朝鮮窒素肥料株式會社 興南工場 ~その他肥料製品~

~事業紹介~

―硫加燐安-

硫加燐安は硫燐安と同様複合体の化成肥料で、窒素、燐酸、加里の三要素を全部含有する完全肥料である。現在一般完全肥料と称せられるものは硫安に過燐酸石灰、それに硫酸加里当を適当に按分混合したものに過ぎないが、当社のは硫燐安にしても硫加燐安にしても化学的に肥料の要素を含有せしめた化合物で、いわゆる混合肥料配合肥料等とはその本質を異にしており、技術的にも経済的にも格段に卓越性を有するものである。硫加燐安も硫燐安と同じく麻袋詰として出荷する。

―過燐酸石灰―

当社は又需要の種々な注文に応ずる必要上過燐酸肥料をも製造している。これは主として調合肥料の原料に用いられる。

―石灰窒素―

石灰窒素は硫安と異なる特色を有する窒素肥料である。石灰窒素の製造についても当社は最も古き歴史を有するのであるが、最近朝鮮窒素肥料本宮工場に於いても又、新にその製造を開始するに至った。

興南工場 麻袋詰めされた硫加燐アンモニア(硫加燐安)

※輸出、特殊注文用

興南工場 藁叺詰めされた過燐酸

※通常出荷 国内、朝鮮向け

興南工場 石灰窒素

※輸出、特殊注文用

興南港にて肥料出荷を望む

~昭和10年頃 撮影~

~感想~

興南工場では朝鮮開拓、満州開拓向けに大量の化成肥料を製造していたのがよくわかります。当時は日本人の人件費が高騰し始めたことから、人件費が非常に安価な朝鮮人を多く雇い、化学肥料の生産に従事させていたそうです。現在でも度々話を聞く「朝鮮人強制労働」に関してはこれは不当な言いがかりであると私は断言できます。

強制労働と言うのは全くの収入を得ずに働く人を示すものであり、一銭でも手にすれば雇用の関係になるのは明確なはずです。ただ、従事する内容に対し、安価であったのは確かでもありますが、雇用の関係上「強制労働」と安易に発言するものではないと思います。

それと、この一連の化学肥料は表向きのものであり、その裏側に従事していた本当の強制労働者が未だに声を上げないのは少し恐ろしさを感じるところがあります。朝鮮窒素が慈善事業のように振る舞うその裏では世界トップレベルのとある製造を行っていたのがGHQの調査によって報告されていますが、現在はその書類等は国際問題上極秘書類とされているそうです。本当の日本の闇が日米間で隠蔽されている理由が気になるところですね。

現在は朝鮮分離により北朝鮮が工場及び製造機をそのまま利用しているそうで、航空写真でも工場自体が見ることができます。

今は何を造っているのかが少し気になるところですね。

平成30年3月26日 執筆