準備
使用カード:トランプ 1組 52枚、ジョーカー1枚
得点記録紙:
チップ、または得点記録用の「メモ用紙」と「筆記用具」
カードの強さ:
(強) 10, 9, 8, 7, 6, 5, 4, 3, 2, A (弱)
※Aは状況により、そのマーク内で最弱から最強に変わることがあります(後述の「特別なルール:Aと10」で説明します)
トリックテイキングゲームを通じて、1回の冒険(ディール)で黄金どくろ(6のカード)を 3枚すべて集めるか、あるいは冒険隊メンバーひとりあたりの儲けが最大になるよう財宝(トリック)を集めます。黄金どくろを3個集めきった人、あるいは黄金どくろの呪いで全滅した隊が出たときにメンバーひとりあたりの儲け最大の人がゲームに勝ちます。
プレイヤーは好事家のために古代遺跡に眠る財宝を収集するハンターである。
数ある財宝の中でも世界中のコレクターが追い求めているのが金剛ドクロであった。
だがしかし……
金剛ドクロには呪いがかかっており、それを手にしたものは生命を削られる、非常に危険な財宝なのだ。
持つものの命を喰らうドクロだが、なんと! 3つのドクロを全て集めると全知全能のパワーを手に入れて、
この世界の覇者となるといわれている。
それゆえ命の危険も顧みずドクロを求める者が後をたたないのだった。
きみは生き残れるか、この世界の覇者となるのか、それとも……
トランプ 1組 52枚から、絵札である J, Q, Kの3種類合計 12枚を取り出し、 Kの束 4枚と J, Qの束 8枚に分けます。
分けた J, Qの束に、用意していたジョーカー1枚を加え、 9枚の束にします。
J, Qとジョーカーの束を 3人で 3枚ずつに分けます。内容はゲームに関係しないのでケンカしないように好きなカードで分けましょう。
今、手にした J, Q, ジョーカーが君たち冒険隊の隊員です。隊員たちが生きていることを示すように、絵が描かれた方を表向きにして自分の前に置きます。
さらに、残った 40枚の束からハートマークのカードだけを取り除きます。ハートのカード 10枚は、このゲームには使わないので、無くさないよう箱にしまっておくと良いでしょう。
これで冒険の準備が整いました! これからこの 3つの冒険隊の間で財宝を奪い合い、そこに隠された呪われた金剛ドクロを時に押し付け合い、時にすべて揃えることで世界の覇者となるのです!
カード 30枚をシャッフルしたあと、親(ディーラー)は左隣の人から時計回りに 1人 1枚ずつ、順番に各自 10枚となるようカードを配ります。カードは配りきりなので余りはありません。
この、カードを配るところから手札を使い切るまでを1ディールと呼び、ゲームは何回かのディールを繰り返して勝負していきます。
配られたカードが各々の手札です。絵札(およびジョーカー)は自分たち探検隊の隊員を示しています。表向きになっているカードが生き残っている隊員です。Kのカードは切り札(後で説明します)を表しますが、ディールの開始段階ではまだどのマークになるのか決まっていないので、すべての Kは表向きにして置いておきます。
上は手札となるカードを配り終えたところです。
手札のカードを配り終えたあと、全員で「宝箱」を用意します。各自、自分の手札を見て 1枚を選び、裏向きのままテーブル中央に出します。全員が出し終えたら、その 3枚のカードは「宝箱」としてテーブルの脇に置いておきます。
宝箱を用意したあと、手札は 9枚になります。
次に、残った 9枚の手札から 1枚を選びます。これも裏向きのまま、全員が右隣の人の前に置きます。
全員がカードを出し終えたら、左隣の人から渡されたカードをそれぞれの手札として取ります。
だいたいはそんなに嬉しいカードはもらえません。
これで、勝負を始める準備ができました。
リード
最初の手番は、前のディールで「宝箱」を獲得した人からはじめます。一番最初のディールは、じゃんけんなどで適当に決めます。
手番の最初の人は、手札の中から好きなカードを 1枚、 表 にして出します。この最初に 1枚出すことを「リード」と呼びます。
上の例では、じゃんけんに勝った親が、最初の手番となり「ダイヤの 5」を出してリードしたところです。
手札から 1枚出すと、その人の手番は終了です。つづいてその左隣の人の手番になります。このようにリードした人から順に、時計回り(左隣の人へ順番が移る)にひとり 1枚ずつ手札を出していきます。
自分の番にできること
自分の手番が来たら、手札の中からカードを 1枚、表にして出します。この時、リードされたカードと同じマークのカードを持っていれば、必ず同じマークのカードを出します(これを「フォロー」と呼びます)。
上の例では親の左隣の人が、リードマークと同じダイヤの 7を手札から出したところです。
上の例では、引き続き最後の番の人がリードマークと同じダイヤの 8を手札から出したところです。
同じマークがなかったら
リードされたものと同じマークのカードがなければ、その場合に限って、他のマークのカードを出します。
全員が 1枚ずつカードを出したら(これを「1トリック」とよびます)、リードされたカードのマークと同じカードのうち、一番強いカードを出した人が、そのトリックに勝ちます。トリックに勝った人は、使ったカードをトリックごとの束にして取っていきます。
上の例では、リードマークのダイヤで最も強い 8のカードを出した人が勝ちました。トリックに勝った人は、あとで何回勝ったのかがわかるように、獲得したトリックを束にして自分の手前に伏せて置いておきます。
リードと違うマークのカードを出した場合、たとえ強いカードを出しても勝つことはできません。ただし、切り札(あとで説明します)は例外で、切り札と同じマークのカードを出すと逆に勝てます。切り札マークのカードが2枚以上出た時は、切り札マークの中で最も強いカードがトリックに勝ちます。
2トリック目からは、直前のトリックで勝った人からリードします。
トリックの勝敗を確認するときに、そのリードカードのマークをフォローした Aと 10がある場合、Aの強さが変わり 10よりも強くなります。
上の例では、リードがダイヤの 10で、次いでダイヤの 6、ダイヤの Aでした。リードのマークであるダイヤの 10と Aがでているため、Aが10よりも強くなります。このため、強さ順は (強)A, 10, 6(弱) となり、 Aのカードを出した人がこのトリックを獲得します。
各マークの「6」のカードは、ディールの終了時に特別な意味を持ちます。あとでわかるように絵札(あるいは Joker)の上にずらして表向きで重ねておきます。重ねるときは、なるべく表向きの絵札の上に 1枚ずつ重ねるのがよいでしょう。
上の例は、獲得したトリックに 6があったので、6のカードだけを絵札(Jのカード)にずらして重ね、その他の 2枚のカードを伏せて束にしたところです。
1回のディール中で 3枚の「6」(どくろカード)を集めたとき、それがゲームの途中であっても即座にゲームを終了し、3枚の「6」を集めた人の勝ちになります。詳しくは「ゲーム終了」のところで説明します。
そのディールではじめて、フォローできないカードが出た時、つまり、リードされたマークのカードと違うマークのカードがはじめて出されたときに「切り札」が決まります。
切り札が決まったあとも、リードのマークと同じマークのカードが手札にあれば、必ずリードと同じマークのカードを出すルールは変わりません。
上の例ではダイヤの 9でリードし、続いてダイヤの 2、そして最後に(ダイヤが手札になかったため)クラブの 2が出されたところです。このディールで初めてフォローできないカードが出たため、切り札はクラブに決まりました。
切り札が決まったら、Kのカードのうち、切り札のマークの Kのみを表にして束にしておきます。このようにすることで、このディールでの切り札が何であるかを示します。
上の例では、クラブの「2」という低い数字でしたが「切り札」になったことからトリックを獲得し、また、切り札表示の「K」の束を作ったところです。次のディールまで、切り札はこの「クラブ」から変わりません。
手札の最後の 1枚を出し、トリックの勝敗を決めたあとで、各ディール最後のトリックを獲得した人は「宝箱」もトリックとして獲得します。つまり、最後のトリックで勝つと合計 2トリックを獲得することになります。
「宝箱」を獲得した人は、宝箱に 6のカードが含まれていないか確認し、含まれていれば表にして絵札(あるいは Joker)に重ねます。
上の例では最後のトリックを獲得した人が、同じく「宝箱」もトリックとして獲得したところです。
「宝箱」に入っていた「6」は、他のトリックのときと同じく、絵札にずらして重ねます。
リードする手札がなくなると 1試合の終了です。
各自、絵札の上に重ねた「6」を確認します。「6」があれば、同じ枚数分の表向きの絵札を裏返し、伏せます。どくろの呪いにより隊員の命が失われていく様をあらわしています。
ゲーム中、絵札はゲーム終了まで表に戻ることはありません。3枚とも裏返ってしまった場合、冒険隊は全滅し、その人はゲームから脱落、得点計算のあとゲームは終了します。詳しくは「ゲーム終了」のところで説明します。
上の例では 3枚のどくろカードが 2人の間で分かれ、それぞれの冒険隊の隊員の命が奪われたところです。
どくろの呪いのを経て、今回のディールの得点計算をおこないます。獲得したトリックひとつにつき10点を獲得します。
上の例では10トリック(9トリック+宝箱1トリック)分の得点がそれぞれ20点、40点、40点で配分されたところです。
ディールごとの得点を記録します。
冒険隊の隊員が全滅するか、黄金どくろを3個揃えることができたらゲーム終了です。
つまり、絵札がすべて裏になってしまった人が1人でも出るか、あるいは1回のディール中に「6」のカード 3枚すべてを集めた人が出たら終了です。
隊員が全滅した人が出た場合、まだ隊員が生き残っている人たちだけで勝敗を決めます。
上の図は、隊員が全滅した場合の例です。
今回のディールまでの得点を合計し、生き残っている隊員の人数、つまり「残っている表向きの絵札の枚数」で割り算します。計算で余りが出た場合、その余りは切り捨てます。
例えば合計得点が40点で、隊員が3名生き残っていたら 13点(= 40点 ÷ 3人)で、隊員が 2名生き残っていた場合は 20点(=40点 ÷ 2人)、1人だった場合は 40点(= 40点 ÷ 1人)です。
得点の高い人が勝ちです。
もし計算した得点が同点であった場合、次の順番で誰が勝ったかを判断していきます。
1. 生き残った隊員の少ない方が勝ち。より困難な状況をはねのけたからです。
2. 計算(生き残った隊員で割り算)する前の得点の高かった方が勝ち。より有能だったからです。
3. 時計回りに数え、全滅した冒険隊に近かったほうが勝ち。より死の淵に近かったからです。
2つの冒険隊が同じディールで全滅した場合、残った冒険隊の人が勝ちです。同様に、3つの冒険隊が同じディールで全滅した場合は、全員が負けです(黄金どくろが勝ちです!)。
今回のディールでゲームが終了しなかった場合、手札として使ったカードを集めて次のディールを始めます。切り札を表す Kを、すべて表向きにするのを忘れないようにしてください。
1回のディール中で 3枚の「6」を揃えた場合、即座にゲームは終了し「6」を 3枚揃えた人が勝ちます。
上の図は、どくろを 1人がすべて(3個)揃えた場合の例です。「6」をそろえるのは 1回のトリックではなく、1回のディール中に揃えれば良いことと、生き残っている隊員数に制限されず「6」は集められること、そしてなにより、「どくろの呪い」より先にゲームの終了条件を満たすことに注意してください。
特別なルール「Aと10」および「切り札」は混乱しやすいので、以下に例を示します。理解の一助となさってください。
記述はリードから順に 3枚出されたものとしています。切り札のマークは♠(スペード)とし、隅付き括弧〖〗で囲んだカードがトリックに勝つカードです。
「BLでいこう」
本作、髑髏コレクターはパクりでできてます
パクり・・・では体裁が悪いのでw 料理に例えましょう
さて、料理人。今回、TTP主催のトリックテイキング公募のメニューはどうしましょうか
僕が最初に考えたのは「ブラックレディの押し付け合い」にしよう、ということでした
失点押し付け合いのハーツは僕も大好きなトリックテイキングですが、その中でもスペードのQ(ブラックレディ)はそれ1枚で13失点という破壊力のあるカードです。このブラックレディにあたるものが髑髏カードです
髑髏カードをいかに取らないようにするか、もしくは手札の中の髑髏を誰に差し込んでやろうか、とハラハラドキドキ、そしてときどきニヤニヤさせるのが料理人の狙いです
髑髏カードを引き取ったら失点ではなくライフ(生命力)を失うようにして、ライフがゼロになったらゲームから脱落、というのがスリリングで面白いだろう。もちろんパクり元・・・参考元がブラックレディなのでシュートザムーン(髑髏を全部集めると逆転勝利)の要素も盛り付けます
脳内シミュレーションの結果、髑髏カードが4枚もあるとプレイが間延びしそうなので3枚にし、手札も10枚としたことで3人専用にしました
手札が少ないとカード運がものをいいそうなので、ここでちょっとアレンジを加えます。ブラックレディにはない切り札要素を入れましょう
とっておきの食材があるのです
ちょうどその頃遊んだミットレールヤスの「途中まで切り札が決まっていない」という不確定要素がとても面白かったので、そこから調達です
では切り札が決まるまでをどうするか。
単純に最強(10)のカードを持っている人が勝つのはツマラナイ。ここにもなにかスパイスを効かせたい。
そこで日本式ナポレオンからよろめきやセイム2の要素を取り入れて「最強の10は最弱の1(A)に負ける」ことに決めました
最初に手札から1枚を仕込んで(本編でいう宝箱)、ラストトリックの勝者が獲得するというギミックはクリベッジのクリッブ(プレイの最初に2枚づつ仕込んで、親プレイヤーの得点になる)です。
本作では宝箱に髑髏を仕込むのが楽しいのですが、それはスカートにおいて得点札をウィドーに仕込んでおく、というのがイメージにありました
さて、最後の仕上げ(得点計算)はどうしたものか・・・
本作では髑髏を3つ集めて1人勝ちするより、ライフを失って誰かが脱落するケースの方が多いでしょう。だから生き残った2人のうちどちらが勝利するかを決めるためにスコアリングを考えなければなりません
この頃にはすでに呪われた髑髏に怯えつつお宝を探す財宝ハンターというモチーフは決まっていたので、やはり獲得した宝(トリック)は得点にしたい。単純に考えれば、宝をたくさん獲得したほうが探検家としては優秀です
しかしせっかくなら残ったライフチップも得点に絡めたいと思い、獲得した得点を残りのライフチップで割り算するというアイデアがひらめきました
あ、ウソです。「知略・悪略」のスコアリングをいただきました
では、なぜ割り算するのか
ライフが満タンよりは、ライフが少ない方が勝つ。そのほうが”よりゲーム的なバランスだから”ですけれども、うーん、せっかくモチーフが決まってるのだから、なんとか意味づけたいなぁと思い「五体満足で帰還するより、命からがら生還した方が勇者である」という強引な理屈をヒネリだしてそこそこ満足していたら、公開ルールを読んだゆうりさんから「ライフチップを探検家1人、と考えて、最後に頭割りにしたらどうか」と提案されました
なるほど!
探検家チームで、生き残った探検家に獲得した財宝を分配することにすれば、最後に割り算にするしっかりとした理由が生まれます。まったくなんと素晴らしいアイデアでしょう!もちろん即、イタダキ(採用)です!
大まかにルールを決めてから、テストプレイを何回かやってみてライフ数や髑髏カードのランク位置などを微調整して完成させました
これが髑髏コレクターのレシピです
ホラーの帝王、スティーブン・キングは『死の舞踏』で、子供の頃から楽しんだホラー小説やドラマ、映画、実際の事件の数多くの記憶が創作の元になっていると語っています
世阿弥は
「学ぶ」とは「真似ぶ」つまり真似ることから始まる 。という言葉を残してます
つまりパクれ、ってことですよ(本当はちょっと違う)
「髑髏コレクター」で僕がやったことといえば、ありものの材料をかき集めてきて、なんとか食べられそうな料理を作った”だけ”です
あとは、食べたお客さんが少しでも気に入ってもらうことを祈るだけ・・・です
ただ、今さらですが、もしこれをリメイクするとしたらタイトルは「ダミアン」にしようかと考えてます。だって、6を3つ集めると最強になるといえば、もう・・・・・・