C 式
GeoGebraでは入力バーに式を書きます。Cinderellaでは,基本的にはCindyscriptで式を書きます。Cinderellaにもコマンドラインがありますが(表示すれば),Cindyscriptの方が実用的です。
オブジェクトの式中での値
GeoGebraには,オブジェクトを式の中で扱うことができ,オブジェクトによってそれに応じた解釈がされます。「GeoGebra日本」の「GeoGebra応用」ー「C 式」にその分類が示されています。
Cinderellaでも点や線のオブジェクトを式の中で扱えますが,かなり限定されています。
たとえば,点の名前は大文字で表されていますが (A+B)/2 でAとBの中点を表すことができます。しかし,GeoGebraでは C=(A+B)/2 で中点をCとすることができますが,Cinderellaでは,C.xy=(A+B)/2 とする必要があります。
また,たとえば,線分はCinderellaでは同次座標なので,a+1 という式は定義されませんが,|a| は線分の長さを表しますので,|a|+1 とすることはできます。
数値演算・関係演算・論理演算
GeoGebraでは積の演算子 * は省略可能(場合によってはスペースで代用)ですが,Cinderellaでは * が必要です。このあたりは,GeoGebraの方がMathematica寄りです。
組み込み関数
GeoGebraにはたくさんの組み込み関数が用意されています。Cinderella(Cindyscript)にあるものとの比較です。
GeoGebraの組み込み関数のリストはGeoGebraの「Predefined Functions and Operators」のページにあります。
組み込み定数
GeoGebraには,円周率 pi,度 °,虚数単位 i ,自然対数の底(ネピア定数)e が組み込み定数として予約されています。
Cinderellaでは,円周率 pi,虚数単位 i の2つだけです。° は演算子です。eは指数関数を使って e=exp(1) とすれば簡単に定義できます。
i や e はオブジェクトの名前や単なる変数としても使えることは両者で共通です。
GeoGebraには,これらを入力するための記号入力パッド(入力バー右)やショートカットがありますが,Cinderellaにはありません。
組み込み演算子
プログラミングにおける演算子と同様です。Cinderellaには階乗 ! と外積(丸で囲まれた×)はありません。
Cinderellaで階乗を計算するには,リスト演算を用いて product(1..n) (nは具体的な数)とします。
Cinderellaで外積を計算するには,関数 cross() を用います。
関係演算には,次のものがあり,両者に共通です。
== 等しい
!= 等しくない
< 小さい
> 大きい
<= 小さいか等しい
>= 大きいか等しい
GeoGebraにある直線の平行・垂直の関係演算はCinderellaにはありません。
Cinderellaには,このほか,
~= ほぼ等しい
などの「ほぼ ~ 」があります。この演算子は,コンピュータの小数計算における誤差を吸収するのに非常に有用です。
論理演算子は,GeoGebraとCinderellaでは異なるところがありますので注意が必要です。