北向(きたむき)地蔵
北向(きたむき)地蔵
北向(きたむき)地蔵
七日市場公会堂の南側に、「北向地蔵」と呼ばれる、高さ一メートル五○センチ位の合掌型の丸彫石地蔵(宝永六年目一七○九年開眼)がある。
大きな蓮華台の上に赤い頭巾や腹掛けを身につけ、慈悲深い顔だけを見せて北向きに祠られているが、数ある地蔵さんの中でも、北向きに祠られているのは全国的にも珍らしい事だといわれている。
この地蔵さんは昔からの伝承で、頭痛をはじめ胸、腹、腰、手足などが痛んだ時に、自分の患部と同じ地蔵さんの体の部分をさすって、「治して下さい」とお願いして帰ると、何時の間にか痛みがとれて治るといわれ、人々に有難がられていた。
痛みが治ると、お礼として頭巾や、腹掛けなどを奉納する習わしがあり、地蔵さんは、数えきれない程の衣装持ちである。
こうして地蔵さんをさすると治るというので「おさすりさん」ともいわれ、又、金山という地に祠られているので「金山地蔵」ともいわれている。
昔は、この地蔵さんのお堂があったが壊れてしまい移転話も出たが、地蔵さんは向きを変えてはいけないとの話で取り止めになり、今は、火の見やぐらの三角屋根を利用しがまんしてもらっているが、霊験あらたかだというので、遠くからもお参りに来るそうである。
又、地域の人達は、病気で入院する時には地蔵さんにお参りしてから行くというが、普段でもおとしよりがお参りする姿をよく見かけるそうだ。
御利益あるこの地蔵さんに感謝の供養日として、毎年三月彼岸に祭りが行われている。
祭りは、地域の人達が集まり御馳走を作って地蔵さんに供え、お坊さんにお経をあげてもらい、線香を焚いて供養をする。
集まった子供達にも菓子などが配られ、祭りば現在でも盛大に行われている。
又、「南無多宝如来(なむほうにょらい)」の紙旗をはじめ如来旗も何本かつるされ、蓮華台の傍には四体地蔵と三体地蔵が祠られ、判読至難の法名があるが、惜しくも破損しているため、その由緒を知る人はいない。