札幌駅前にある紀伊国屋書店3階の小樽商科大学のサテライト教室でビジネススクール(経営大学院)が開催されています。そこで下期「ソーシャルビジネス講座・経営学特論」の講義を担当しています。ビジネススクールは、大学を卒業した社会人の皆さんが再度経営を学びスキルアップすることを目的とし、向学心の高い30代以上のメンバーが受講しています。私の講座には約20名が参加していて、教える側も学ぶ側も仕事を終えてから集まり、夜の18時30分から21時30分頃までの約3時間で、講義とグループ討議と発表、それに対する総評をして終了となりますので、この日は本当に長い1日となっています。これを隔週で7回実施して、8回目は試験となります。さらに2回に1回の講義では事前課題や事後課題としてレポートの提出もあります。講師は私ですので7回分の講義資料もしっかり準備しなければならず、これは幹部会と同様に、私自身の頭の体操にもなるのですが、提出いただいたレポートへの添削と評価を書き込む作業については、しっかり読み込んでどういうコメントを書くか考えるので最低でも3時間ぐらいはかかってしまいます。ただ受講生の気づきや指摘、ヒントなど新しい発見の連続で、やはり気づきを学べるという点で何物にも代えがたい貴重な体験だと思っています。

 実は、この「ソーシャルビジネス」の講義をしようと思ったのは、小樽商科大学に行政、自治体経営や協同組合などの非営利組織の経営についての研究者がおらず、現代の社会課題を解決するためには、境界を越えた横断的な視点での講義が必要不可欠だと思ったからでした。「ソーシャルビジネス」は、2003年にスタンフォード大学が初めて講義として確立したのが原点となっています。検索すると日本では現在、法政大学、多摩大学、静岡県立大学と小樽商科大学の大学院で授業が行われています。ソーシャルビジネスは「社会課題を解決するビジネスの確立」をめざす講座なので、事例研究の題材として、この間のコープさっぽろの7つの事例(宅配・物流・エコセンター・スクールランチ・農業賞・データ分析講座・健診事業)を紹介し、さらに各講義の中で「イノベーション」と「戦略と戦術、組織と法」についての研究も組み込んで進めています。この講義は3年目となりましたが、やっと体系的な講義内容としてまとめることができましたので、ホッとしています。

 「三方よし」という言葉があります。これは日本の近江商人の経営の原点で「売り手よし、買い手よし、世間よし」と三者が同時に利を得ることの重要性を問うています。コープさっぽろのソーシャルビジネスの推進は、北海道の社会問題を解決するという点で、組合員、コープ、取引先、行政の「四方よし」を具体化しているといっても過言ではありません。最終講義の受講生の質問で「コープが次々とソーシャルビジネスを展開できる原点は何か?」という質問を受けました。「社会は絶えず変化するので、昨年と同じことをしていてはダメで、コープは全員でカイゼンを進めながら、新しいことにチャンレンジしていく組織風土ができつつあるからです」と応えておきました。新年も私たちの旺盛な実践にさまざまな分野からの期待が高まっています。