2020/01/28
株式会社 藤倉削蹄のご紹介
今回は当社に定期的に来場して、牛の蹄(爪)の手入れをしてくれている、株式会社 藤倉削蹄(Fujikura HoofCare Trimming Service)の代表 藤倉 比呂靖さんとのお話を掲載。創業当初全く削蹄していない状態の牛群を、今の様に、どの牛も一様に蹄の形が整った状態にまで持ってきたのは、藤倉さんの助力が有ったからこそ。確かな技術と誠実な人柄で安心して蹄の管理を任せられる藤倉さんとのお話をお楽しみください。
-今回も当社の削蹄作業ありがとうございました。今回削蹄して気付いた事ありますか?
まず、頭数が増えているなあという印象ですね。今回は初めて400頭を超える牛を削蹄させてもらいました。
-蹄葉炎に関してはどうでしたか?
前々回が一番悪くて、前回から改善が見られ今は横ばいの様な感じですね。数頭とてもひどい蹄葉炎の牛がいて、それは、エサのバランスが選び食い等で崩れているのか、乳量が出ている牛なのかはっきりはしませんが、全体的には良くなってきてます。
-皮膚病の方は?
PDDの牛は結構いて、提案なのですが、ストールに少しでいいので石灰を蒔いてみたらどうですか? 石灰でもいいですし、エスカリューの方が乳にもいいと思います。配合のスコップで1杯を1列位の微量でいいのでやってみてはどうでしょう? PDDが原因で蹄底潰瘍になっているのも散見されます。PDDさえコントロール出来れば、本当に足のいい牧場だなあと思うので。
-わかりました。それでは、本題の方へ。藤倉さんの会社、藤倉削蹄さんについて教えて下さい。藤倉削蹄さんはいつから開始したのですか?
もう、かれこれ5年前、平成27年から初めましたね。最初は一人で始めましたが、現在は6人でやってます。 ただ、今でも従業員は募集していて、もし従業員が増えたら2班体制、つまり、別々の農場に派遣出来ればいいなあと思っています。
-このサイトを見ている人の中には「削蹄って一体何?」と思っている人も居ると思います。藤倉さんの方から削蹄とはどんな事をするのか教えて頂けますか?
削蹄は牛の爪を削って整えてあげ、牛の健康を維持する仕事です。牛を繋いで飼っている農家さんでは多少足が痛くても、エサは目の前に給餌されるので食べる事が出来ます。対して、フリーストールと言って放し飼いでの飼養方法では、牛は自分でエサを食べに行かないといけないため生産性が落ちるんです。同じ放し飼いでも放牧では自然と蹄は削れるのですが、牛舎の中の様に障害物の無い所で過ごす牛は、蹄の先と踵とで伸び方がアンバランスになってしまうので、削蹄はフリーストール牛舎では必須と言ってもいいんですね。
-藤倉さんは色々な農家さんの所にお邪魔する機会があると思うですが、変わった農家さんとかビックリした農家さんとか有りましたか?
うーん・・・
あんまりこれと言ってビックリと言うのは無いかなあ・・・。
何せ毎日新しい事の連続なので(笑)
ただ、自分は農家さんとの関係を大切にしようと思っていますね。相手にしているのは牛だけど、その先にある農家さんは人なので。もちろん人対人なので合う・合わないは有るけれど、仕事はキチンとしようと思っています。
-藤倉さんは頼まれればどこまでなら出張可能なんですか? 本州の方も行くんですか?
ええ、今すでに岩手には出張に行ってますよ。ただ、1日ある程度の頭数はこなしたいんですよね。例えば、遠方で「30頭だけお願い!!」と言われると、それなりの値段になってしまうので・・・。これが、たまたま近くの農家さんまで来ていて、「ついでに寄って行ってよ」とかいうのなら話は別なんです。まあ、ケースバイケースなので問い合わせて頂ければと思います。
-藤倉さんとコンタクトするには?
連絡をくれれば、返信は遅くなるかもしれませんがお返事はさせて頂きます。そっち関係はちょっと疎いんですよね(笑)
-当社 (太陽デイリーファーム) に問い合わせてくれれば、うちから取り次ぐけど?
ありがとうございます。
-うち経由の際は1頭分サービスで!!
いやあ・・・(苦笑)← ※冗談です(笑)
-さて、最後に藤倉さんが仕事をするうえでもっとも大切にしていることは?
やっぱり人ですね。
これはお客さんだけじゃなく、従業員も。牛相手ですが、人との関係性を大切にしてこれからもやっていこうと思っています。
-ありがとうございました。
-今回来てくれた藤倉さん。とても誠実な人柄で、本当に農家さんの事を真摯に思ってくれる会社さんです。実は今回当社で実習生が里帰り中、働く人が居なくて困っていた時に、「僕がいる間搾乳手伝います!!」と言って朝晩の搾乳手伝ってくれたんです!!そんな削蹄士さん居ます? 農家が困っていたら何とかしたいという強い思いが感じられ大変嬉しかったです。
また、削蹄に関しても技術が高く、当社も藤倉さんが来てからどんどん蹄が良くなっていきました。もし蹄の悩みを抱えている酪農家さんが居たら、一度相談してみてはいかかですか?
問い合わせに関しては当社webサイトのメール・twitter・facebook等にメッセージ頂ければ取り次ぎます。また頂いた個人情報は藤倉さんに連絡した後消去しますので、もし当社経由でお仕事の依頼・実施後に過去の連絡履歴等の問い合わせ頂いてもお答えできませんのでご了承ください。
(浅野正慶)