初級前半
第 15 課(前半)

教科書と教科書付属音声を利用しながら学習を進めてください。

補足解説

  • P.65 存在表現:
     日本語では、人や動物に対しては「いる/いない」、物事に対しては「ある/ない」を用います。朝鮮・韓国語ではこのような対象による区別はありません。「いる・ある」は있다、「ない・いない」は없다です。なお、これらの形は基本形または辞書形と呼ばれ、辞書に載っている形ですが、このまま使うと丁寧ではありません。丁寧形にすると、「います・あります」は있어요、「いません・ありません」は없어요です。基本形から丁寧形への変換の仕方はこの課の後半の内容で、次回学習します。
     なお、それぞれの発音は以下のようになります。特に "없" の読み方は、このあとの学習項目(二重パッチムI)と関わります。

    • 있다 [읻따]

    • 있어요 [이써요]

    • 없다 [업따]

    • 없어요 [업써요]


  • P.65 二重パッチムI:

a. 二重パッチムの後に母音が続く場合... たとえば、없어요の最初の文字はㅄという二重パッチムを含んでいます。このうち右側のパッチムㅅが連音により次の文字の初頭に移動したようにして、업서요のようになります。なお、消えるパッチムの後の平音は濃音化するため(教科書p.28参照。ここでは消えるパッチムの後のㄱㄷㅂㅈが濃音化すると書かれていますが、以前に補足の解説をしたように、ㅅも消えるパッチムの後で濃音化します)、[업써요] のような発音になります。

b. 二重パッチムの後に母音が続かない場合... たとえば 닭は二重パッチムㄺを含んでいますが、このうち右側のㄱだけを読み、ㄹは読みません。없고は二重パッチムㅄを含んでいますが、左側のㅂを読み、右側のㅅは読みません。二重パッチムの構成要素のうち左側を読むか右側を読むかは、ある程度の法則性がないわけではありませんが、単純ではないため、個別の事例を覚えたほうがいいでしょう。


  • P.67 場所・時・方向を表す助詞:
     教科書の説明の通り、時、場所、方向、到達点、対象などを表します。当面は日本語の「に」と似たものと理解しておけばよいでしょう。(日本語の「に」と一致しないケースは後日学習します。)에(「に」)と는(「は」)を組み合わせて에는(「には」)と言えるのも、日本語とよく似ています。


※丁寧形(p.66~p.67練習1)、聞き取り(p.67)、会話(p.64)は次回に扱います。