「口腔崩壊」「未受診」問題を解決するために
未受診になっている要因は「経済的困難」や「理解不足」「時間がない」など多岐にわたります。歯科受診に至るまでに乗り越えなければならないハードルの数は各家庭によって異なるため、特効薬のような解決策はありません。地道な啓発活動や労働環境の改善、子育て支援策の充実など、あらゆる取り組みが求められます。
しかしながら、経済的困難で治療が受けられないという現状は早急に改めなければなりません。家庭の貧困が子どもの健康格差を生み出していることは、すべての子どもの健やかな成長を保障する児童福祉法の理念とも相容れません。
子どもの医療費助成制度の対象年齢を拡充し、医療費を無償化すれば、「医療費の支払い」というハードルを確実に取り除くことができます。
全ての子どもが分け隔てなく医療が受けられるよう、国・都道府県・市町村の一刻も早い決断が求められています。
「口腔崩壊」「未受診」問題を解決するには、むし歯をつくらないことが何よりも大切です。そこで、私たちは学校現場での子どもの口腔保健対策として、3つの取り組みを要望しています。
①歯科医療関係者による口腔保健指導を各学年で毎年実施する
②給食後の歯みがき指導に取り組む
③全児童・生徒を対象にフッ化物洗口を週1回実施
学校での口腔保健対策の取り組みは、学校・市町村・都道府県によってバラつきがあるのが実情です。給食後の歯みがきを必ず実施している学校もあれば、小学校の6年間で一度も学校で歯みがきしないところもあります。フッ化物洗口に至っては、大阪府は全国最低の実施状況です。
各学校が確実に口腔保健対策に取り組めるよう、国や自治体による設備・予算面での支援が求められています。
「口腔崩壊」「未受診」問題を解決するために