ここも剣同志の斬り合いなら狙われやすいところです。プレート・メイルの完成期には指の一本一本に至るまで鉄板で防護したものがありますが、冒険者 がそこまでするのは止めましょう。細かい作業ができないんじゃしょうがない。厚めの革手袋で済ます。気になる人は手の甲の部分だけ別に防具をつける。この 程度でいいと思います。
ただ、何もつけないのもあるいは問題かもしれません。というのは棒やロープにぶら下がったりつかまったりして移動する(あるいは助けを待つ…)場 合、素手だと摩擦でかなり手が痛くなります。場合によると痛みに耐えかねて思わず手を離してしまうことすらあり得る。こういうときのために冒険者は通常薄 くて丈夫な手袋くらいははめておいた方がいいのかもしれません。こういう手袋がファンタジー世界にあるかどうか、というのは結構微妙なところなんです が…。
ちなみに、先に述べた完成期のプレートメイルでも手のひらの部分だけは鉄を使わなかったんです。手が滑って武器が握れませんからね。全身を鉄で覆うことに執着したヨーロッパ人が唯一空けておいた場所は実は手のひらの部分でした。