ネパール風土逍遥 ヒマラヤ

フォトエッセイ・異文化への旅

ネパール風土逍遥

憧れのヒマラヤ

聖なる山マチャプチャレの夜明け

(クリックすると4枚の画像が順次に登場)

アイガーもユングフラウも、アルプスはものすごい迫力だったぞ、

あんたヒマラヤでしょ、もうちょっと迫力もったらどうなのよ。

なんで鉄塔と電線の向こうかくれてんだよ、気に食わん、

土産物屋の写真とは大違い。

そりゃまあ、崖ぷちに立って騒ぐ若者たちの前にでりゃ見えますよ、

でも怖いよ、人間の頭越しと鉄骨越しヒマラヤを眺めて ウロウロ、

あれ、日本のテレビ 放送屋が来てるよ、俗っぽいところに来たもんだ。

(仲間のひとりが帰国後に偶然に見たTV番組に2秒くらい当人が映ったそうだ)

明るくなって下り道から振り返ったら、町外れの小高い丘だった。

なにがミニトレッキングだよ~、小学生でも行ける遠足だった。

こうなりゃ意地でも敵討ち、翌日にヒマラヤ遊覧飛行を申し込んだら、

今日は飛んでません、ちぇっ、返り討ちにあってしまった。

もうヒマラヤはあきらめた。

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2011年10月伊達美徳 Copyright(C) 2011 DATE,Y. All Rights Reserved

これは2006年にみたスイスアルプスのマッターホルン

マチャプチャレがこれくらい近く見えてくれるとよかったのになあ

左に頭を回すとダウラギリもアンナプルナも籠の鳥

もうちょっと後ろに下がると…

でもねえ、実は本当の風景はこうでした

アンナプルナサウスからさらに右に頭を回して真正面へ、

黒から白い三角になってきたのが聖なる山マチャプチャレ、

なんだかマッターホルンにそっくりである。

ネパールならヒマラヤだ、その程度しか知識がなかった。

大学山岳部以来のあこがれのヒマラヤになんとしても出会いたい。

ヒマラヤに行く根拠地として有名な町のポカラに宿をとった。

明日の予定にはミニトレッキングと書いてある。

着いた日は曇っていてヒマラヤが見えない。

町の土産物屋にはヒマラヤの山々の 大きく美しい写真が置いてある。

いい歳をして、わくわくする。

翌朝午前4時頃まだ暗闇、マイクロバスで出発、

小1時間走って小高い山腹に停車、ここからサランコット山頂へ歩くのだ。

真っ暗闇の山道をヘッドライトを頼りによろよろと登っていく。

後から来た若者たちにどんどん追い越されつつ、

1時間半かかって息絶え絶えに山頂につく。

暗くてさっぱり分からないが、大勢の見物客がいるらしく騒がしい。

ほのかな薄明になって分かったが、狭い山頂に数百人もいるようだ。

さてヒマラヤはどちら?、人々の頭の稜線があってその上らしい。

暗いのでヒマラヤ稜線か、それとも黒雲なのか、よくわからない。

見回して驚いた、大きな鉄塔が建っていて、寺院のような祠もあり、

屋根つきの展望台もあって、ヒマラヤ見物にあれこれと邪魔物だらけ。

やがて太陽が右の雲間から顔を出し、おお、夜が明けて、

ヒマラヤのパノラマが目前に登場!大勢の見物客のゆれる頭越しに、

まず左の方に白雪の山が輝いてきた、う~む、あれはダウラギリだ、

その右に白いカーテンの上だけが朝日に輝くのはアンナプルナサウス、