<ろ>漢方処方
【漢方ろ】
弄玉湯《原南陽》
「茯苓・桂枝各4分、白朮2分、甘草・黄連各3分、木香・橘皮各2分」
◎小児疳証、黄痩腹痛久下、食進まざる者を理む。大人の心下痞、悪心、虚悸等、 通用すべし。
◎此方は《原南陽》の経験にて、
貝養栄湯[1-1]《温疫論》
「知母・花粉・貝母・括楼実・橘紅・白芍薬・当帰・紫蘇子」(上巻)
◎痰涎壅塞。
貝養栄湯[1-2]《温疫論》《勿誤薬室方函口訣》
=「呂貝養栄湯」
「括仁・貝母・知母・橘皮・芍薬・当帰・天花粉・蘇子・生姜」
◎痰涎湧くこと甚だしく、胸膈清からざる者を治す。
◎此方は熱邪大熱解する後、痰涎壅塞して、精気振るわざる者に用いる。
◎[竹葉石膏湯]は余熱上焦にありて痰を動かす者を治す。此方は胸郭清からずし て痰壅を目的とする。
◎雑病には精気振るわず痰胸膈にありて懸痛する者を治す。
炉甘石散《東醫寶鑑》
「炉甘石を多少にかかわらず、先に童便で7回濾して、黄連を煎じた湯で 淬すること7回、又、雀舌を煮た水で淬すること7回、この3つの汁を 合わせ、再び3回淬させたあと、炉甘石を細末にして少しづつ目の痛む ところへ垂らす。
◎爛弦風を治す。
芦根清胃飲《中薬臨床応用》
「芦根30g、茅根30g、竹茹6g、半夏6g、生姜6g、枇杷葉9g」水煎服。
◎胃熱による吐、吃逆、口臭
◎舌質は紅、乾燥。
炉硝散《審視瑤凾方》《中薬臨床応用》
「活9g、防風9g、川6g、白6g、黄9g、菊花9g、蔓荊子9g、炉甘 石15g、硝石2.5g、竜脳0.3g」前の7葉の水侵液を2回とり、薬液が糊状 になるまで蒸発させ、次いで後の3薬の細末と練り合わせる。毎日2回1 %Dicaine点眼をしてから少量を塗布する。
◎結膜炎
◎結膜潰瘍
◎翼状片
炉灰膏
砂三子湯《中薬臨床応用》
「砂0.6g(沖服)、蘇子9g、子9g、白芥子5g」水煎服。
◎慢性気管支炎
◎肺気腫
◎咳嗽、喀痰、息苦しい
◎呼吸困難
呂仏翁方《東醫寶鑑》
「熟地黄・川椒(炒)・甘菊」各等分に作末し、蜜で梧子大の丸剤。 空腹時に塩湯で50~70丸呑む。
◎老人の内障・昏暗を治す。
狼牙湯《金匱要略》
「狼牙3両」
右一味、以水四升、煮取半升、以綿纏筋如繭、浸湯瀝陰中、日四遍。
◎少陰脉滑而数者、陰中即生瘡、陰中触瘡爛者、狼牙湯洗之。
楼貝湯《中薬臨床応用》
「楼皮9g、浙貝母9g、牛蒡子3g、連翹9g、山梔子6g、桑葉6g、天花粉9g、 薄荷5g(後下)」水煎服。
◎急性の咳嗽。
◎粘稠で黄色い痰
◎肺炎
◎気管支炎
漏蘆散《衛生宝鑑》
「漏蘆、升麻、大黄、黄、藍葉、玄参」
漏蘆散《東醫寶鑑》
「漏蘆2銭半、蛇退(焼)1条、瓜1箇」作末し2銭を酒で調服し、熟羹湯 で補い、万一乳汁があまり多くて急に痛むときは、温帛をかけてもむ。
◎乳汁が運行せず、乳が張って痛んで、癰腫になろうとする者。
漏蘆湯《備急千金要方》
「漏蘆、黄、連翹、白歛、枳殻、升麻、甘草(生)、麻黄、朴硝、大黄」
漏芦解毒湯《中薬臨床応用》
「漏蘆9g、黄蓍24g、党参18g、防風9g、黄柏9g、川5g、当帰6g、北紫 草6g、金銀花5g」水煎服。
◎難治性の湿疹、皮膚化膿症
蘆薈丸《内科秘録》
「蘆薈」細末にし、糊で作丸し、1回1.0g服用。(巻九)
露姜飲《東醫寶鑑》
「生姜4両を皮を裂いて自然汁を出し、瘧が出そうになったら、前夜にきれ いな容器にいれて紗布をかぶせ、露にあて夜中に上澄みを取って呑む。
◎痰瘧を治す。
露姜養胃湯《東醫寶鑑》
「先に生姜4両を搗いて自然汁を取り、一晩夜露にあて、翌朝人参養胃湯1 貼に棗2、梅1を入れ、煎じて姜汁で混ぜ、空腹時に温服。
◎長くなった瘧疾が35日ごとに1度発する者。
露宿湯《東醫寶鑑》
「杏仁(皮尖)7個、苦木瘡(手のひら大)1個、烏梅1、草果1、酸石榴皮半分、 青皮2、甘草1寸、姜3片」水煎し、一晩露に当て、翌朝空腹時に服用。
◎風痢に血が混じる者。
露星膏《東醫寶鑑》
「黄蓍(蜜炒)・胡黄連・地骨皮・柴胡」各等分に作末し、蜜で実大の丸剤。 酒に漬けて一晩露にあて、次の日に酒は捨て、薄荷湯に漬けて食べる。
◎脊疳を治す。
老瘧飲《東醫寶鑑》
=「瘧飲」
「蒼朮・草果・桔梗・陳皮・良姜各7分、白・赤茯苓・半夏・枳殻・桂心 ・乾姜・甘草各5分、紫蘇葉・川各4分」作1貼し、塩を少し入れ煎 服。
◎老瘧でになり、脇腹にある症。
老瘧丸《東醫寶鑑》
「常山・草果各2両半、縮砂・檳榔・三稜・莪朮・青皮・陳皮・烏梅・半夏 各1両」作末し姜汁糊で麻子大の丸剤。毎回5丸、就寝時に冷水で呑む。
十将軍丸と同じ薬物。
◎瘧が治らず、腹痛して瘧母になる者。
老君神明散《東醫寶鑑》
「川烏(炮)4両、附子(炮)・白朮各2両、桔梗・細辛各1両」粗末にし絳絹 袋に入れて腰にぶらさげて歩くと、他人に伝染しない。
絳=コウ、真っ赤の意。
◎瘟疫を予防する。
煎散《東醫寶鑑》
「杏仁・人参・麦門冬・山薬・白茯苓・百合・鹿角膠・甘草(炙)」各等分に 粗末、毎回3銭を黄と角子ぐらいに切って入れ、水煎服。
◎虚労の為、長い間喘嗽し、又は、膿血を出す者。
茶飲(ろうちゃいん)《東醫寶鑑》
「麦芽・附子・白各1銭、細辛・川・防風・活・荊芥各半銭、塩一握 り」煎服。
◎赤脈が上から下る症。
苓元(ろうれいげん)《東醫寶鑑》
=「威喜元」
「雪白茯苓4両を切って、猪苓2銭半と煎じて20余回煮立ったら、猪苓は 捨て、茯苓だけ取り出して作末し、黄4両を溶化して弾子大の丸剤。空 腹時にかんで棗湯で徐々に送り込む。
◎腎の湿邪で精気が丈夫でなく、小便が白濁し、淋瀝して止まらない者。
◎婦人の白淫・白帯を治す。
六一散[1-1]《劉河間》
「滑石・甘草」
◎身熱吐瀉・赤白下痢・小便不通・淋痛。
(排尿痛・排尿困難・湿熱)
◎益元散[1]、 茯苓琥珀散《医鑑》参照。
六一散[1-2]《宣明論》
「滑石、甘草」
六一散[1-2]【中成薬】《中薬臨床応用》
「滑石(生)末、生甘草末」6対1の割合で服用、
成人は毎日2~3回、6~9g(小児は2.5~3g)ぬるま湯で服用。
他剤の煎汁で服用も可。
他の薬物と一緒に煎じるときは、9~15gを包煎。
◎熱射病による、高熱、尿量減少、煩躁、口渇、水様性下痢。
六一散[2]《朱氏集談》
「黄蓍(炙)6両、甘草(炙)1両」
右細末如常服乾喫亦得。
◎治喀血発寒熱。
六一順気湯《傷寒六書》《東醫寶鑑》
「大黄2銭、枳実・厚朴・芒硝・柴胡・黄・芍薬・甘草各1銭、姜3片」 水煎し、半分になったら鉄さび液3匙入れ調服する。
◎傷寒の熱邪が内に伝わって、大便がなかなか出ず、口が渇いて、咽喉が乾き、 譫語し、発狂する者。
◎自汗・胸膜がはって痛む者を治すが、大・小調胃と三一承気と大柴胡湯・大陥 胸湯に代わる特効処方。
◎傷寒裏に伝わり、大便結実、口燥咽乾、熱を怕(オソ)れて衣を掲げ、譫語狂妄、 手を揚げ、足を擲(ナゲウ)ち、班黄、陽厥、潮熱、自汗、胸腹満硬、臍をめぐり て疼痛する等の症を治す。《古今方彙》
◎痢にて赤白を問わず相雑え、肚痛み、裏急後重、渾身発熱し、口乾、渇を発す る者を治す。《万病回春》
◎陽明にて内は実し下は失し而してを発する者を治す。《万病回春》
六欝湯[1-1]《東醫寶鑑》
「香附子2銭、川・蒼朮各1銭、赤茯苓・梔子仁各7分、縮砂・甘草各5 分、姜3片」水煎服。
◎六欝の通治薬。
六欝湯[1-2]《東醫寶鑑》
「便香附・蒼朮・神麹・連翹・陳皮・川・赤茯苓・貝母・枳殻・紫蘇葉各 1銭、甘草5分、姜3片」水煎服。
◎あらゆる鬱火を下す。
六欝湯[1-3]《医学正伝》《古今方彙》
=本方六欝湯。
「陳皮・半夏・蒼朮・川各1銭半、山梔子・赤茯苓各7分、香附子2銭、 砂仁・甘草各5分、生姜」煎服。
◎気血食痰湿熱の六欝を治す。
六欝湯[2] 《医学入門》
「陳皮・半夏・川・蒼朮各一銭、赤茯苓・梔子仁各七分、香附子二銭、砂 仁・甘草各五分、生姜三切」
「越鞠丸神麹、半夏・橘紅・茯苓・縮砂・甘草各3.0」
◎理気解欝、和胃化湿。
六応散《東醫寶鑑》
「欝金・滑石・川」等分に作末し、毎回2銭をセイ汁で調下。
◎吐剤。
六神丸[1-1]《雷氏方》
「牛黄、雄黄、真珠粉、元寸香、氷片、蟾酥」
六神丸[1-2]《雷氏方》
「麝香、牛黄、竜脳、朱砂、蟾酥、雄黄」
六神丸[1-3]【中成薬】
「蟾酥、牛黄、真珠、麝香、雄黄、竜脳」1日1~2回、30~60mgづつ服 用。
◎咽頭炎、扁桃炎。
六神丸[2]《京都亀田家製》
「蟾酥5.0、麝香25.0、牛黄13.0、熊胆・真珠各17.0、辰砂12.0、竜脳3、 結合剤8.0、丸皮芍薬霜」
◎めまい、息切れ、気付け、腹痛、胃腸カタル、食あたり。
六神丸[3]《東醫寶鑑》
「黄連・木香・枳殻・赤茯苓・神麹(炒)」各等分に作末し、神麹糊で梧子大 の丸剤。毎回50~70丸を、赤痢には甘草湯で、白痢には乾姜湯で、赤白 痢には乾姜甘草湯でそれぞれ飲み下す。
◎一切の痢疾。
六神散《東醫寶鑑》
「白茯苓・白扁豆(炒)各2銭、人参・白朮・山薬(炒)各1銭、甘草(炙)7分」 を粗末にして毎回1銭に「姜3・棗2」を入れ水煎服。
◎お腹が冷え、夜泣きする小児。
六神散《三因極一病証方論》《古今方彙》
「人参・白朮各5銭、茯苓1両、甘草2銭、山薬5銭、白扁豆1両、生姜、 大棗」水煎。
◎「四君子湯山薬・白扁豆」
◎引きつけて、面青く啼哭し、口は冷気を出し、或いは泄瀉し、乳せざるを治す。
◎腹痛にて啼哭し、面青く、口中冷気、四肢も亦冷え腰を曲げて啼き、或いは大 便青白糞を泄瀉し、及び乳を吃わざるを治す。
六神湯(飲六神湯)《女科輯要方》
「橘紅・石菖蒲・半夏麹・胆星・茯神・旋覆花」
六神湯《東醫寶鑑》
「肉豆()・破故紙(炒)・白朮・白茯苓各1銭半、木香・甘草(炙)
◎脾と腎がともに弱く下痢する者。
六聖散《東醫寶鑑》
「乳香・没薬・川・雄黄・白各2銭、芒硝5銭」作末し病人を仰臥させ て口に水を含ませ、薬を鼻内に少し吹き入れる。
◎あらゆる頭痛。
六柱散《東醫寶鑑》
「四柱散訶子・肉豆各等分」
四柱散=木香・白茯苓・人参・附子(炮)・姜・棗。
◎元臓が冷え、腹痛・下痢する者。
六珍丹《東醫寶鑑》
「水銀1両半、黒鉛1両」を炒って粉にし、雄黄・雌黄・真珠各1両、丹砂 (水を切る)5銭を細末にし、蜜を入れて搗いて梧子大の丸剤。姜棗湯で5 丸づつ服用。
◎五種の癇病で叫び、風癇で昏倒し泡を吹き、四肢がしびれる者。
六度煎《亀井南溟》《勿誤薬室方函口訣》
「芍薬・当帰・黄蓍各1銭、遺糧8銭、附子・虎脛骨各1銭」
◎黴毒、筋骨疼痛して諸薬効かず、形体虚憊する者を治す。
◎此方は黴毒頑固数年治らず、津液これが為に虚憊骨立、或いは筋骨疼痛、ほと んど痿躄を為し、桂枝加朮附湯の類を与えて効なき者を治す。もし津液やや復 すと雖も、毒動かざる者は[化毒丸]少量を兼用すべし。
六磨湯[1-1]《東醫寶鑑》
「四磨湯大黄・枳殻」
四磨湯=檳榔・沈香・木香・烏薬
◎大便不通で熱のある者。
六磨湯[1-2]《東醫寶鑑》
「四磨湯木香・枳殻各等分」
◎七情が欝結し、上気・喘急する者。
◎気のふさがった者。
六磨湯[1-3]《世医得効方》《古今方彙》
「沈香・木香・檳榔子・烏薬・枳殻・大黄各等分」熱水を用いて膿汁に磨り、 合して之を服す。立ちどころに通ず。
◎気滞腹急、大便閉結するを治す。
六味三稜丸《東醫寶鑑》
「莪朮・三稜・麦芽・青皮」等分に作末し、麺糊で緑豆大の丸剤。白湯で10 ~20丸呑む。
◎米飯ばかり食べて、癖積になった者。
六味丸[1-1]《小児薬証直訣》
「熟地黄八銭、山茱萸肉・山薬各四銭、沢瀉・牡丹皮・茯苓(去皮)各三銭」 作末し梧桐子大の蜜丸。毎回三丸を空腹時に温服。(下巻)
処方解説
A[方剤分類]・・・補益剤
B[八綱弁証]・・・裏熱虚
C[六淫]・・・・・湿
D[四傷]・・・・・気
E[六経弁証]・・・少陰病
F[衛気営血弁証]・営分
G[三焦]・・・・・下焦
H[方剤帰経]・・・腎経。
I[臓腑弁証]・・・腎陰虚
J[効能]・・・・・滋補陰陰・清熱。
K[適応]・・・・・陰萎
高血圧症
前立腺肥大症
糖尿病
難聴
変形性膝関節症
慢性腎炎
腰痛
六味丸[1-2]【中成薬】《小児薬証直訣》《中薬臨床応用》
=「六味地黄丸」「地黄丸」
「熟地黄、山茱萸、山薬、茯苓、沢瀉、牡丹皮」
◎滋補肝腎、清虚熱、利湿。
◎腎性高血圧。
◎慢性腎炎
◎糖尿病
◎神経衰弱
【薬理】
六味地黄複方の薬理試験用として、熟地、山茱萸、淮山薬、牡丹皮、澤瀉、茯苓を8:4:4:3 :3:3の割合で煎剤とする。
①腎性高血圧に対する影響
131Iでラベルしたイオタラム酸ナトリウムを用いて腎機能を測定し、腎臓を結紮して高血圧を発生させてから、1日煎剤(150%)1.5g/kgを週に6日間経口投与すると、明らかな血圧の低下と腎機能の改善がみられた。
②副腎皮質機能に対する影響
副腎中に含まれるビタミンCの量。肝臓内に含まれるグリコーゲンの量(ラット/マウス)及び周囲の血液中の好酸球の数(マウス)を指標として、長期にわたり大量に投与したが、明らかな影響は無かった。
③交感神経系の機能に対する影響
ラットの寒冷昇圧反射、エピレナミンの昇圧反応および副腎中のカテコールアミンの量を指標として、1~2週間経口投与したが、明らかな影響はなかった。
六味丸[1-3]《東醫寶鑑》
「熟地黄8両、山薬・山茱萸各5両、沢瀉・牡丹皮・白茯苓各3両」粉末に し蜜で梧子大の丸剤。温酒と塩湯で50~70丸呑む。
◎腎水不足と陰虚を治す。
◎虚労に腎気が衰弱した症で、痩せて盗汗があって発熱し、五臓が衰弱した者。
六味丸[1-4]《小児薬証直訣》《龍野ー漢方処方集》
=「六味地黄丸」
「熟地黄8、山茱萸・山薬各4、牡丹皮・沢瀉・茯苓各3」 の割合で粉末に し蜂蜜で丸剤に作り、6.0g~15.0gを1日3回に分服。
◎肝腎不足、真陰虧損し、精血枯渇し、憔悴羸弱し、腰痛足酸、自汗盗汗し、汗 水泛(うか)んで痰となり、発熱咳嗽し、頭重目眩、耳鳴耳聾、遺精便血、消渇 淋瀝、失血失音、舌燥喉痛し、虚火牙痛足跟痛をなし、下部瘡瘍等の症を治す。
◎憔悴羸痩、腰痛足だるく自汗又は盗汗、頭眩、耳鳴り、遺精消渇、舌燥喉痛、 歯痛などの症状を呈する者。
◎此方は金匱腎気丸の桂枝、附子を去ったものであるから、八味丸よりは軽症で ある。腎虚のため疲労感があり、特に精力弱く、陰痿、遺精、腰痛等を訴え、 多尿、耳鳴、弱視、口渇等を伴うものに用いる。脾虚、気虚著しくして食欲不 振、下痢傾向あるものは禁忌である。《漢方後世要方解説》
熟地=陰を滋し、腎を補い、血を生じ、精を生ず。君薬。
山薬=肝を温め、精をらす。
牡丹=君相の伏火(心火、肝火、命門火)を瀉し、血を涼しうす。
山薬=脾を補し、腎を固うす。
茯苓=脾火の湿熱を滲し。
沢瀉=膀胱の水邪を瀉し耳目を聡明にす。
★六味丸:(腎陰虚、頭のふらつき、ほてり、口渇、舌乾燥、多尿、小便不利、 下腹部軟弱・無力、疲労倦怠、憔悴、羸痩)
★適応症及び病名(五十音順)
[1]明け方の下痢 (毎朝)
[2]足のすねの疥癬
[3]頭がボーッとする [4]頭がふらつく
[5]安静時に腰が重い
[6]息切れ
[7]遺精:
☆性的衰弱で陰痿、遺精、耳鳴を訴え根気なき者《漢方後世要方解説》
[8]萎縮腎:
☆夜寝ると、のどがカラカラに乾く者。
[9]胃痛:
☆(胸焼け、ゲップ)
[10]陰痿:
☆下腹部がひきつれる者。
[11]陰虚火動
[12]陰虚面浮
[14]陰茎強直症
[15]陰茎の掻痒・疼痛
[16]陰症発斑
[17]黄疸(慢性疲労による、陰黄)
咳嗽
☆六味丸+五味子=七味都気丸《湯頭歌訣》
[18]顔のむくみ
[19]かかとが痛い
[20]鶴膝風
[21]角膜炎
[22]角膜潰瘍
[23]角膜ヘルペス
[24]過少月経
[25]肩こり
①腎陰虚。
②口渇。
③舌乾燥。
④多尿、小便不利。
⑤下腹部軟弱・無力。
⑥疲労倦怠。
⑦憔悴、羸痩。
[26]脚気
[27]滑精(かっせい)
[28]下腹部軟弱・無力
[29]眼瞼湿疹・眼瞼皮膚炎
[30]乾癬:
☆患部が黒く乾燥している者。
[31]肝硬変:
☆「乾姜・川・防已」《方読便覧》
[32]気管支喘息
[33]稀発月経
[34]筋骨痿弱:《漢方後世要方解説》
[35]強皮症
[36]結核性関節炎
[37]血尿(尿血)
[38]血分腫:
☆「乾姜川防已」《雑病翼方》
[39]血淋
[40]月経過少(月経量少ない
[41]下痢:
☆(食後に下痢、排便後はすっきり)
☆(明け方の下痢、腎陰虚、食後に下痢、排便後はすっきり)
☆腎虚にて久瀉止まざるには:「五味子・破故紙・肉豆・呉茱萸」 《寿世保元》
[42]健忘症
[43]声がれ:
(房事過多で腎気不足)
[44]口渇:
☆(夜間に口がカラカラになる)
[45]口舌乾燥
[46]甲状腺機能亢進症
[47]高血圧症
[48]呼吸促迫
[49]五更瀉
[50]午後から夜にかけての発熱
[51]腰から下が重い・だるい
[52]跟痛
[53]座骨神経痛
[54]残尿感
[55]痔(内痔核)
[56]痔瘻
[57]自汗
[58]子宮後屈
[59]子宮前屈
[60]思考力減退
[61]四肢無力:
☆石束氏の3歳になる児は、ある日、突然頸の筋肉が軟弱になって頭 が傾き、手足の筋肉の締まりを失って、いざりのようになって動か なくなってしまった。腹をみると、右側がふくれて気球のようで、 これを圧すとぶわぶわして軟く、締まりがない。
石珠氏は驚いて、余に診を乞うた。余は言った。これは全く天柱 崩倒の症である。腹のふくれたのは腹気が腸を維持することが出来 なくて腸が崩れたと見える。先ず試みに六味丸を与えてみようと言 って、これを飲ましたところ奇効があり、数剤の服用で全治した。 《大塚敬節》
[62]歯槽膿漏
[63]肢体沈重=四肢が重だるい
[64]シェーグレン症候群
☆疲れやすく、足腰がだるい、手足がほてる、めまい、寝汗、舌は赤く乾いている。頻尿、夜尿などの症状がある者に用いる(漢方診療医典)
[65]消渇(下消)
[66]硝子体溷濁
[67]小児の下痢
[68]小児の頭蓋骨門の閉鎖不全:
☆《梧竹楼方函口訣》
“この方は虚弱児童や解顱の者を治するのがもとで、それを大人の治 療にも転用する”
[69]小児の発育不良:
☆小児で肝気が亢ぶって気が短くなり、何かにつけて泣き出すと止ま ず、眼に青味が多く、額に青筋が現れ、顔はいつも蒼白いような者 にこの方を半年~1年も続けて飲ませると、いつとはなしに気質が 落ち着いて重厚となり、筋肉の発達もよくなりたいへん達者になる 《梧竹楼方函口訣》
[70]小児の発熱:
☆(発熱が続き全身が熱い)
[71]小児のひきつけ
[72]小児麻痺
[73]小便不利:
☆津液枯渇し、小便不利する:「車前子」《方読便覧》
[74]小便淋滴
[75]小便失禁
☆内虚熱する者にして小便頻数不禁なるを治す:「牡蛎・五味子」 《丹渓附録》
[76]食後の下痢
[77]食欲不振(腎機能の衰弱により)
[78]弱視:
☆初老の者。
[79]耳鳴
[80]自律神経失調症
[81]視力減退
[82]神経衰弱
[83]心臓性喘息
[84]腎盂炎
[85]腎炎
[86]腎臓結石
[87]腎臓結核
[88]腎風瘡
[89]頭痛(陰虚痛)
[90]性的神経衰弱
[91]性欲の異常亢進
[92]精力減退
[93]せき:
☆(夕暮れから夜間、疲労による痰が多い咳)[夜嗽]・[労嗽]
☆咳嗽、その標、肺にあってその本、腎にあるを治す「蛤・麦門冬 ・五味子」《方読便覧》
[94]脊椎症:
(畸型キガタ)
[95]赤白痢
[96]舌苔:
☆傷寒壊症、舌上黒苔あり、乾燥して亀裂。精神恍惚、津液枯渇し、 熱劇しく、如何ともできない:「黄連・白芥子」《本朝経験》
[97]前立腺肥大
[98]早漏
[99]帯下(白)
[100]大小便秘結
[101]苔癬:
☆(患部が黒く乾燥)
[102]腿膝枯細
[103]だるい
[104]脱肛
[105]脱力感
[106]タンパク尿
[107]知能の発達不良
[108]潮熱
[109]疲れやすい
[110]低血圧症
[111]手足のほてり
[112]盗汗
[113]糖尿病:
☆糖尿病にて虚状を呈し、陰痿、多尿、口渇する者《漢方後世要方解 説》
[114]糖尿病性掻痒:
(患部が黒く乾燥)
[115]動脈硬化症
[116]夏まけ
[117]難聴
☆八味丸適応者より冷感が少なく、比較的若年者には六味丸が適している(漢方診療医典)
[118]乳幼児の発育不良
[119]尿失禁
[120]尿閉
[121]尿崩症
[122]尿路感染症
[123]妊娠中の子宮の位置異常(前屈・後屈)
[124]妊娠中の排尿障害
[125]ネフローゼ
[126]寝汗
[127]熱感
[128]ノイローゼ
[129]脳出血
[130]バセドウ病
[131]歯がグラグラ
[132]肺気腫
[133]肺結核
[134]排尿時に灼熱感・疼痛
[135]白内障
[136]発育不良
[137]煩渇引飲
[138]脾腎泄(=五更瀉)
[139]疲労
[140]不感症
[141]ほてり
[142]膀胱炎
[143]膀胱括約筋麻痺
[144]膀胱結核
[145]膀胱結石
[146]膀胱直腸障害
[147]勃起不全
[148]麻疹:
☆麻疹後数日、熱退かざる者を治し奇効あり:「白芥子・防風・黄蓍」 《雨森牛南》
[149]慢性気管支炎
[150]慢性腎炎:
☆慢性腎炎・萎縮腎にて疲労、多尿の者《漢方後世要方解説》
[151]慢性尿路感染症
[152]耳鳴り:
☆「柴胡・磁石」=「耳鳴丸」【中成薬】
[153]無月経
[154]無排卵
[155]夢泄
[156]めまい
[157]面黒形痩
[158]網膜炎
[159]網膜出血
[160]網膜剥離
[161]もうろう感
[162]夜尿症:
☆夜尿症にこの方の効がある者がある《漢方後世要方解説》
[163]遊走腎
[164]腰脚麻痺(下肢麻痺)
[165]腰痛:
☆(腎虚痛、安静時に鈍痛)
☆初老以後の者で腰痛、眼精疲労、視力減退する者《漢方後世要方解 説》
[166]緑内障
[167]老人性掻痒症:
☆(患部が黒く乾燥)
[168]老人性排尿障害:
☆(尿がポタポタ、尿頻数)
[169]老人性膀胱萎縮
[170]老人の頻尿
【加減方】
血膨:「乾姜・川・防已」《雑病翼方》
「黄連・白芥子」=「元陰湯」《本朝経験》
「沢瀉人参黄蓍」=「七賢散」
六味地黄丸{2] 《丹渓附録》
「六味丸牡蛎・五味子」
◎内虚熱する者にして小便頻数不禁なるを治す。
六味地黄元《東醫寶鑑》
「
◎虚労で腎気が衰弱した症。
◎痩せて盗汗があって発熱し、五臓が衰弱した者。
六物黄湯[1-1]《金匱要略》
「黄3両、人参3両、乾姜3両、桂枝1両、大棗12枚、半夏半升」
右六味、以水七升、煮取三升、温分三服。
◎治乾嘔下利。
◎張仲景、人参黄を用ふるや、心下痞して硬き者においてなり。然れば則ち心下痞硬・乾嘔・下利の者、此の湯之を主る。その此の証なければ、則ち終に効なきなり。
六物黄湯証=乾嘔・下利。《薬徴》
◎=「半夏瀉心湯黄連甘草桂枝1両」《重校薬徴》
◎桂枝1両は疑わし、当に2両に作るべし。《重校薬徴》
◎心下痞、乾嘔、下利、発熱の証を療するに此方を使用す。其の効神の如し。 《重校薬徴》
◎《勿誤薬室方函口訣》
此方は黄湯と桂枝人参湯の間の位で、上熱下寒の下痢に用いて効あり。
[黄湯]=腹痛を主とする。
[六物黄湯]=乾嘔を主とする。
[桂枝人参湯]=腹痛、なく、表熱ありて虚寒に属する者。
◎此方は半夏瀉心湯に類して、下利を治する効力は最も速い。《勿誤薬室方函口 訣》
六物黄湯[1-2]《金匱要略》《龍野ー漢方処方集》
「黄・人参・乾姜・大棗各3.0g、桂枝2.0g。半夏8.0g」
水280ccを以て煮て120ccに煮詰め3回に分服。
◎乾嘔下痢。
六物葛根湯《勿誤薬室方函口訣》
「葛根黄黄連湯紅花・石膏」
◎口瘡を治す。
六物解毒湯《黴癘新書》《勿誤薬室方函口訣》
「遺糧4銭、金銀花2銭、川・苡仁各1銭半、木瓜・大黄各1銭」
◎黴瘡、骨節疼痛を治す。
◎此方は山東洋の《捜風解毒湯》を刪訂したる者にて、捜風解毒湯の主治と同じ ところへ用いる。けだし香川の解毒剤は一切の瘡瘍の毒を小便に分泌する効あ り。諸瘡の臭気を去るには妙なり。
◎此方は筋骨等津と[軽粉][甘汞]の毒を解するを主として用いるべし。
(刪訂=サンテイ、けずり訂正する)
六物散《東醫寶鑑》
「乾枸杞根・乾薔薇根・甘草各2両、胡粉・商陸根・滑石各1両」作末し酒 少量に混ぜて塗る。
◎漏腋を治す。
漏腋=腋下・手掌・足心・陰下・股裏が、いつもジトジトと、汗がにじむ。
六物敗毒湯 《漢方診療医典》
「遺糧4.0、金銀花・川・木瓜各3.0、苡仁5.0、大黄1.0」
六物附子湯[1-1]《三因極一病証方論》
「炮附子・桂心・防已各4両、白朮・茯苓各3両、炙甘草2両」(巻3)
六物附子湯[1-2]《三因極一病証方論》《勿誤薬室方函口訣》
「附子4両、桂枝4両、蒼朮2分、甘草2分、防已4両、茯苓3分」水煎し 冷服。
◎四気、足の太陰経に流注し、骨節煩疼、四肢拘急し、自汗短気あり、小便不利 し、悪風、寒に怯え、頭面手足時々浮腫するを治す。
◎此方は、骨節疼痛の模様、附子湯に似たれども、その因、風湿よりきて、四肢 に水気を含み、悪寒自汗等出ずるものなり。
◎[桂枝附子湯]の一等水気ある者に用いる。
◎その水気、表に専らにして、[真武湯]の内水とは大いに異なる。
◎寒湿脚気、疼痛不仁して、両尺脈来ること沈細なる者を主る。これ痺 証なり。 案ずるに仲景[甘草附子湯]、《備急千金要方》[四物附子湯]と名付けて曰く、 体腫るる者、防已4両を加う。悸気あり小便不利する者は茯苓3両を加うと。 陳氏、これに拠り合して一方となし、以て六物附子湯となすなり。《雑病翼方》
◎方後に云う、湿痺緩風を治すと。湿のために中る所、之を湿痺という。 手足緩弱なる者、之を緩風という。これを脚気緩症に用いてすこぶる効あり。
◎風湿脚気なる者は疼痛を以て弁となす。疼痛ある者は必ず衝心せず、もし衝心 せんとするも者は[唐侍中一方]によろし。ただし、痛軽き者は[六物附子湯]に よろし。《先哲医話》
六物附子湯[1-3]《三因極一病証方論》《経験》
「附子・甘草各1.8、桂枝・防已各3.0、白朮・茯苓各5.0」
六物附子湯[1-4]《三因極一病証方論》《龍野ー漢方処方集》
「桂枝・防已各4.0g、甘草2.0g、白朮・茯苓各3.0g、白川附子1.0g」
◎骨関節疼痛、四肢筋肉攣縮、自汗、息切れ、尿利減少、悪風寒、顔面手足時々 浮腫する者。
六抑湯
六和湯《和剤局方》《医方考》
「縮砂仁・香・厚朴・杏仁・半夏・白扁豆・木瓜・人参・白朮・赤茯苓・ 甘草・生姜・大棗」
◎寒熱交錯し、霍乱吐瀉。
六和湯《和剤局方》《古今方彙》
「半夏・砂仁・杏仁・人参・甘草各1両、赤茯苓・香・白扁豆・木瓜各2 両、香・厚朴各4両、生姜、大棗」水煎。
◎暑に傷れ、心脾霍乱転筋、嘔瀉寒熱、痰嗽痞満、頭目昏痛、肢体浮腫。便渋り、 冒暑瘧痢、中酒煩渇、食を畏るるを治す。
六和湯《東醫寶鑑》
「香・厚朴各1銭半、赤茯苓・香・白扁豆・木瓜各1銭、縮砂・杏仁・ 半夏・人参・甘草各5分作1貼して、姜3、棗2を入れ、水煎服。
黄連(麩炒)1銭を加えると、清暑六和湯という。
◎暑に嘔吐・下痢・浮腫・瘧痢する者。
六和湯[2]《東醫寶鑑》
「常山2銭、知母・貝母・人参・草果・白・烏梅・檳榔・柴胡各1銭、姜3、 棗2」酒と水を半分づつにして煎じ、一晩露にあて、瘧の発する日に服用。
◎瘧の治らない者。
鹿角膠丸《東醫寶鑑》
「鹿角膠(炒)1両、没薬・油髪灰各6銭」粉末にし、白茅根汁に糊を少し混 ぜ梧子大の丸剤。空腹時に塩湯で70丸呑む。
◎房事過多と小便から出血する者。
鹿角膠散《東醫寶鑑》
「鹿角膠1斤、鹿角霜・熟地黄各8両、当帰身4両、牛膝・白茯苓・菟絲子 ・人参・白朮・杜仲各2両、虎脛骨・亀板(酥炙)各1両」を作末して鹿角 膠を酒に入れ、煎じつめた水で梧子大の丸剤。姜塩湯で100丸飲み下す。
◎両足の痿軟。
◎長い間寝ていたために起きられない者。
鹿角散《東醫寶鑑》
「鹿角屑・鹿茸(酥炙)各1両、白茯苓7銭半、人参・白茯神・桑蛸・川 ・当帰・破故紙・竜骨・韭子(酒浸・1晩焙)各5銭、柏子仁・甘草各2銭 半」粉末にし、毎回5銭に姜5斤・棗2枚・粳米100粒を入れて煎じ、空 腹時に服用。
◎久虚夢泄。
鹿角散《洞玄子》
「鹿角・柏子仁・菟絲子・蛇床子・車前子・遠志・五味子・肉蓉各4分」 搗いて篩(ふるい)にかけ作末する。毎食後5分~1寸大の匙1杯を服用。
◎男子が五労七傷で陰茎が萎えて勃起せず、性交に及んでも成功しない者。
◎性交の途中でしぼんでしまい、又は精液がひとりでに漏れる者。
◎尿が出きらなかったり、腰・背中が疼き、冷える者。
鹿茸丸《東醫寶鑑》
「麦門冬2両、鹿茸・熟地黄・黄蓍・五味子・鶏(麩炒)・肉蓉(酒浸) ・山茱萸・破故紙(炒)・牛膝(酒浸)・人参各7銭半、白茯苓・地骨皮・玄 参各5銭」作末し蜜で梧子大の丸剤。空腹時に米飲で50~70丸呑む。
◎腎虚・消渇で小便の少ない者。
鹿茸丸《厳氏済生方》
「鹿茸、牛膝、五味子、川楝肉、山薬、肉桂、杜仲、沢瀉、沈香」
鹿茸散《備急千金要方》《中薬臨床応用》
「鹿茸1.5g、当帰9g、阿膠9g、蒲黄6g、烏賊骨15g」細末にし毎日1~2 回、3gづつ湯で服用。
◎腎陽虚の不正性器出血。
鹿茸散《証治準縄》
「鹿茸、烏賊骨、白芍薬、当帰、桑寄生、竜骨、人参、桑蛸」
鹿茸散《婦人大全良方》
「鹿茸、烏賊骨、桑寄生、竜骨、白芍、当帰、附子、桑蛸」
鹿茸大補丸《沈氏尊生書》
「鹿茸、黄蓍、茯苓、当帰、熟地黄、肉蓉、杜仲、白芍、白朮、附子、肉 桂、人参、五味子、金石斛、半夏、甘草」
鹿茸大補湯《医学入門》《古今方彙》
「鹿茸・黄蓍・当帰・白茯苓・熟地黄各2分、白芍薬・白朮・附子・人参・ 肉桂・半夏・石斛・五味子各3分、肉蓉・杜仲各4分、甘草1分、生姜、 大棗」煎服。
◎男子一切の虚損、婦人のの亡血等の症を治す。
鹿茸大補湯《東醫寶鑑》
「肉蓉・杜仲各1銭、白芍薬・白朮・附子(炮)・人参・肉桂・半夏・石斛 ・五味子各7分、鹿茸・黄蓍・当帰・白茯苓・熟地黄各5分、甘草2分半、 姜3、棗2」煎服。
◎虚労に少気と一切の虚損を治す。
蘆根散《聖恵方》
「蘆根、天花粉、麦門冬、甘草」
蘆根加石膏
「蘆根、天花粉、麦門冬、甘草、石膏」
緑雲散
「桑葉を蒸して乾燥、作末して3回、2銭づつ混ぜて服用。」
◎顔面の肺毒瘡が大風瘡のようになった症を治す。
緑礬丸《東醫寶鑑》
「五倍子(炒黒)・神麹(炒黄)各8両、鍼砂(炒紅腫淬)・緑礬(姜汁炒)各4両」 作末し姜汁で煎じた棗肉を梧子大の丸剤。温酒で60~70丸呑む。
◎黄腫病を治す。
緑袍散《東醫寶鑑》
「黄柏・薄荷・芒硝・青黛」各等分に作末し、竜脳少々入れて歯肉をこする。
◎歯縫の出血を治す。
炉灰膏《東醫寶鑑》
「響糖炉のなかに灰1升半、風化石灰1升を炒って竹箕に入れて混ぜ、3椀 を滾湯に入れ、ゆっくりと自然汁1椀を取って、煮て膏を粥のように作っ た後、巴豆末2銭を入れ、次に蟾酥2銭と白丁香末(炒)5分、石灰末1銭 を入れて、再び煮て乾麺糊のようになると、患部に塗る。
◎黒痣(コクシ、ほくろ)に。