TeXのインストール

ここで説明するのは,フルセットのTeX処理系をインストールする方法です。KeTCindyの準備のページにある方法で,簡易版の処理系をインストールすることもできますし,その方が短時間にインストールできます。

これからTeXを始める人は,ひとまずKeTCindyのパッケージに入っている簡易版で十分ですし,こちらを進めます。

時間がかかってもよいからフルセットの処理系が欲しいという人は以下の方法でインストールしてください。

両者の違いは主に次の点です。一長一短があります。

・簡易版のインストールはすぐにできる。フルセットはインターネットに接続して1時間くらいかかる。

・簡易版では「スタイルファイルパッケージ」で使えないものがある。

・簡易版には,すでにKeTpicのスタイルファイルが入っているので便利。

TeXのインストールに関しては、奥村さんの TeXWiki が一番詳しいでしょう。でも、TeXWikiを見るといろいろな方法がありすぎて、かえってどうすればいいのかがわからなくなります。そこで、TeXWikiでも推奨の TeXLive を使ったインストール方法に絞って手順を説明します。

なお,これから始めるフルセットの処理系を使うにあたって,ユニコード(UTF-8)が扱える設定も行います。日本語は長らく Shift-JIS の文字コードが使われてきましたが,これからはユニコードの時代でしょう。

ご自分の環境にあわせて,次のいずれかをお読みください。

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1. Windows版TeXLiveのインストール

まず TeXLive のダウンロードページ

http://ring.airnet.ne.jp/pub/text/CTAN/systems/texlive/tlnet/

で install-tl-windows.exe をダウンロードします。下図の日付は2015ですが,最新のものになっているでしょう。

ダウンロードした install-tl-windows.exe をダブルクリックして起動し、Next> ボタンを押して進み、日本語画面になったら 次へ→ ボタンを押して進みます。インストールが始まるとかなり時間がかかりますのでじっくり待ちましょう。(他のことをしているほうがよいでしょう)

なお,以下の図はTeXLive 2014 のものですが,2015でも同様です。

Windows版TeXLive では、統合環境として TeXworks がインストールされます。旧来のTeX利用者の方はコマンドラインでコンパイルをしているでしょうが、初心者はこれを使う方が楽です。ここでTeXのソースを書いて「タイプセット」ボタンを押せばPDFファイルができます。ただし、このままでは日本語が扱えません。そこで、次の手順で日本語版の uplatex が使えるようにします。

なお,up latex というのは,ユニコード(UTF-8)対応の処理系です。ちょっと前の書籍などでは,platex になっているでしょう。uplatex なら,JISコードにない文字(たとえば 森鷗外の 鷗 )が扱えます。

TeXworksの設定

TeXorksEditorを起動します。「すべてのプログラム」-「TeX Live 2015」の中に TeXworksEditorがあるでしょう。

編集メニューを開き、一番下の「設定」を選びます。「タイプセット」のタブをクリックし、「タイプセットの方法」の右下にある+ボタンを押します。

新規設定の別ウィンドウが開きます。

名前の欄の「新規ツール」をBSキーで消して,uplatex(ptex2pdf) を打ち込みます。

単に uplatex でも結構です。

プログラムの欄に ptex2pdf を打ち込みます。

次は 引数 の欄ですが、右側の「+」ボタンを押して1行ずつ書いていきます。(1行書くごとに+)

書くのは次の4行です。1行目はハイフンとエルです。

-l

-u

-ot

$synctexoption -kanji=utf8

$fullname

☆UTF-8を扱わない場合の設定は後述します。

「実行後、PDFを表示する」がオンになっていることを確認し、OK を押します。

次に、タイプセットの方法の右側の緑の矢印を使って uplatex(ptex2pdf)を一番上に持ってきます。

また、デフォルトを uplatex(ptex2pdf) にします。

OKボタンを押してTeXworksの編集画面に戻り、タイプセットが uplatex(ptex2pdf) になっていることを確かめます。

ほかのタイプセットの場合は,下向き三角をクリックして,uplatex(ptex2pdf)を選びましょう。

テキスト編集エリアに次の4行を書きます。

------------------------------------------------

¥documentclass[uplatex]{jsarticle}

¥begin{document}

hello

¥end{document}

------------------------------------------------

このテキスト(TeXソース)からPDF の文書を作るために,タイプセットの三角ボタンを押します。

ファイルの保存を促されますので適当に保存しておきます。

コンパイルが実行され、別ウィンドウが開いてPDFファイルが表示されれば成功です。

なお,ユニコードを扱わない場合の設定もしておくとよいでしょう。

設定は先ほどと同じで,引数の -u を外すだけです。¥documentclassの記述も変わります。

これを platex という名前で作っておけば,次のように使い分けられます。

UTF-8を使うとき

uplatex で ¥documentclass[uplatex]{jsarticle} とする

使わないとき

plates で ¥documentclass{jsarticle} とする

2. Macintosh版TeXのインストール

Mac版の場合は、MacTeXのページから MacTeX.pkg を ダウンロードします。

ダウンロードしたパッケージを開いてインストールします。インストール画面はWindows版と同様です。やはりかなり時間がかかります。

統合環境はTeXshopです。アプリケーションのTeXフォルダからTeXshopを開きます。

まず,TeXshopを最新版に更新しておきましょう。「TeXshop」-「アップデートの確認」です。

アップデートするときは,「再起動します」と出ますが,これはコンピュータの再起動ではありません。

ダウンロード後 TeXshopを再起動する,という意味なので,そのまま待ちましょう。

次にTeXshopの環境設定を開き、ウィンドウ下にある設定プロファイルからupTeX(ptex2pdf)を選びます。

UTF-8でないときは,pTeX(ptex2pdf)を選びます。

MacOSがElcaptanの場合は,次の箇所もチェックします。

「内部設定」のパス設定です。上の欄を /Library/Tex/texbin にします。

なお,Yosemite以前の場合は,/usr/texbin です。

編集画面に戻って、テキスト編集エリアに次の4行を書きます。

------------------------------------------------

\documentclass[uplatex]{jsarticle}

\begin{document}

hello

\end{document}

------------------------------------------------

「タイプセット」ボタンを押します。

ファイルの保存を促されますので適当に保存しておきます。

コンパイルが実行され、別ウィンドウが開いてPDFファイルが表示されれば成功です。

UTF-8を使わない(pTeXのとき)は,1行目は

\documentclass{jsarticle}

とします。

参考ページ

このほか、日本語フォントを使うなどの設定については、

次のページが参考になるでしょう。

http://www.clas.kitasato-u.ac.jp/~fujiwara/MacTeX/

http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/texwiki/?Mac

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