仮定網は与点の整合を見るためのものです。
仮定網において異常が検出された与点は新点扱いにして次の実用網(原則全与点を固定する)を行うことになっています。
基準点成果は常に実用網の結果です。
測量の網平均とは、観測できる角や距離を数多く観測して、求めたい未知量である地表の点の位置(標高やXY座標)を求める方法です。
厳密網平均ソフト 網平均について (plala.or.jp)
1. 仮定網設定
まず固定する既知点を一つ決める
①右側の円を「解析後」に設定
既知点を固定するには右側にある緑の円を「解析後」にする
②固定点の設定
固定する既知点を一つだけ決める
観測した場所から最も近い既知点を選択して設定する
※固定点は三角形をクリックして設定できる
設定された固定点は黒色に変化する
③任意の既知点の設定
世界測地系で計算を行う場合と、網平均を行う場合ははこの設定が必要になる
任意の既知点はオプション設定の「処理・計算の設定」、「基礎解析」内「偏心・任意の既知点」で設定できる
任意の既知点は、固定点と同じく観測した場所から最も近い既知点を選択する
④重量の設定
重量(信用度)とは、「測定値の信用の度合」であり、重量が大きいほど観測結果に信用があると言える。
仮定網の横の「Opt」をクリックして、重量を設定する
※実用網のOptでも設定できる
取扱説明書によると、
重量の選択により誤差の分配方法が変わってきます。
公共測量では重量を「固定重量(NEU)」、「基線解析により得られた値」の使用が認められています。どちらを使用しても構いませんが、「基線解析により得られた値」を使用する場合は、すべての基線の解析手順、解析時間を同じにする必要があります。
電子基準点のみを使用した計算を行う場合は、固定重量の使用をお勧めします。
とのこと
つまり
(1)電子基準点のみを既知点にした観測を行った場合は「固定重量の使用」にチェックを入れる
(2)電子基準点以外の既知点を使用して観測を行い、全てのベクトルの使用衛星と解析の時間をそろえたら「固定重量の使用」のチェックを外す?
ということか
このマニュアルの場合、既知点は全て電子基準点のため、「固定重量の使用」にチェックを入れる必要がある
※それ以外はそのままでよい
2. 仮定網平均計算
①プロセスガイドの「仮定網」をクリック
②「仮定網平均計算を実行する」を選択して「次へ」
③計算するデータの種類を「スタティック・キネマティック」にして「次へ」
この操作で仮定網平均計算が行われる
ただし、固定する既知点を設定していないと計算が行われないので、三角形の既知点を一つクリックして設定すること
③計算が終了したら「終了」をクリックする
④最短辺数の設定
初めて仮定網平均計算を行った場合や、最短辺数の設定がまだの場合は、最短辺数の設定を行う
最短辺数の設定はプロセスガイドの「網点検」でもできるので、仮定網平均計算の前に「網点検」をクリックして設定してもよい
(1)「最短辺数の設定を行う」にチェックを入れて「次へ」をクリックする
固定した既知点から各既知点までの辺の数を指定する
(2) 固定既知点をクリックして「始点」に登録する
(3) 始点を決めたら終点にする点をクリックして登録する
※丸いマークの観測点でも三角形のマークの既知点でも選択が可能
(4) 始点と終点までにあるベクトルの数を「最短辺数」に記入する
※半角の数字にのみ対応しているので、半角で入力すること
(5)追加で最短辺数を設定する場合は「最短辺数」でエンターキーを押す
※エンターキーを押すと、同じ始点から開始できる
※3つの行のいずれかをクリックして「削除」を実行すると、クリックした一行を削除できる
(6) (3)~(5)を繰り返して全ての路線の最短辺数を記入する
(7)全ての路線の最短辺数を入力したら「登録」をクリック
⑤網点検
最短辺数を設定したら網平均計算の点検を行う
※ここで実用網平均の点検を続けて行うこともできるが、仮定網平均の点検のみ行う
(1) 点検計算の選択で「仮定網平均の点検」のみにチェック
(2)「完了」をクリック
「完了」で仮定網網平均の点検が行われる
点検の結果がプロセスガイドの「仮定簿」と「点検簿」に記録される
プロセスガイドの「点検簿」をクリックし、「仮定点検」にあるそれぞれの項目の残差や偏差が「OK」となっていればよい
※「仮定簿」には3次元網平均の結果が表示されている
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