朝鮮窒素肥料株式會社 興南工場 ~硫燐アンモニア製造~

~事業紹介~

硫燐安は当社が最も推奨する肥料である。硫燐安は肥料の三要素中の窒素と燐酸とを同時に含有する、いわゆる複合体の化成肥料でその保証成分はアンモニア性窒素17.5%、水溶性燐酸14.5%以上で同一容量中により多くの有効性分を保有せしめんとする化成肥料の理想の一端を実現したものである。

当社は朝鮮窒素株式會社興南工場に於いて独特の特許方法により初めてこれを製造したが、両来年と共にその需要は増加している。この種高級肥料の要求が各方面に喚起されてきたことは喜ばしき現象である。

当社の硫燐安製造能力は現在年額17万トンであるが、将来さらに需要増加に応ずるべく拡張を重ねていくこと思われる。硫燐安は当社に於いて初めて製造販売せられたもので硫燐安なる商標は当社の製品のみに限られたものである。

興南工場 硫燐アンモニア(硫燐安)貯蔵倉庫の一部を望む

~昭和10年頃 撮影~

興南工場 硫燐アンモニア(硫燐安)麻袋詰 自動秤量機を望む

~昭和10年頃 撮影~

興南工場 麻袋詰めされた硫燐アンモニア(硫燐安)

※輸出、特殊注文用

商標登録 登録通知書

※硫燐安は日本窒素肥料のみが所有する製品である

硫燐安 製品保証及び含有性分表

~農林省より分析保証~

硫燐安 販売用広告

~昭和10年頃 撮影~

~感想~

興南工場の硫燐安は性分中に燐が含まれることにより植物に与える高濃度の栄養分が含まれれていることになります。つまり、成長促進剤みたいなものだと思います(化学には詳しくないので💦)。金魚などの餌などに含まれており、マッチの点火も燐でしたね。

「硫燐安」は言葉通り硫酸、燐酸、アンモニアを掛け合わせたものですが、商標登録されているそうですが、現在ではあまり聞くことがないようですが、園芸や農家の人は今でも通じますが化学肥料と言えば硫燐安を出してくれるそうです。

それと、袋詰めの写真に写っている奥の二人ですが、朝鮮人に機械の扱い方を教えているようです。

現在は朝鮮分離により北朝鮮が工場及び製造機をそのまま利用しているそうで、航空写真でも工場自体が見ることができます。

今は何を造っているのかが少し気になるところですね。

平成30年3月26日 執筆