ネパール2011
400kmバスの旅

ネパール400kmバスの旅

文と写真:伊達美徳

第1話

ネパールに初めて行った

1-1●地震の国を逃れて

1-2●旅のあとづけ目的

1-3●停電の国から停電の国へ

1-4●地震大国から地震大国へ

第2話

なんと多様な国なんだろう

2-1●多様な地勢

2-1●多様な民族

2-3●ゴルカ兵と戦った日本

2-4●不安定な政治

第3話

ネパール400kmバス旅に興奮した

3-1●怖くて面白いいちばん前の特等席

3-2●道路は車と人と動物が入り乱れる

3-3●耕して天にも谷底にも至る

3-4●消滅する森林

3-5●畑作から稲作へ

3-6●街道筋の賑わう宿場町

第4話

ネパールの人々と暮らしをかいま見る

4-1●豊かな水、汚れた水

4-2●土の家と木の家と

4-3●なんとまあよく働く女たちよ

4-4●村の子どもとミニミニ交流した

4-5●ネ日文化交流でちょっと謡を

第5話

カトマンヅ盆地の街と建築

5-1●地震が来たらこれは怖い

5-2●カトマンヅの街はベネチアみたい

5-3●ネパールの世界遺産は人間くさい

5-4●日本の塔・ネパールの塔

5-5●バクタプルがなかなか面白い

5-6●ヒンヅー空間をかいま見る

第6話

聖地ルンビニで信仰心ないわたしが見たもの

6-1●ルンビニはネパールだったのか

6-2●丹下健三のマスタープランはまだ進行中

6-3●不自然なる自然景観

6-4●ルンビニ博物館はインドデザイン

6-5●いまは亡き親友の仕事

第7話

ネパールの顔、顔、顔

7-1●ヒンドゥー・ブッダ世界の顔

7-2●ネパール・人間世界の顔

まえがき

今回のネパール(カトマンヅ、ポカラ、ルンビニ)は実に刺激的であった。
 ネパールは想像を超える複雑な社会である様子で、そのことが刺激的だったのだが、何か新たなことを感得するにはまだ戸惑ったままである。特別な目的があって行くことにしたのではなかったが、ある種の期待があったのは、日本の戦前農業社会と戦後高度成長初期とを同時に見ることができて、何かを感得するかもしれないということだった。
 これはおおよそは当っていて、わたしの1940年代の記憶と70年代の体験とが重なり合った風景に出会った。
 数えてみると海外旅行は16回目で、訪ねた国は19だが、北アメリカとヨーロッパ諸国には何回もいった。アジアでは中国(香港、上海)、タイ(バンコク、アユタヤ)、シンガポールを訪ねている。
 仕事での視察や遊びばかりで、海外に滞在した経験はないから、どこの国も通りすがりである。事前知識のないままに訪ねて、文化の違いにびっくりして刺激的であったのはブラジルである。
 このネパールの旅で海外旅行は終わりだろう。もう歳が歳だから、心はともかくとしても、体力が環境の大変化に耐えられるかどうか。いや、わたしはまだまだ大丈夫と思っているだが、思わぬことで周りに迷惑をかけるおそれがある。残念である。
 あ、そうじゃないな、これからはひとりで出かけよう。でかけた先でどうなろうと、そこの土にでも水にでもなればよいのである。うん、それがいい。
 ネパール旅行を企画し導いてくださった「草の根校舎の会」のメンバー、関西からの同行者、現地のカトマンヅ日本語学院のかたがた、誘ってくれた大学同期の畏友たち、みなさまのご親切に感謝しつつ、ここにわたしの生来の辛口偏見も承知の上でのネパール雑感を記しておく。(110426)

2011.04.25 伊達美徳Copyright(C) 2011 DATE,Y. All Rights Reserved.

■ネパールの2011年国勢調査によるあれこれ

国家計画委員会中央統計局は2011年6月実施の国勢調査結果を発表

●総人口 26,494,505人

2001年調査では2310万人、10年間で約15%増加

男性 12,849,041人 (48.5%)

女性 13,645,463人 (51.5%)

人口の55%が25歳以下

●総世帯数 5,427,302世帯

2001年調査では4,253,220世帯、10年間で約28%増加

1世帯平均4.88人で減少傾向

●主な種族

1) チェトリー 16.8%

2) ブラーマン 12.2%

3) マガール 7.1%

4) タルー 6.6%

5) タマン 5.8%

6) ネワール 5.0%

7) カミ 4.8%

8) ライ 2.3%

他に、タカリー、リンブー、グルン、シェルパ、ラマ等、多くの種族あり

●主な言語(123言語が話されている)

1) ネパーリー 44.6% (約1100万人)

2) マイテイリ 11.7% (約300万人)

3) ボジプリ 6% (約150万人)

4) タルー 5.8% (約150万人)

5) タマン 5.1% (約140万)

●居住地帯

山岳地帯 6.7%

中間地帯(カトマンズ、ポカラ等) 43.0%

南部テライ地域 50.3%

●識字率(5歳以上)

2001年 54.1%

2011年 65.9% (男性75.1%、女性57%)

首都カトマンズでは約85%

●宗教

1) ヒンズー教 81.3%

2) 仏教 9.0%

3) イスラム教 4.4%

4) キラント 3.1%

5) キリスト教 1.4%

6) その他 0.8%

どのようなものを所持しているか

全国平均 都市部

1) テレビ 36.45% 60.67%

2) コンピューター 7.28% 23.66%

3) 固定電話 7.37% 22.66%

4) 携帯電話 64.63% 84.07%

5) 車(4輪) 1.57% 4.03%

6) モーターバイク 9.58% 23.62%

7) 冷蔵庫 7.16% 23.21%

8) ラジオ 50.82% 53.58%

出典:ネパール・ニューズ・ライン(2012年11月16日~30日)

http://www.nepal-news.net/