自分の名前をハングルで書こう
ハングルの書き方の基本
日本の名前をハングルで表記する際は、韓国・国立国語院の外来語表記法にしたがうのが一般的です。ここでは、この方法にしたがって説明します。なお、外来語表記法で厳密に定められていない部分については、慣習にしたがって説明します。
なお、ここで説明しているのはあくまでも、「日本の名前をハングルでどう表記するか」です。ここで示されるハングル表記によってなされる韓国語の発音が、もともとの日本語の発音と同一になるわけではありません。
基本原則
基本的には、日本語の仮名表記を一文字ずつ対応するハングルに置き換えていくことで、ハングル表記ができます。対応表は以下に示す通りです。
なお、対応表を見てもわかる通り、仮名によっては、語頭と語中・語末を区別する必要があります。たとえば、「高田」(タカダ)における最初の「タ」は語頭で、2文字目の「カ」は語中、3文字目の「ダ」は語末に当たります。また、名字と名前は別々の語とみなします。「高田太郎」というときの「太郎」(タロウ)の「タ」は語中ではなく語頭とみなします。
対応表
ア行: ア 아 イ 이 ウ 우 エ 에 オ 오
カ行(語頭): カ 가 キ 기 ク 구 ケ 게 コ 고
カ行(語中・語末):カ 카 キ 키 ク 쿠 ケ 케 コ 코
サ行: サ 사 シ 시 ス 스 セ 세 ソ 소
タ行(語頭): タ 다 チ 지 ツ 쓰 テ 데 ト 도
タ行(語中・語末):タ 타 チ 치 ツ 쓰 テ 테 ト 토
ナ行: ナ 나 ニ 니 ヌ 누 ネ 네 ノ 노
ハ行: ハ 하 ヒ 히 フ 후 ヘ 헤 ホ 호
マ行: マ 마 ミ 미 ム 무 メ 메 モ 모
ヤ行: ヤ 야 ユ 유 ヨ 요
ラ行: ラ 라 リ 리 ル 루 レ 레 ロ 로
ワ行: ワ 와
ガ行: ガ 가 ギ 기 グ 구 ゲ 게 ゴ 고
ザ行: ザ 자 ジ 지 ズ 즈 ゼ 제 ゾ 조
ダ行: ダ 다 ヂ 지 ヅ 즈 デ 데 ド 도
バ行: バ 바 ビ 비 ブ 부 ベ 베 ボ 보
パ行(語頭): パ 바 ピ 비 プ 부 ペ 베 ポ 보
パ行(語中・語末):パ 파 ピ 피 プ 푸 ペ 페 ポ 포
キャ行(語頭): キャ 갸 キュ 규 キョ 교
キャ行(語中・語末):キャ 캬 キュ 큐 キョ 쿄
シャ行: シャ 샤 シュ 슈 ショ 쇼
チャ行(語頭): チャ 자 チュ 주 チョ 조
チャ行(語中・語末):チャ 차 チュ 추 チョ 초
ニャ行: ニャ 냐 ニュ 뉴 ニョ 뇨
ヒャ行: ヒャ 햐 ヒュ 휴 ヒョ 효
ミャ行: ミャ 먀 ミュ 뮤 ミョ 묘
リャ行: リャ 랴 リュ 류 リョ 료
ギャ行: ギャ 갸 ギュ 규 ギョ 교
ジャ行: ジャ 자 ジュ 주 ジョ 조
ヂャ行: ヂャ 자 ヂュ 주 ヂョ 조
ビャ行: ビャ 뱌 ビュ 뷰 ビョ 뵤
ピャ行(語頭): ピャ 뱌 ピュ 뷰 ピョ 뵤
ピャ行(語中・語末):ピャ 퍄 ピュ 퓨 ピョ 표
その他の注意点
促音「ッ」は上に示す文字の下にㅅをつけます。(このように、下につく文字の構成要素を「パッチム」と呼ぶことがあります。)例えば、「服部」(ハットリ)は핫토리となります。
撥音「ン」は上に示す文字の下にㄴをつけます。例えば、「神田」(カンダ)は간다となります。
長音は表記しないことが一般的です。
「新島」(ニイジマ)の「ニイ」は長音「ニー」とみなしうるため、니이지마ではなく니지마とするのが一般的です。
「太田」(オオタ)の「オオ」は長音「オー」とみなしうるため、오오타ではなく오타とするのが一般的です。
「伊藤」(イトウ)の「トウ」は日本語の実際の発音では「トー」となるため、이토우ではなく이토とするのが一般的です。
「慶子」(ケイコ)の「ケイ」は日本語の実際の発音では「ケー」となりますが、長音を表記しない게코よりも「イ」を表記する게이코の方が一般的です。このように、「エイ」(ケイ、テイ、セイ、etc.)の場合は慣習的に、長音とみなして「イ」を表記しない綴りよりも、「イ」に相当する이を表記する綴りのほうが一般的です。
「石井」(イシイ)のように、漢字2文字にまたがる場合、「シイ」は長音「シー」とはみなさないのが一般的です。したがって、이시ではなく이시이とするのが一般的です。
日本人以外の人名
日本人以外の人名については、外来語表記法における日本語以外の言語との対応表に従う必要があります。
中国の人名:基本的には、中国語のピンイン表記をハングルに置き換えていきます。対応表は以下の通り。
国立国語院:外来語表記法 > 中国語の発音符号英語圏の人名:基本的には、英語由来の外来語に対する表記法のルールに従います。
国立国語院:外来語表記法 > 英語その他:国立国語院の外来語表記法では、以下の言語由来の外来語の表記法の説明があります。
スペイン語、イタリア語、ポーランド語、チェコ語、セルボ・クロアチア語、ルーマニア語、ハンガリー語、スウェーデン語、ノルウェー語、デンマーク語、マレー・インドネシア語、タイ語、ベトナム語、ポルトガル語、オランダ語、ロシア語
また、国際音声記号との対照表も示されています。