土質力学12
地盤の支持力
地盤の支持力
土木施設や建築物の設計・施工において,基礎工は極めて重要です.その基礎を地盤に設置しても大丈夫かどうか,評価しなければなりません.大きい荷重を支えるには,底面積を広くした方が有利なのは理解できると思います.底面積を大きくした基礎をフーチングと呼んでいます.そのフーチングを土が支えることができるか,土の支持力を計算する必要があります.支持力については,プラントルやテルツアッギーが研究し,その成果が利用されています.
支持力は,基礎が土に及ぼす主働土圧と土が基礎に及ぼす受動土圧を元に計算できます.下の資料は,その計算過程を示したものです.最終的に支持力は,基礎の自重の項,土かぶり圧の項,粘着力の項の和で表されます.各項の係数は複雑ですが,全ての項には土圧係数と内部摩擦角が影響しています.係数が複雑なので,係数をまとめて,Nr, Nq, Ncとおき,それらの値を表やグラフから読み取って計算するのが一般的です.
杭など,細くて深い基礎の場合は,深さごとの地盤の硬さで支持力を求めるものです.地盤の硬さは,日本では一般に,標準貫入試験を行って得られるN値を用いることが多いです.標準貫入試験は,ボーリング調査の時に,一定の深さごとに実施しています.標準貫入試験についても下の資料に解説していますので,読んでおいてください.