参議院選挙(7月4日公示、21日投開票)が実施される。国民の注目が集まる年金問題とともに、10月に実施が予定される消費増税、首相が異常な執念を燃やす改憲などの是非も問われる。江原豊政策部長に争点を解説してもらった。
国の責任を放棄し、自己責任へ――。これが社会保障における安倍政権の姿勢だ。「受益と負担のバランス」を令和のキーワードとし、国民にさらなる負担を強いる。
安倍政権は2018年度までの6年間で3.9兆円もの社会保障費を削減してきた。19年度には、さらに4000億円の削減を予定している(図1)。
医療・介護分野では、診療報酬・介護報酬の削減、自己負担限度額の引き上げ、医療における70~74歳の窓口負担2割化など大幅な改悪を進めた。年金では物価が上がっても支給額を抑えるマクロ経済スライドによって、19年度には約2500億円の削減を予定。安倍政権下の年金削減額は2兆円にも及ぶ。
社会保障費を削減する一方で軍事費については金に糸目をつけない。19年度予算は5年連続で過去最高を更新する5兆3000億円。さらには最新鋭ステルス機・F35の購入費と維持費に6兆円超をつぎ込む。
格差と貧困を容認し、国民に自己責任を押し付ける。いったい誰のための政治なのか。くらし最優先の政治が求められる。