出張が急遽キャンセルとなり、時間ができたこともあって、朝6時に出発して留萌・宗谷方面への日帰り臨店をさせていただきました。一番すばらしかったのが、中央スーパー手塩店の高橋政之店長です。手塩町は2500人の小さな街ですが、ここに唯一のスーパーマーケットとして「中央スーパー」が生き残っています。コープグループの最北の店です。ただそこに、2022年にツルハが出店し経営後退を余儀なくされて、事業高は15%後退するという苦戦を強いられていたのですが、この年を境にして2024年まで連続5%の事業成長を実現し、今年はさらに108%に到達しています。追い打ちをかける過疎地域の人口減少という逆境にも負けず前進できているのです。そして3年目の2024年には見事に黒字転換の偉業を達成しました。供給高2億円前後、約100坪の小型店なのですが、2022年以前には約20人のスタッフだったのを、店長を含めて総勢7名で運営ができるようになったのです。事業結果の推移表は以下の通りで、経常剰余率も△4・1%だったのを昨年には+0・7%に転換できたのです。本当にすごいことだと思いました。

 最大の競争相手は、中央スーパーより大きい店舗のツルハ、次にニコット(小型ホームセンター)、そしてセイコーマートです。スーパーは中央スーパー手塩店だけなのですが、利用を伸ばしている原動力は売場の状態を最善に維持するために、店長が自らすべての部門作業に関わっていることと、同じように店長と他6名のメンバー全員がほぼ多能工化できていて、実に無駄のない良い動きで作業が行われていました。良いお店の状態を作るのに、みんながどの作業でもできる状況を作っていたのです。また2024年に黒字化を達成した原動力について聞くと、菓子・食品の自動発注比率を60%台から80%以上に引き上げて、適性発注となり菓子食品の値引き廃棄が大幅に減少して利益を引き上げることができたということでした。たった7人の店舗運営ですが、このチームワークによって、コープさっぽろでの店舗より優れた供給高対比人件費率は7・4%を実現しています。やっぱりすごいことです。

 留萌地区本部の坂井本部長に聞くと、高橋店長は畜産の出身ですが、店長としてキャリアは遅かったけれど職員を大切にしていて、自分で成果を上げても「みんなでやれた」とすばらしいくらい謙虚な姿勢を貫いているということです。最北のサロベツ原野に囲まれたポツンと佇む小さな店のエネルギーに触れることができ、往復10時間もかかりましたが私自身にとっても次への活力をいただいて帰ってきました。手塩店のみなさん、ありがとう!