2019/10/23
背筋が寒くなる・暖かくなる話
こんな折に、農家として背筋が寒くなる話と暖かくなるニュースを見ました。
以前にも書きましたが、当牧場にはベトナム人研修生がいます。彼女たちは良く働いてくれ、彼女達無しでは毎日の作業が成立しない状況となっています。そんな現状に冷や水を浴びせるニュースをひとつ。
まずは以下のニュースを
https://news.livedoor.com/article/detail/17233139/
内容はベトナムでの合計特殊出生率の急低下と今後のベトナム人の価値観変化からくる、若年世代の減少が、日本の研修生制度を成り立たなくさせるのではという記事。
他産業もそうかもしれませんが、農業の人手不足は危機的です。外国人研修生は労働力ではないですが、他方、その労働が無しで農業が成り立つとも言えない現状です。記事中にもありましたが、経済成長の差は埋めがたく、通貨価値の縮小(簡単に言えば、「日本に行けば金になる」と言う感覚が無くなる事)は、日本で研修する魅力の一つを失わさせるのではないでしょうか?
もし、ベトナム人が来なくなったら農家はどうするのでしょう? また通貨価値の差を利用して、今度はインド、次はアフリカからでも来てもらうのでしょうか? しかし、日本が成長レースの一番最後になった時にはどうするでしょう? 農家のみならずとも背筋が寒くなる話ではないでしょうか。
今度は背筋を温めようと思います。
https://journal.rikunabi.com/p/hint/26035.html
記事は就活生に向けた記事で、AIの進展により多くの仕事がなくなると言われている事への疑問を示しつつ、対処法が書かれています。
確かにAIの進展は凄まじく、PCで完結する仕事は無くなるだろうと言うのも大袈裟では無い気がします。皆さんご覧になっているwebサイトも実はHTML等の言語で書かれていることをご存知でしたか?
PCでwebサイトをご覧の方は試しにキーボードのF12キーを押してみてください。僕も初めてF12キーをミスタイプした時は、「なんだこりゃ?」ってなりました。これがHTMLです。以前はwebサイトを構築しようと思ったらこの言語を覚えなければなりませんでした。
今はこれらの知識がなくともwebサイトを構築出来ます。何より当社のサイトもgoogle siteというサービスを使って作られています。google siteの凄いところはHTML等の知識は一切必要なく、ただ画面にパーツを配置することによって、この程度のwebサイトが素人にも無料で簡単に作れてしまうところでしょう。職が無くなるのも納得です。
記事に、どうしても置き換えられない仕事もあると書いてありましたが、農業はその典型的な職業だと思います。 将来、他分野で余剰になった労働者が農業に流れてくるということもありえるのでは・・・。少し希望を持たせる記事でした。
暖めた後また冷やします(笑)。個人的には農業は魅力的な職業だと思っています。また、潜在的には農業を好む志向の労働者もかなり居ると思っています。ただ、現状そういった層に農家は、そして農業はリーチしているのでしょうか?
他産業の企業を見て下さい。みな自社の取り組みに関心を持ってもらうべく広報し、ひいては雇用につなげたいと必死です。仮にAIの進展が急速で労働市場に労働者が溢れるかえる状態になっても認知してもらえていなければ、彼らの職業選択リストに農業は挙げられません。
条件は揃っています。
農業に魅力はあります。
広報するツールもgoogle site ・SNS等と豊富です。
さて、足りないのはなんでしょう?
(浅野正慶)