第21回
2024年1月に思う
2024年1月に思う
今年もよろしく
2024年を迎えました。新年早々、能登大震災や羽田空港事故があり、おめでとうの雰囲気ではありませんが、「今年もよろしく」は、みなさんに心からお伝えしたいと思います。
能登大震災については、毎日の報道を見ると心が痛みます。障害者の詳しい情報も、私には未だ入ってきません。報道を見ると、阪神淡路、東日本、熊本の大震災の教訓が生かされている面と生かされてない面を感じられます。今後ですが、検討しなければならないと思います。
阪神淡路大震災の時は
私も被災地に何度か訪れました。1995年の阪神淡路大震災の時は、兵庫障害者連絡協議会(兵障協)の案内で、その年の5月に訪れました。歩道の点字ブロックが盛り上がって崩れ、市庁舎の中ほどの5階だけが崩れたのを目の当たりにして驚きました。私が一番印象に残ったのは、神戸市の障害者福祉課長と会った時「震災後3~4日は、弁当などを配るのに駆り出され、障害者の事に当たったのは、それからだった」と話されたことです。私は「えっ、それまで障害者に対して手が打たれなかったのか」と思いました。その後の兵障協などの運動で「福祉避難所」の重要性が認識されるなど改善が重ねられました。
能登大震災で、災害関連死の方が日々出ていますが、障害者の場合、だいぶ日にちが経ってからの死亡が、阪神淡路大震災の記録に残っています。
木造仮設住宅が
東日本大震災の時は、大震災の年の秋、2011年の秋に聴覚障害者の人たちと訪れました。気仙沼で海の見えない遙か陸地の奥まで打ち上げられた漁船や、南三陸町の女性職員が最後まで「早く避難して」と叫び、ご自身は津波にのまれて亡くなった避難所跡も見ました。
遠野市では「木造の仮設住宅が出来た」と聞き訪問しました。遠野市社会福祉協議会が運営していて、快く私たちを受け入れて説明してくださいました。木造で建てられ、バリアフリーにもなっていました。木の香りもしました。プレハブの仮設住宅で寒い、狭い、住み難いなどの報道を聞いていたので、驚きで、新たな発見をしました。高齢者が多く、障害者も何人か入居。中央に集会施設と事務所があり、住人の相談を受けていました。その後2回、同所を訪問しました。半年後、震災から1年後に訪問した時は、集会施設にデイケアが開かれ、住居から10メートルも離れていないのにお化粧して参加するおばあちゃんがいる話を微笑ましく聞きました。仮設住宅の孤独死などが問題になっているときだったので、仮設住宅の建設、運営に前進面を見、課題を感じました。
この仮設住宅に東京大学建築学科の助手の方も関わっておられ、お話を聞きました。いくつかの場所に木造仮設住宅が建てられ前進面もあるが、課題も多い、と教えてくれました。報告会の案内もくださいましたが行けず、それきりにしています。今度の能登大震災で少しでも前進面が見られると思います。
また訪れたい
釜石では、鵜住居町を訪問しました。ここは、東北最北端の砂浜海水浴場で夏には海の家が建てられたそうです。私たちが行くと、砂浜の面影はなく、壊れた自動車が何重にも積まれていました。3階建ての防災センターがありましたが、ここに避難した人は、全員亡くなったそうです。エレベーターがあったようですが、心棒が飴のように曲がっていました。小さな祭壇がありウルトラマンの人形が供えてありました。亡くなった子どものものでしょうか。今思い出しても涙が出ます。鵜住居町にもその後2回訪問しました。2回目に訪問した時、堤防の工事を始めていました。「きれいな砂浜がなくなる。しょうがないか」と思いました。3回目に訪問した時に驚きました。20メールはある堤防が出来、景色は一変していました。仮設住宅は少なくなって、山の方に住宅が建てられていました。
高齢者デイケア施設があったので図々しく入ってみました。突然の訪問に関わらず、東京から来た、前にも来たと告げると、ケアーマネージャーさんが丁寧に話してくれました。高い堤防などが出来て復興したように見られるけど、住民の望む方向でないこと、高台に家を再建したけど家族がバラバラになったケースなどを話してくれました。私が「物見遊山で来てはダメですネ」というと、ケアーマネージャーさんが「物見遊山でも良いから来て欲しい。10年後を見て欲しい」と言われました。そして8月に訪問した私に「酷寒の頃来て欲しい」と言われました。10年を過ぎました。この冬か、来年の冬、訪れてみたいとは思いますが。鵜住居には、ラグビー場も出来ました。観戦も兼ねて。
羽田空港事故
羽田空港事故については、よく、あれだけの火災の中で、日航機から全員脱出出来たと思います。あの中に、障害者はいなかったのか。いたとしたら、どのように脱出したのか。国土交通省などに調べてもらい、教訓になることがあれば、生かしてもらいたいと思います。
都民集会に参加を
2月11日に第56回都民集会が開かれます。都民集会でも、分科会打③まちづくり・防災で、学習・討論を深めたいと思います。また、今年は、東京の障害児全員就学50年です。午前中、これまでを振り返り、今後の展望をもつためにシンポジウムを行います。