子どもの口腔崩壊・未受診問題

「見える化」プロジェクト

~学校歯科治療調査の取り組み~






「口腔崩壊」という言葉をご存知ですか?

歯がボロボロになってしまい、食事もままならない「口腔崩壊」の子どもの存在が明らかになっています。

学校歯科健診で「受診が必要」と診断されても、家庭の様ざまな事情から受診できない子どもたち。

すべての子どもが分け隔てなく健やかに成長するために、社会全体で支援することが求められています。

はじめに

「歯医者に行けない子どもがいる」「授業中に歯が痛くなり、Tシャツを血で染めて保健室に駆け込んできた」――。大阪府歯科保険医協会と小学校の養護教諭との懇談の場で、学校現場の衝撃的な話が紹介されました。

全国的にむし歯の数は劇的に減少し、子どもの歯の健康状態は大幅に改善しているのに、一体どういうことなのか。養護教諭の協力を得ながら子どもの口腔状況の実態を調査しました。

2012年から取り組み始めた「学校歯科治療調査」では、経済的な背景や家庭の困難な事情から受診できない実態が次々と明らかになり、食事さえもままならない「口腔崩壊」の子どもの存在が浮き彫りになりました。

口腔内の健康格差は深刻な状況です。子どもの口腔崩壊・未受診の実態を多くの人に知ってもらうとともに、問題解決へ向けた取り組みが強く求められています。