初級後半:
第4課(2)

今回は教科書第4課のpp.45-47(新しい表現と文法 [2] かしこまった丁寧形、[3] 尊敬の接尾辞)を学習します。

教科書をよく読むとともに、教科書付属音声で発音を確認しながら学習してください。

補足解説

かしこまった丁寧形 ~ㅂ니다/습니다(pp.45-46)

意味・用法: これまでに「해요形」と呼ばれる丁寧形を学習しました。今回新たに学習する「합니다形」は、もう一つの丁寧形です。「해요形」が日常会話の多くの場面でよく用いられるのに対し、「합니다形」はよりかしこまった形で、教科書に書かれているように「初めて会う目上の人や大勢の人の前で話す場合」に用いられることが多いです。ただし、同じ場面において「해요形」を用いるか「합니다形」を用いるかには、世代差や性差、地域差、個人差もあります。

活用:教科書には받침有無型<ㄹ脱落>と書かれていますが、通常の받침有無型とは異なり、子音語幹において独特の形(습니다)をとります。

  • 母音語幹:되다 -> 됩니다

  • ㄹ語幹:만들다 -> 만듭니다 ※ㄹ脱落に注意

  • 子音語幹:좋다 -> 좋습니다 좋읍니다ではなく좋습니다となるので注意

[その他の注意点]

  • 해요形では平叙文と疑問文が同じ形(イントネーションで区別する)でしたが、합니다形は平叙文と疑問文で語尾が変わります。합니다形の疑問文語尾は~ㅂ니까/습니까となります。(教科書p.45中ほどの説明)

  • 丁寧な指示・勧めの語尾として、これまでに~세요/으세요を学習しました。これは해요形の一種とみなすことができます(詳しくは下の文法項目の説明参照)。합니다形における(かしこまった)指示・勧めの語尾としては~십시요/으십시오が用いられます。(教科書p.46最初の説明)

尊敬の接尾辞 ~시/으시~(pp.46-47)

  • 意味・用法: 日本語で例えば「作る」に対して「お作りになる」や「作られる」が尊敬語であるように(つまり、「お~になる」や「~られる」の形に変えることで尊敬語になるように)、朝鮮・韓国語では用言の語幹に~시/으시~をつけることで尊敬形にすることができます。

  • 活用:받침有無型<ㄹ脱落>です。なお、~시/으시~は後ろにさらに何らかの語尾を伴います(別の言い方をすれば、~시/으시~は語幹と語尾の間に入るということです)。基本形語尾~다を伴った形を示すと以下の通りです。

    • 母音語幹:가다 -> 가시다

    • ㄹ語幹:알다 -> 아시다 ※ㄹ脱落に注意

    • 子音語幹:있다 -> 있으시다

[その他の注意点]

  • ~시/으시~の後ろには、様々な語尾をつけることができます。例えば、가시다の語尾を합니다形語尾におきかえれば가십니다となります。해요形語尾をつけた場合、(規則的に活用すれば가셔요となりそうなところですが、例外的に)가세요となります。初級後半の第1課で学習した~세요/으세요は、実は尊敬の接尾辞 ~시/으시~+해요形語尾~아요/어요から成っていたのです。

  • ~시/으시~の後に過去形 (았/었) の해요形をつけるときは、시 + 었 + 어요 -> 셨어요 となります。例えば、하다 -> 하셨어요 となります。시 + 었 が 셨 となるのは、陰陽型の活用において 이 + 어 -> 여 となるからで、規則通りの活用です。

  • 日本語では身内(例えば親)について他人に話すときにはへりくだった形(謙譲語)を用いますが、朝鮮・韓国語では、目上の人(親も含む)について言及する場合は常に尊敬語になります。自分の親のことを他人に言うときでも尊敬語を用いるということです。(教科書p.46の最後の説明)

  • 日本語で「食べる」の尊敬語として「召し上がる」を用いるように、朝鮮・韓国語でもいくつかの用言に対しては尊敬語として別の単語があります(例えば、먹다 -> 드시다)。なお、これらには最初から尊敬の~시/으시~が含まれているため、尊敬の해요形にするときは、드시세요 ではなく 드세요 としなければなりません。(教科書p.47の最初の説明)

  • 있다には「ある」と「いる」の二つの意味がありますが、「ある」の意味での尊敬語は있으시다、「いる」の意味での尊敬語は계시다となります。同様に、없다は「ない」という意味での尊敬語は없으시다、「いない」という意味での尊敬語は안 계시다となります。(教科書p.47の最初の説明)