~事業紹介~
虚川江第三發電所は第二發電所放水口を起点とし、第三發電所へ導水するものである。第三發電所は落差125mを有し、虚川江發電所群の中で元とも低落差となっているが、数値としては高落差になる。又、發電機は電業社の発注履歴から第一及び第二下流にかけて納入されていることから、芝浦製作所も同様に発電機を納入している。
建設には工事用軌道として運用を開始した端豊鐡道により、安価な建設を行ったものと思われる。
虚川江第三發電所
虚川江第三發電所 第二發電所放水を直送
※2018年現在
虚川江第三發電所 簡易水路平面図
導水路15km有り
虚川江第三發電所 全体を望む
虚川江第三發電所 サージタンク及びバルブ室を望む
虚川江第三發電所 建屋を望む
~感想~
虚川江第三發電所は虚川江發電所群の中で最も落差が低く、水路延長も短いものと記録されていますが、順位で考えるとかなり最下位となりますが、国内の数値と比較すると木曽川水系の大規模發電所と同じくらいの数値を有しています。少し感覚がおかしいのも気になるところですが、水路が15kmの理由も南大川に沿う建設軌道が川沿いにしか敷設できなかったことから、水路もやや川沿いに建設されてことから15kmになったものだと思います。距離測定の際に直線にするとかなり距離が省略できますが、横坑などがないとなると作業効率も悪く、後のメンテナンス作業に不都合が生じるので川沿いにされたのだと考えれられます。
現在も当時の姿で運転している様ですが、水路が15kmもあるとメンテナンスが非常に面倒なのではないかと思うところがありますね。それに、第一發電所、第二發電所と棚田方式になっているので、トラブル発生時に下流の發電所へかなり波及してしまうので、作りとしてはかなり無謀なところが見られます。仮にも一度河川へ放水するなど、サージタンク内部で余水路を直結で下流の發電所の取水口に合流しているなら対策は採れますが、サージタンクの大きさや余水管の大きさを見ていても取水量に対してかなり小さく見られます。
トラブル発生時にどんな対処をしているのか、ぜひ聞いてみたいものです。
平成30年4月13日 執筆