Identification of novel RNA mycoviruses from wild mushroom isolates in Japan

 野生きのこから分離した51菌株からdsRNAの検出を試みたところ,うち5株から7種のマイコウイルス由来と考えられる核酸が検出された.これらのゲノム配列に基づく解析の結果,検出されたマイコウイルスは全て未記載種と考えられた.

 マイコウイルスは宿主真菌の様々な形質を改変するとされているが,その多様性などはほぼ未知の状態である.真菌とウイルスの相互作用研究から,真菌の特性と考えられてきた形質にウイルス感染が影響している,などの新たな知見が得られることが期待される.

 本研究に用いた菌株は分離後10年近く継代培養を回繰り返してきた株であったが,ウイルスは脱落していなかったことから,これらの感染はかなり強固であることがうかがえる.これらのウイルス感染が宿主真菌にどのような影響を及ぼしているかについては今後の課題である.

図.検出されたマイコウイルス(PartitiviridaeとCurvulaviridae)のゲノム配列に基づく系統解析結果.

Zhao Y., Shirouzu, T., Chiba Y., Hosaka K., Moriyama H., Urayama S., Hagiwara D.

Identification of novel RNA mycoviruses from wild mushroom isolates in Japan.

Virus Research, 325, 199045, 2023

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