推定したパラメータの検証のため、モデルを変更してフライトを行い、定常飛行状態(直線飛行とホバリング)の飛行特性について、シミュレーション結果と予想値の比較を実施中です。FMS画面に表示される速度と高度の桁数が少ないため、検証精度はあまり高くありません。
(A)メインローターの静止推力(浮力)FL(Kg重)は
FL=1/2*1.2/9.8*S*CL*(π*2*R*N/60)^2
CL=CLa*kp*Pmax
になるように計算されているようです(失速しない場合)。ここで、kpはブレードピッチ制御の操舵率で、フルパワーでkp=1、フルダウンでkp=-1です。普通に計算すると、この値の1/3になるはずですが、なぜか、これで計算されているようです。
フルパワーのとき、
FL=1/2*1.2/9.8*S*CLa*Pmax*(π*2*R*N/60)^2
Cobraでは、FL=1/2*1.2/9.8*0.04*6.2*0.1*(π*2*0.65*1800/60)^2=22.79 (kg重)
なので、機体質量は、これ以下の必要があります。
静止していない場合は、ローターへの流入風速により実行的なブレードピッチが減少し、推力が低下します。
(B)メインローターによって発生するトルクTm(m*Kg重)は
Tm=4/3*FD*R
FD=1/2*1.2/9.8*S*CD*(π*2*R*N/60)^2
CD=Cd0+kCdi*kp*Pmax
になるように計算されているようです(失速しない場合)。普通に計算すると、Tm=1/4*FD*Rになるはずですが、なぜか、これで計算されているようです。CDも、普通はCD=Cd0+kCdi*Sqr(CL)になりそうですが。。。
CL=CLa*kp*Pmaxが大きい(推力が大きい)と、CDが大きくなり、トルクも大きくなります。
(C)テールローターによって発生するトルクTt(m*Kg重)は
Tt=Lt*FLt
FLt=1/2*1.2/9.8*St*CLt*(π*2*Rt*Nt/60)^2
CLt=CLa*(at0+kr*Rmax)
になるように計算されているようです(失速しない場合)。ここで、krはラダーの操舵率で、-1から1の範囲です。
at0をうまく設定して、ラダーがニュートラルの状態(Kr=0)で、メインローターのトルクをちょうど打ち消すようにすることができます。Tt=Tmより、
at0=4/3*R/Lt*S/St*(Cd0+kCdi*kp*Pmax)/CLa*(R/Rt*N/Nt)^2
なので、フルピッチ(フルスロットル)状態で打ち消されるには、
at0=4/3*R/Lt*S/St*(Cd0+kCdi*Pmax)/CLa*(R/Rt*N/Nt)^2
Cobraでは、at0=4/3*0.65/0.9*0.04/0.02*(0.02+0.02*0.1)/6.2*(0.65/0.18*1800/4800)^2=0.01253(rad)
ホバリング状態で打ち消されるには、FL=mより、CL=m/(1/2*1.2*9.8*S*(π*2*R)^2) なので、
at0=4/3*R/Lt*S/St*(Cd0+kCdi*m/(1/2*1.2/9.8*S*(π*2*R*N/60)^2)/CLa)/CLa*(R/Rt*N/Nt)^2
Cobraでは、at0=4/3*0.65/0.9*0.04/0.02*(0.02+0.02*7.5/(1/2*1.2/9.8*0.04*(π*2*0.65*1800/60)^2)/6.2)/6.2*(0.65/0.18*1800/4800)^2=0.01177m
Cobraのat0は0.009なので、ラダー中立ではトルクが0にならないようです。
CD=CDb
になっているようです。ローターの空気抵抗は飛行特性には考慮されていません。