<れ>漢方処方
茘橘香散《中薬臨床応用》
「茘枝核9g、橘核9g、小茴香5g」水煎服。
◎男性の疝痛。
茘香散《景岳全書》
「茘枝核、大茴香」
茘枝膏 《東醫寶鑑》
「乳糖26両、清蜜14両、烏梅肉8両、生姜5両の汁、麝香5分」先に清蜜 と烏梅肉を水1斗5升で半分まで煎じ、滓を去り、乳香を入れて煎じ、再 び姜汁を入れて煎じ、麝香を入れてかき混ぜ、毎回1匙づつ1日2~3回 水で調下する。
◎渇を治す。
羚角鈎藤湯《通俗傷寒論》
=「羚羊角鈎藤湯」
「羚羊角片5g(先煎)、釣藤鈎9g(後下)、桑葉6g、川貝母12g、鮮地黄15g、 菊花9g、白芍薬9g、甘草(生)2.5g、竹瀝適量(羚羊角と一緒にに煎じて、 その煎液を水の代わりに用いる)、茯神9g」水煎服。
◎熱性ケイレン。
羚羊角飲《高階枳園家方》
「当帰・釣藤鈎・川各3.0、白朮・茯苓各4.0、柴胡・羚羊角各2.0、甘草1.5」
◎子癇
羚羊角丸《東醫寶鑑》
「羚羊角屑1両、石決明・草決明・車前子・犀角屑各7銭半。独活・防風・ 蔓荊子・甘菊・梔子・甘草各5銭」作末し蜜で梧子大の丸剤。温水で30 丸呑む。
◎緑内障・昏花を治す。
羚羊角丸《聖済総録》
「羚羊角、犀角、活、防風、苡仁、秦、竹葉湯」
羚羊角元《東醫寶鑑》
「黄連2両、黄柏・羚羊角各1両半、白茯苓1両」作末し蜜で梧子大の丸 剤。茶清で50~70丸呑む。
◎蠱痢を治す。
羚羊角散[1]《本事方》
「羚羊角・独活・防風・川・当帰・酸棗仁・茯神・杏仁・苡仁・木香・ 甘草・生姜」
◎テンカン。妊婦の子癇。
羚羊角散[2-1]《東醫寶鑑》
「甘菊・防風・川・活・車前子・川烏・細辛各5銭、半夏(麹)・羚羊角 ・薄荷各2銭半」作末し、毎回2銭を生姜・荊芥煎湯で服用。
◎緑風の内障・昏花を治す。
羚羊角散[2-2]《証治準縄》
「菊花・烏頭各1.0、川・車前子・防風各4.0、活・半夏各3.0、羚羊角1.0、 薄荷・細辛格2.0」
◎緑内障。
羚羊角散[3]《東醫寶鑑》
「羚羊角・防風・活・人参・赤茯苓・升麻・大黄・車前子・玄参・黄各 7分、梔子・細辛各3分」水煎服。
◎目に硬いはれものが出来て、目が開けられない者。
羚羊角散[4]《東醫寶鑑》
「羚羊角屑・升麻・細辛各2両、甘草1両」作末し半分は蜜で梧子大の丸剤。 半分は散薬にし1銭を煎じて50丸呑む。
◎氷の治らないとき。
羚羊角散加減《中薬臨床応用》
「羚羊角末2g(沖服)(あるいは羚羊角骨9g先煎)、酸棗仁・麦門冬各9g、桑 寄生18g、阿膠珠12g(溶解)、牡蛎24g、竜骨30g(打砕先煎)、茯神9g」 水煎服。
◎妊婦の子癇性ケイレン。
羚羊角湯[1]《外台秘要方》
「木通2、橘皮2、厚朴2、呉茱萸3、乾姜3、羚羊角2、附子」
◎気通せず、食を得ざるを治す。
◎此方は気噎にて食餌咽につまり下らざる者に用いる。《勿誤薬室方函口訣》
◎古方、膈噎(食道の通過障害)に辛温の剤を用いるは、その辛味を以て透達す るの意なり。羚羊角、噎を治す。亦古意なり。
◎疝にて飲食を硬塞する者あり。此方にて効を得たり。
◎飲膈の者(水も通らなくなった食道狭窄症)には効なし。
◎救急療気噎方とは寒熱相反する。
羚羊角湯[2]《世医得効方》
「羚羊角・桂枝・附子・独活各1.35、芍薬・防風・川各1・生姜3」
◎筋痺、肢節束痛を治す。
◎此方は筋痺と云うを目的とす。
◎一婦人、臂痛甚だしく、肩背の筋脈強急して動揺し難き者、此を用いて治す。
◎羚羊角、附子と伍するは格別の活用あり。
◎子癇を治す《方読便覧》
羚羊角湯[3]《審視瑶函》
「羚羊角・人参・玄参・地骨皮・活各1、車前子1.5」
羚羊角湯[4]《東醫寶鑑》
「羚羊角・桂皮・附子・独活各1銭3分半、白芍薬・防風・川各1銭、姜3 片」水煎服。
◎筋痺で肢節が痛む者。
羚羊角湯《医醇騰義》
「羚羊角、亀板、生地黄、牡丹皮、白芍薬、柴胡、薄荷、蝉退、菊花、夏枯 草、石決明」水煎服。
◎平肝熄風、滋陰。
羚羊角湯[5]《東醫寶鑑》
「羚羊角・独活・酸棗仁・五加皮各1銭2分、陳皮・苡仁・当帰・川 ・茯神・杏仁(炒)各7分、木香・甘草各5分、姜3片」水煎服。
◎妊婦が中風に罹り、うなじや背が硬直して、筋脈がケイレンし、口がゆがんで 言語がしにくく、痰が盛んで混迷し、又四肢がふるえ・人事不省になる。
羚羊角湯《聖済総録》
「羚羊角、独活、烏頭、防風」
羚羊角湯《宣明論》
「羚羊角、人参、赤茯苓、遠志、大黄、甘草」
羚羊角湯《医醇義》
「羚羊角、亀板、生地黄、牡丹皮、白芍薬、柴胡、薄荷、蝉脱、菊花、夏枯 草、石決明」
羚羊鈎藤湯(れいようこうとうとう)《通俗傷寒論》
=「羚羊角鈎藤湯」「羚角鈎藤湯」
「羚羊角・桑葉・川貝・鮮地黄・釣籐鈎・菊花・茯神・生白芍・生甘草・竹 茹」
◎肝風内動・痙攣・冷えてひきつる。
羚羊鈎藤湯(れいようこうとうとう)《通俗傷寒論》
「羚羊角2(先煎)、釣藤鈎18(後下)、桑葉9、川貝母12、竹茹12、生地黄18、 白芍薬18、菊花12、茯神9、炙甘草3」水煎服。
◎清熱熄風。
◎熱性ケイレン
◎高血圧症で肝陽化風の者。
羚羊散《厳氏済生方》
「当帰・川・防風・茯苓・独活・杏仁・苡仁・木香・五加皮・羚羊角・ 甘草・生姜」水煎。
◎子癇(妊娠癇症のこと)の者は目吊り口禁し癇仆するなり。此方に宜し。
丸《医宗金鑑》
「三七、血竭、大黄、阿魏、児茶、天竺黄、乳香、没薬、雄黄、羊肉、竜脳、 麝香、牛黄、姜黄」
令女玉門小方[1]《玉房指要》
「硫黄4分、遠志2分」作末し、絹の袋に詰め、玉門中に入れる。
◎女の玉門を小さくする処方。
令女玉門小方[2]《玉房指要》
「硫黄2分、蒲華2分」作末し、三指撮(大指と示指で3回つまんだ量)を1 升の湯の中に入れ、それで玉門を洗う。
◎嫁入り前の少女のようになる。
霊砂《東醫寶鑑》
「水銀4両、硫黄1両」鉄銚内に入れ、炒ると砂のようになるが、煙と火花 が出ると醋をふって細研し、鍋に入れて赤石脂で堅く封をした後、塩泥で 又堅く封をし、炭20斤で焼いて一泊した後、取り出して細末にし糯米糊 で麻子大の丸剤。毎回5~15丸を、空腹時に人参大棗湯で調服し、猪・ 羊血、緑豆粉、冷滑したものを避ける。
◎すべての虚による涸冷・厥逆に特効あり。
霊脂丸《証治準縄》《中薬臨床応用》
「五霊脂、白豆、縮砂、麦芽、莪朮、青皮、使君子、橘紅、乾蟾蜍」各6g を作末し米糊で小豆大の丸剤。1回10丸を重湯で服用。
◎疳積による痞塊。
霊神膏《東醫寶鑑》
「赤茯苓・朱砂各1両、麦門冬5銭、麝香2銭半」作末し蜜で混ぜて丸剤。 就寝時に薄荷湯で1丸服用。
◎急驚風を治す。
霊仙除痛飲[1-1]《東醫寶鑑》
=(一名麻黄芍薬湯《医学入門》)
「麻黄・赤芍薬各1銭、防風・荊芥・活・独活・威霊仙・白・蒼朮・片 (酒炒)・枳実・桔梗・葛根・川各5分、当帰梢・升麻・甘草各3分」 水煎服。
◎肢節が疼痛する者。
霊仙除痛湯[1-2]《万病回春》《古今方彙》
「麻黄・赤芍薬各1銭、防風・荊芥・活・独活・白・蒼朮・威霊仙・黄 ・枳実・桔梗・葛根・川各5分、当帰尾・升麻・甘草各3分」水煎。
◎諸節腫痛するを治す。
◎左の下焦が痛むには:「黄柏(酒)」
◎婦人には:「紅花」
◎腫多ければ:「檳榔子・大腹皮・沢瀉・没薬」
◎脉渋り数なる者は血あり。桃仁、紅花、川、当帰に宜し、及び大黄(酒) で微しく之を利せ。
◎身体各所の関節の炎症と疼痛、腫脹に適し、尿酸性の関節炎(痛風)に著効があ る。《中医処方解説》
霊礬散《東醫寶鑑》
「五霊脂2銭、柿白礬5分」作末し毎回2銭を水煎服。
◎小児の蛔厥心痛を治す。
霊宝丹《東醫寶鑑》
「木香・沈香・乳香各半銭、巴豆皮(芯・油を去る)2銭」を作末し、大棗3 枚を蒸して肉を取り、搗いて緑豆大の丸剤。1丸づつ水で呑む。
◎大便の不通を治す。
靂霹丹《東醫寶鑑》
「蛇退1条と蚕退紙を焼いて各2銭、男子頭髪の焼灰・道ばたに捨ててある 左の草鞋を焼いて各1銭、乳香5分、黒鉛2銭半、水銀7銭半」鉛と銀は 鍋に入れ、火で溶かして砂粒ぐらいになったら細研して豚の心血で梧子大 の丸剤。金箔で衣をし、毎回2~3丸を飲む。
◎出産の時、気を失い、目がひっくり返り、口をつぐんで顔色が黒く、よだれを たらす、母子のいずれかが死ぬような時、急いでこの処方で助ける。
麗沢通気湯[1-1]《万病回春》
「黄蓍・蒼朮・活・独活・防風・升麻・葛根・甘草・川椒去閉目子不用・ 麻黄不去節冬月加・白各三分」作一剤生姜散片棗二枚葱白三根」水煎。
◎鼻不聞香臭。
麗沢通気湯[1-2]《蘭室秘蔵》《東醫寶鑑》
「黄蓍1銭、蒼朮・活・独活・防風・升麻・葛根各7分、甘草(炙)5分、 麻黄・川椒・白各3分、姜3、棗2、葱白3寸」水煎服。
◎肺に風熱があって匂いを嗅げない者。
麗沢通気湯[1-3]《漢方治療の実際》
「活・独活・防風・葛根・朮・葱白各3、升麻・麻黄・蜀椒・甘草・生姜 ・大棗各1、白・黄蓍各2」
★適応症及び病名(五十音順)
蓄膿症:
☆葛根湯を呑むと鼻の気持はとても良いが、何となく胃の気持が悪いと いう副鼻洞炎の青年に、葛根と麻黄が入っていて、しかも胃にさわら ない処方はないかと探し、《万病回春》のこの方を得て用い、著効を 得たことがある《大塚敬節》
☆《積山遺言》に“飢飽、労役によって、その脾胃を損ずれば営運の気、 上升する能はず、邪、鼻を塞ぎ、香臭を聞かざるなり、麗沢通気湯之 を主る”とあって、食事の不摂生や過労などで、消化機能が衰えて、 鼻がつまり、嗅覚の悪くなった者に、この方を用いる《大塚敬節》
☆この方を用いて効がない場合、補中益気湯活・防風・白豆また は、補中益気湯防風・麦門冬・梔子・沈香・細辛を用いる《積山遺 言》
冷附湯《東醫寶鑑》
「大附子1箇を皮・臍を去り、切って貼を作り、毎回1貼に姜10片を入れ 煎じて滓を去り、一晩露にあて、五更初に冷服する。
◎瘧疾に痰がいっぱいで脾胃が弱く、胸膈間に停滞する者。
冷補丸《東醫寶鑑》
「天門冬・麦門冬・生乾地黄・熟地黄・牛膝・白芍薬・地骨皮・石斛・玄参 ・磁石・沈香」各等分に作末し、蜜で梧子大の丸剤。塩湯で70丸呑む。
◎虚労で腎が弱くなった者。
連穀丸《東醫寶鑑》
「黄連・枳殻各2両」切って「槐花4両」と炒った後、槐花を去り、粉末に し蒸餅で梧子大の丸剤。白湯で50~70丸服用。
◎内腸から出血し、脈絡につまった者。
連葛解醒湯《証治大還》
「黄連1.5、葛根5.0、滑石3.0、梔子2.0、神麹3.0、青皮2.0、木香2.0」
◎酒積、腹痛、泄瀉を治す。(治酒積、腹痛泄瀉)
◎此方は酒客の久痢に効あり。
◎俗に疝瀉などと唱えるもの「真武湯」「七成湯」等を与えて効無きとき、腸胃 の湿熱に着眼して此方を用いるべし。
◎酒毒を解すること「葛花解醒湯」より優なり。《勿誤薬室方函口訣》
連翹飲《医事説約》
「連翹、牛蒡、柴胡、当帰、芍薬、木通、黄、甘草」
或いは「荊芥、蝉退、黄連、梔子、車前子、滑石」
◎痘後の一切の癰毒実証を主る。
◎此方は痘疹の餘毒を治す。
◎大連翹飲よりは簡にして用い易し。
◎もし毒深き者は大連翹飲の方に本づきて加減すべし。《勿誤薬室方函口訣》
連翹飲子《薛立斎十六種》《古今方彙》
「連翹・川・括楼仁・角刺・橘葉・青皮・甘草節・桃仁各1銭半」水煎。
もし消えざれば兼ねて「八物湯」を服す。
◎乳内の結核を治す。
連翹飲子《薛立斎十六種》《柴田》
「連翹・川・楼仁・角刺欠く3.0、橘葉・青皮・甘草各2.0、桃仁6.0」
◎乳内結核。
連翹散《医学入門》《古今方彙》
「連翹、川、白、黄連、苦参、荊芥、山梔子、貝母、甘草、桑白皮」水 煎。
◎面上殻を生じ、嘴瘡、俗に粉刺(ニキビのこと)と名づくるを治す。
◎「黄」=「清肺散」と名づく。
連翹散《医学入門》《古今方彙》
「連翹、防風、山梔子、甘草」各等分、水煎。
◎痘発し熱厥せざるを治す。
連翹散(一名清肺散)《東醫寶鑑》
「連翹・川・白・黄・黄連・沙参・荊芥・桑白皮・梔子・貝母・甘草 7分」水煎し食後服用。
◎顔面の殻嘴瘡、即ち粉刺を治す
連翹双黄膏《中薬臨床応用》
「連翹・黄柏・黄・五味子各15g、竜脳1.5g」細末にし「ワセリン100g」 といっしょに軟膏にする。
◎癰に外用。
連翹湯《本朝経験》
「連翹・黄・麻黄・升麻・川・甘草各四分、大黄・枳実各六分」
(《方輿》巻十一)
◎あせも。
連翹湯《本朝経験》
「桔梗、甘草、連翹、木通、紅花」
◎胎毒を治す。
◎此方は胎毒虚症に用いる。もし内攻あれば五香湯《備急千金要方》を合して用 いる。《勿誤薬室方函口訣》
連翹湯《本朝経験》《龍野ー漢方処方集》
「連翹・木通各3.0g、桔梗2.0g、甘草・紅花各1.0g」
◎あせも(汗疱)。
連翹湯《雑病補亡論》
「連翹1分、忍冬2分、大黄3分、甘草1分、紅藍花2半、木香・沈香各1 分、檳榔2分、桔梗1分、欝金2分、丁香1分」
◎小児一身悉く胎毒を発し、或いはただ頭瘡眼に入らんとする者を主る。
連珠飲[1-1]《本間棗軒》《漢方後世要方解説》
「当帰・川・芍薬・地黄各3、茯苓5、桂枝4、白朮3、甘草2」
◎此方は苓桂朮甘湯と四物湯とを合方せるもので、《本間棗軒》の経験方である。
貧血によって起こる眩暈、心悸亢進、頭痛、浮腫等を目的とする。子宮出血、 その他の原因によって貧血状態となり、前記症状を表した者に広く用いられる。
木村長久氏は十二指腸虫による貧血で、動悸、眩暈、浮腫に用いて速に貧血恢 復し、症状の消散せしことを報告している。
◎当帰=心脾に入りて血を生ず
◎芍薬=肝脾に入りて血を斂む。
◎川=肝心包に入り、血中の気を行らす。
◎地黄=心腎に入りて血を補う
◎苓桂朮甘湯=気と水の上衝動揺を鎮める。
連珠飲[1-2]《内科秘録》《龍野ー漢方処方集》
=「聯珠飲レンジュイン」
「当帰・芍薬・川・熟地黄・茯苓各4.0g、桂枝3.0g、白朮・甘草各2.0g」
◎「苓桂朮甘湯四物湯」
◎血虚、眩暈、心下逆満し、発熱、自汗、婦人の百病を治す。《本間棗軒》
◎此方は水分と血分と二道に渉る症を治す。婦人失血あるいは産後、男子痔疾下 血の後、面部浮腫、或いは両脚微腫して、心下及び水分に動悸あり、頭痛眩暈 を発し、又は周身青黄浮腫して黄胖状を為す者に効あり。《勿誤薬室方函口訣》
◎血の道症その他で血虚眩暈、心下逆満、或いは発熱自汗の者。
連珠飲[1-3]
★適応症及び病名
[1]萎黄病
[2]息切れ
[3]顔色悪い
[4]下腿浮腫
[5]眼瞼浮腫
[6]気の上衝:<+>
[7]下血
[8]耳管狭窄症
[9]子宮出血
[10]上腹部振水音
[11]心悸亢進:
☆貧血が甚だしく、動悸・めまい・耳鳴りなどのある者に用いる《大 塚敬節》
[12]心臓神経症
[13]心臓弁膜症
[14]頭痛
[15]皮膚枯燥
[16]貧血:
☆貧血によって起こる眩暈、心悸亢進、頭痛、浮腫等を目的とする。
☆木村長久氏は十二指腸虫による貧血で、動悸、眩暈、浮腫に用いて 速に貧血恢復し、症状の消散せしことを報告している。
☆寄生虫による貧血《矢数道明》
☆貧血があって動悸・めまい・耳鳴り・頭痛・浮腫のある者に用いる 《大塚敬節》
☆痔出血が長引いて、貧血が甚だしく、めまいと耳鳴があり、僅かの 体動で動悸が起こる婦人に、この方を用いて著効を得た《大塚敬節》
[17]耳鳴り:
☆貧血による耳鳴によい。
☆32歳女性。痔出血が永く続いてひどく貧血し、記銘、息切れを訴 える者に、この方を用いたところ、1ヶ月ほどたつと貧血も軽快し、 耳鳴もよくなった。《大塚敬節》
[18]目眩
連胆丸《東醫寶鑑》
「黄連5銭を猪胆汁に漬け、括楼根・烏梅肉・蓮肉・杏仁各2銭」作末し牛 胆汁に混ぜて麻子大の丸剤。毎回15丸を烏梅・姜・蜜の煎じ湯で飲む。
◎五種の乾疳を治す。
連梅安蛔湯《通俗傷寒論》
「胡黄連、雷丸、川椒、烏梅、檳榔子、黄柏」
連梅湯《温病条弁》
「烏梅、黄連、麦門冬、生地黄、阿膠」
連柏益陰丸《東醫寶鑑》
「草決明・条・黄連(酒炒)・黄柏(塩炒)・知母(塩炒)各1両、活・独活 ・五味子・当帰・防風・甘草各5銭、石決明()3銭」作末し蜜で緑豆大 の丸剤。茶清で100丸呑む。
◎膀胱・肝腎経が欝滞して目に通ぜず、青・白が大眥に現れる者。
連朴飲《霍乱論》
「黄連、厚朴、石菖蒲、半夏、山梔子、淡豆、蘆根」
連朴飲《霍乱論》
「製厚朴二銭、黄連(炒生姜汁)・石菖蒲・製半夏各一銭、豆(炒)・焦梔子 各三銭、蘆根二両」
◎清熱化湿、調和胃腸。
連朴飲《霍乱論》
「黄連・石菖蒲・製半夏各3g、厚朴5g、山梔子・淡豆各9g、芦根60g」
◎腹部膨満で熱象ある者。
連附六一散《《医学入門》東醫寶鑑》
「黄連6銭、附子1銭、姜3、棗2」水煎服。
◎熱が溜まって胃のひどいとき。
◎胃痛甚だしく諸薬効かざる者を治す。《古今方彙》
◎熱に因って熱に用うるなり。
連蘿丸(一名白芥丸)《東醫寶鑑》
「黄連1両を呉茱萸5銭と炒って呉茱萸は捨て、黄連半両と益智仁5銭と炒 って益智仁は捨て、白芥子・蘿葡子(炒)各1両半、梔子・川・三稜・莪 朮・桃仁・香附子・山肉・神麹各1両、青皮5銭」作末し蒸餅で梧子大 の丸剤。白湯で50~60丸飲む。
◎食積と死血と痰飲が塊をなし、両脇が痛み、めまいする者。
連理湯《証治要訣類方》
「理中丸黄連・茯苓」
「人参・白朮・茯苓各4.0、乾姜・黄連・甘草各2.0」(柴田良治)
◎傷寒陰証、自利して渇するを治す。
◎此は是陰下にあり、陽を上に膈するなり。兼ねて泄瀉に因って津液既に去り、 枯燥して渇するなり。その人引飲すと雖も、飲む所自ら少なくして、常に温を 喜ぶ。冷剤を投じるべからず。
◎此方は桂枝人参湯と表裏にて、裏寒に表熱を挟んで下利する者は桂枝人参湯。 陰下に在り陽を上に膈して下利する者は連理湯なり。《勿誤薬室方函口訣》
◎暑邪、外にせまり、陰冷内に伏し、挟熱下利し、心下煩悶する者を治す。
◎瀉心湯の証にして、上熱軽く胃気弱き者を尚して神効あり。《雑病翼方》
◎瀉して渇する者、中暑陰位に在る者の治法なり。然れども専ら暑を治するに非 ず、すなわち暑月の冷飲受傷の証のみ。《雑病翼方》
連理湯《張氏医通》
「人参・白朮・乾姜・甘草・黄連・茯苓」
連理湯《漢方治療の実際》
「理中湯黄連1.5、茯苓3」
蓮花芯散《東醫寶鑑》
「蓮花芯・黒丑頭末各1両半、当帰5銭、礬紅2銭」作末し、先に6~7日 間食肉を禁じたあと、空腹時に肉を一度食べたあと、温酒で薬3銭を調下 する。
◎痔瘻の長びく者。
蓮芥散《中薬臨床応用》
「蓮房炭、荊芥穂」各等分、細末にし1日2回6~9g、重湯で服用。
◎不正性器出血
◎月経過多。
蓮実丸《証治準縄》
「蓮肉、巴戟天、附子、補骨脂、山茱萸肉、覆盆子、竜骨」
蓮心散[1]《東醫寶鑑》
「当帰・黄蓍・甘草・鼈甲(醋炙)・前胡・柴胡・独活・活・防風・防已・ 茯苓・半夏・黄・陳皮・阿膠珠・官桂・芍薬・麻黄・杏仁・蓮花芯・南 星・川・枳殻各5分、芫花(醋炒黒)、姜3、棗2」水煎服。
異常なものを吐くと、芫花を少しづつ少なくする。大体芫花と甘草はみな 殺虫剤だが、炒るのは熱をなくし寒を除くことである。
◎労を治す。
蓮心散[2]《東醫寶鑑》
「蓮子50、糯米50粒」粉末にし酒で服用。
◎労心吐血に効く。
蓮労湯(れんろうとう)《中薬臨床応用》
「穿心蓮15g、十大功労草15g、陳皮6g」水煎し1日2回に分服。
◎気管支肺炎。
楝陳湯(れんちんとう)《万病回春》《古今方彙》
「苦楝根2銭、陳皮・半夏・白茯苓各1銭、甘草5分、生姜」水煎。
◎小児が虫を吐すを治す。
瘡一方(れんそういっぽう)《寿世保元》《古今方彙》
「当帰尾1銭半、赤芍薬・黄・黄連・黄柏各1銭、苦参2銭、大黄3銭、 防風8分、木子1個、金銀花2銭」水煎し一宿を露し五更に服す。
◎風癬、膿疱、疥癩、血風諸瘡の腫毒を治す。
◎腸風臓毒下血すれば:「木子槐花」