農林水産大臣の発言を巡って、急遽、小泉新大臣が任命され、5㎏のお米を4000円以下にすると石破総理大臣も発言するなど本格的な見直しが始まることになりました。この令和の米騒動は、連日、テレビを賑わすほど全国的に価格高騰に歯止めがかからない状況が続いています。5月14日の日本生協連の会議では、首都圏の生協で、5㎏4000円以上のお米しかなく、さらに入荷不足の状況から、宅配利用者に数量限定で、しかも抽選による販売を始めているという話があり、驚きました。結果、組合員さんの中には3週間続けて買えない状態が続いている人もいて、お米の取り扱いについてのクレームはひっきりなしに寄せられているということです。

 昨年の8月から9月まで店頭からお米がなくなる現象が起き、全国的な米不足が表面化しました。コープさっぽろの店頭では8月22日頃まで提供できましたので、北海道内では最も取り扱い量を確保できていたということがいえます。この欠品期間において、農林水産省は米農家の販売価格の引き上げをすすめる契機として政府の備蓄米を放出しないまま、新米時期を迎えました。結果、新米価格は、昨年の実に1・5倍以上という異常な高値で始まり、この5月段階でも上がり続けるという異例の事態が続いているのです。

 約30年前に本格的な米不足による騒動を私たちは経験しています。私はルーシー店の店長をしていましたので週1回のお米の販売日には、開店前に500人を超える組合員さんの行列を整理するなどの異常事態を覚えています。こうした不測の事態の再発防止として宅配での定期便利用者を優先するという方針転換も行われました。実は、この米騒動後に、新米の価格が上昇したことによって消費者のお米の消費量は10%以上も減少し、食卓での米離れが進み、パンなどへ移行する結果を招いたのです。これにより、さらに減反政策が継続したことでお米をめぐる生産と消費は負のスパイラル(循環)が繰り返されて今日に至っているのです。さらに農業生産者の高齢化問題が顕在化していることと直近の西日本での異常気象によるお米の高温障害から、家庭用として出荷できるお米がさらに不足する事態となりました。ただ値上げ後は消費減少も起こり、流通段階ではお米の在庫過多状態にあり、業者は市場価格の推移を見守っている状況ではないかと考えています。4カ月後の新米の入荷前に、価格は下がるのではないかというのが私の予測です。

 コープさっぽろは、過去の教訓からホクレン、東川農協との産直事業で歴史的な取り組みもあり、また高すぎる価格は消費者の米離れを加速してしまうことから、適正価格を目指すことを重点に価格対応をしてきました。結果として5月時点でコープさっぽろのお米の価格は、日本一の安さを実現しているといっても過言でありません。小樽ではコープの店頭からお米を買ってメルカリで5㎏5000円で転売するサイトまで現れるほどです。

 持続可能な社会をめざすには、食とエネルギーが自国で確保できることが前提です。北海道を除いて食糧自給率が極めて低い日本では、主食としてのお米の消費が拡大することは安全保障の観点からも積極的に再評価されるべきだと思います。