測位するにはどうしたらいいの?
測位衛星を4機用いて、位置情報(X,Y,Z)を取得します。
「自分」と「4機の測位衛星」との距離をそれぞれ計算し4つの距離を求めます。
その4つの距離がひとつに交わる点を数学的に割り出し、そこが自分の位置となります。
【測位衛星と自分までの距離=電波の速度 X 電波伝搬時間】
・電波の速度=299,792,458m/秒
・電波伝搬時間:「測位衛星から出た電波」が「ユーザの持つ受信機」に届くまでの時間。
測位衛星から送信した電波には「送信した時刻」の情報が入っているので、「送信した時刻」と「自分のところに電波が到着した時刻」との差で「電波伝搬時間」がわかります。
計算上は3つの距離情報があれば自分の位置が特定できますが。
受信機の時計にはわずかに「誤差」があり、3機の衛星では位置情報にズレが生じます。
そのわずかな誤差補正するためにもう1機の情報を使います。
GNSS特集「3分でわかるGNSS(全世界測位システム)のお話」| 日本電計株式会社が運営する計測機器、試験機器の総合展示会 (keisokuten.jp)
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衛星測位システムは、複数の人工衛星がそれぞれ送信する時刻情報つきの信号を比較し、電波を受信した僅かな時間差を計算することで現在地の座標を算出している。座標を特定するためには最低でも3基の人工衛星から信号を受信する必要がある。全世界で常時、測位を可能とするには、高度2万kmの起動上に20数基から30基前後の人工衛星を稼動させる必要がある。
全地球測位システムの代表的なシステムとして、米国が運用しているGPSがある。また、2011年にはロシアのGLANOSSが全地球測位システムとしての稼動を開始している。
なお、日本では全地球測位システムではなく、GPSと連携して国内の高精度測位を実現する「準天頂衛星システム」の運用を推進している。
全地球測位システムとは 「全地球型測位システム」 (GNSS) ぜんちきゅうそくいシステム: - IT用語辞典バイナリ (sophia-it.com)
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GNSS測位では4機以上の測位衛星から電波を送り、地上の受信機に届くまでの時間差を用いて、位置情報(x,y,z)を取得します。
「受信機」と「測位衛星」との距離をそれぞれ計算し、それぞれの距離が1つに交わる点を割り出すことで、観測点の位置情報を特定する仕組みです。
衛星から送信した電波には「送信した時刻」の情報が入っており、「受信した時刻」との差を出せるようになっています。この差を「電波伝搬時間」と呼び、「電波伝搬時間」×「電波の速度」で距離を求めます。
しかし、受信機の時計や衛星の軌道にはわずかに誤差があるため3機の衛星だけではズレが生じてしまうのです。そこでその誤差を修正するために4機以上の衛星を運用することが原則となっています。
GNSSを施工に取り入れるメリットは大きく2点あります。
1.効率化を図ることができる
工事現場内に基準点を設けて測量する場合、一般的に国道沿いなどにある既設の基準点や山の上の三角点から基準を移設します。しかし、トータルステーションなどを用いた従来の測量では、現場と基準点の距離が離れれば離れるほど誤差が大きくなり、測量日数がかかるため費用が増大してしまいます。
GNSS測量は、直接衛星からの電波を受信・測位するため、上記のロスがありません。また、ネットワーク型RTK法での測量であれば、新点のみの観測となり大幅に効率化が図れ、高精度・短工期・省コスト化が可能になります。
2.天候に左右されない
従来の測量では天候などにより精度が大きく左右され、悪天候の際には観測ができない場合もありました。しかし、GNSS測量なら、雨・風・雪・かげろうなどの天候による影響をほとんど受けることがなく、24時間観測をすることができます。
GNSS測量時の誤差要因
実際にICT施工を行うと、同じ場所でも「昼間に測ったときと夕方に測ったときで数値にズレが出てしまう」なんてことがよく起こります。
このズレはなぜ起こってしまうのでしょう?
原因はずばり、電波障害です。
GNSSは仕組み上、受信機が正しく電波を受信できなければ十分な精度を得ることができません。
そのため、以下のような状況で誤差やズレが生じることがあります。
上空が開けていない・・・観測点の近くに高い木や建物があり電波受信の妨げになっている
衛星電波の反射・・・建物や看板、山の稜線などが衛星電波を反射してしまっている
妨害波の影響・・・高圧送電線・大電力レーダーや混信妨害が起きている
衛星の配置状況や数・・・受信する衛星が適当数でまんべんなく配置されていない
このような理由により、GNSSを活用した測位はまだまだ万能とは言えません。
そこで、期待されるのが我が国の準天頂衛星「みちびき」です。2018年には4機体制で運用開始し、2023年には7機体制が目指されています。その名のごとく、日本の真上あたりを飛んでいるみちびきはGPSとあわせて利用することで、時間帯や場所を選ばず、いつでもどこでも利用できる安定した衛星測位サービスを実現させるものです。
GNSSって何?実際にどのように測位する?よくわかる ICT用語解説③GNSS | 建設ICT.com (kensetsu-ict.com)
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~GPS だけではだめなの?~
都会のビル街や、山に囲まれた場所では、GPSの衛星から発信される電波を、ビルや山に邪魔されて十分に受けられず、自分の位置を調べることができない場合があります。しかし、GPS の衛星に加えて、「みちびき」や GLONASS など、より多くの衛星測位システムを使うことで、上空が開けていないビル街などでも、十分な数の衛星からの電波を受け、自分の位置を調べることができるようになります。