推定したパラメータの検証のため、モデルを変更してフライトを行い、定常飛行状態(直線飛行)の飛行特性について、シミュレーション結果と予想値の比較を実施中です。FMS画面に表示される速度と高度の桁数が少ないため、検証精度はあまり高くありません。
CL=(CLa*(alpha0-k*Demax)+CM/Vhe)/(1-(hce/c-0.25)/Vhe)
V=Sqrt(2/1.2*9.8*Ws/CL)
になるように計算されているようです(失速しない場合)。ここで、kはエレベーターの操舵率で、フルアップでk=-1、トリムでk=0、フルダウンでk=1です。
主翼の吹き降ろしの影響は計算していないようです。(beta7でも修正されていないようです。)
CD=2*Cf+CDb+CL^2/A+0.02 :beta6
CD=Cf+CDb+CL^2/(A*π)+0.04 :beta7
になっているようです。誘導抗力の計算式が、beta6では通常の航空力学における計算式と異なっていましたが、beta7で修正され、通常の計算式になりました。このA*πとAとの差は大きく、beta6では、誘導抗力が、通常の3.14倍に大きく計算されていました。このため、グライダーのようにアスペクトレシオを大きくした機体でも、誘導抗力が大きくなり、極端に滑空比が劣化していましたが、beta7では少し改善されました。
それでも、抗力係数に固定値が加算されているため、滑空比には制限があります。Cf+CDbを負にすると、FMSの計算が発散する場合があるようです。計算アルゴリズムに問題があり、発散防止用に固定値を加算しているように思われます。
計算式の違いにより、beta6用の機体をbeta7で飛行させると、違和感が発生する場合があります。
(C)推力はスロットルだけの関数になっているようです。
このため、計算上、安定点が2ポイント発生してしまい、動きが不自然に感じる場合がありそうです。ParDesignerでも、少し変な値が表示されることがあります。
パラメータの静的検証用に作成したソフトを公開しています。
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