいですね。ゲームなんかではこれまた大きい剣や魔剣の陰に隠れて影の薄いショート・ソードですが、実は冒険者にとっては長い剣より使える武器かもしれません。小さい相手や素早い敵を重い武器で迎え撃つのは大変です。
ですが、ショート・ソードにも難点はある。まず、いくら切っ先が丈夫といっても鎧の厚い部分や、それと同程度に堅いモンスターなんかには歯が立ちません。こういう敵相手にはメイス(mace)やフレイル(flail)などの「叩く」武器が欲しいところです。
また、短いのが仇となって大きいモンスター相手ではちょっと厳しい。剣が届かなかったりした場合にはどうしようもありません。こういうときには長柄の武器が欲しい。
話がまとまらなくなってきたので、ちょっと条件を追加して整理してみます。
敵の大きさ/素早さについて
大きい敵、鈍重な敵に対しては大きくて重く、長い武器がいい
小さい敵、素早い敵に対しては小さくて軽く、短い武器がいい
敵の堅さについて
堅い敵には殴る武器がいい
柔らかい(?)敵には斬ったり突いたりする武器がいい
つまり、冒険者にとって最適の武器は、「大きくて小さい、軽くて重い、長くて短い、殴れて斬れて突くことのできる武器」なんです
…これじゃ矛盾じゃないか。
まあ、「殴れて斬れて突くことのできる武器」なら、ポール・ウェポンの中でハルベルト(halbert)やビル(bill)、ランカ(runca) やスコーピオン(scorpion)なんてあたりのものなら多分可能だし、剣の中でも長くて重いのは大概「斬る」と「殴る」の中間みたいな攻撃方法になり ますからこれは不可能ではない。ただ、他の部分は魔法でも使わないと、ねえ…。
まあ、現実的な方法としては武器を複数持つことで解決できます。とは言っても弁慶みたいに沢山持つわけにはいきませんが、とりあえず前にも書いた、 冒険者の必須アイテムであるナイフは「小さくて軽くて短い、斬る/突く」武器ですから、これに「大きくて重くて長い、殴れる」武器として柄が長めのメイス やフレイルをプラスすればいろんな状況にそれなりに対応できるわけです。
斬る武器がナイフだけでは不安なら、大きい武器の方を長めの剣にすればいいし、「ナイフ+ショートソード+大きい武器」と三段構えにする手もあります。ちょっと重いですが。
…実は、「大きくて小さい、軽くて重い、長くて短い、殴れて斬れて突くことのできる武器」というものも、無いわけではないんですよね…
ここでその名は出しません。使い方によって長くも短くもなりますが、別に伸縮式というわけではありません。勿論軽くて重いなんて訳にはいきませんが、それと同等の効果があります。殴る・斬る・突くの全ての攻撃方法も可能です。…なんて書くと謎解きみたいですが。
魔法の武器なんて怪しいものでもありません。ちゃんと人類の歴史の中に実在しますし、武器として銃器以降の段階にあるものでもありません。答えは一応伏せておくことにします。気になる方はコメントでも下さい。
話は変わります。今度は盾のお話。盾というのは、使いこなすことができれば便利な防具ですね。言ってみれば「可動式で、必要なところを守ってくれる」ものですから。
ただ、ここで一つ言っておく必要があります。
歴史上の盾の殆どは木製である。
これまたコンピューターRPGなんかでは盾が「木の盾→青銅の盾→鉄の盾→魔法の盾」などと進化していくものだから、木の盾というと「そんなもん役に立つのか?」という気にもなりますが、とんでもない。逆に木製じゃないと自由に動かせません。
勿論、例外として古代ギリシアの盾は青銅製です。ですが、あれは「自由に動かす」なんて発想はないですからね。一度構えたらそのまま動かしません。鎧の一部みたいなもんです。重い上に正面以外の攻撃には効きませんからね。冒険者向きではありません。
木の盾とは言っても、木目が直角に重なるように板を何層か張り合わせたり、前面に皮を張ったり、一部鉄板で補強するなどの工夫が為されてます。勿論それでも壊れるときは壊れますが、これも消耗品と割り切って取り替えれば済むことです。
あと、あまり大きい盾も使わない方がいいと思います。大きい盾は降り注ぐ矢玉の中で身を隠すことができるのでそういう点では便利なのですが、これま た動かしづらいですし、いつも手に持ち歩くわけには行かず通常は背中に背負わざるを得なくなり、いざというときに対応しにくくなります。まあ、冒険者ふぜ いに矢玉が降り注ぐようになったら一巻の終わりですよ。そうならないように気をつけて下さい。