A 作図ツール

GeoGebraの3Dグラフィクスツールで描けることを,Cinderellaではどのようにするかをツールのグループごとに解説しています。ただし,Cinderella単体では空間図形は描けないので,ここではSpaceCindyを用いた場合を単にCinderellaと呼んでいます。

点グループ

GeoGebra

このツールを選んで,グラフィクスビューをクリックするとxy平面上に点がとられます。できた点は「移動」モードで移動できます。点をクリックするたびに,z軸方向とxy方向が切り替わります。

点は,入力バーに A=(1,2,3) のように入力することで作成することもできます。

Cinderella

平面の作図ツールで点を作成し,Cindyscriptで A.xy=map3d(x,y.z) とします。これで点Aは空間座標(x,y,z) に置かれたことになります。

Cinderellaでは,この点をドラッグして空間内を移動することはできません。

または,draw3d(座標)で点を表示します。

オブジェクト上の点

GeoGebra

曲線や平面上に点をとることができます。オブジェクト上に置けるかどうかは,数式ビューで確かめられます。置こうとするオブジェクトの式が背景を塗って表示されます。

この点は曲線や平面上だけを動かすことができます。

Cinderella

Cinderellaにはこの機能はありません。インタラクティブにオブジェクトを空間内を移動させる機能がないからです。

2つのオブジェクトの交点

GeoGebra

たとえば,多角形と直線の交点を作図します。このツールを選択して,多角形と直線を順にクリックすれば交点ができます。

Cinderella

オブジェクトによって,次の関数が用意されています。いずれも交点がない場合は [i,i,i] を返します。i は虚数単位。

関数 interll(座標1, 座標2, 座標3, 座標4)

機能 座標空間において2本の直線の交点の座標を求める

説明 座標1, 座標2を通る直線と,座標3,座標4を通る直線との交点の座標を返す。

関数 interss(座標1, 座標2, 座標3, 座標4)

機能 座標空間において2本の線分の交点の座標を求める

説明 座標1, 座標2を結ぶ線分と,座標3,座標4を結ぶ線分との交点の座標を返す。

関数 interpl(座標1, 座標2, 座標3, 座標4, 座標5)

機能 座標空間において平面と直線の交点の座標を求める

説明 座標1, 座標2, 座標3で決まる平面と,座標4,座標5を通る直線との交点の座標を返す。

関数 interps(座標1, 座標2, 座標3, 座標4, 座標5)

機能 座標空間において平面と線分の交点の座標を求める

説明 座標1, 座標2, 座標3で決まる平面と,座標4,座標5を通る線分との交点の座標を返す。

中点または中心

GeoGebra

2点の中点,2次曲線の中心に点をとります。

Cinderella

2点の中点は普通に計算できます。2次曲線の中心を求めるにはそのためのスクリプトを書く必要があります。

点をつける/外す

GeoGebra

点をドラッグして直線上にのせたり(インシデント)はずしたりが,平面で行うのと同じようにできます。

Cinderella

見かけ上は,点をドラッグして直線上にのせたり(インシデント)はずしたりが,平面で行うのと同じようにできます。ただし,その点の座標を取得することはできません。

直線グループ

2点を通る直線

GeoGebra

グラフィクスビュー上の2点を順にクリックすると,その2点を通る直線が作図されます。

または,入力バーに Line[A,B] を入力します。A,Bは2点の名前または座標です。

Cinderella

平面の作図ツールで2点を結ぶ線分を引けば,見かけはそれが空間でも2点を結ぶ直線になります。

または,関数 line3d(座標1,座標2,options)で2点を通る直線を描きます。

2点を結ぶ線分

GeoGebra

グラフィクスビュー上の2点を順にクリックすると,その2点を通る線分が作図されます。

または,入力バーに Segment[A,B] を入力します。A,Bは2点の名前または座標です。

Cinderella

平面の作図ツールで2点を結ぶ線分を引けば,見かけはそれが空間でも2点を結ぶ直線になります。

または,関数 segment3d(座標1,座標2,options)で2点を通る線分を描きます。

長さを指定した線分

GeoGebra

グラフィクスビューをクリックすると,長さを入力するウィンドウが開きます。長さを入力するとクリックした点からその長さの線分が引かれます。

Cinderella

Cinderellaにはこの機能はありません。

2点を通る半直線

GeoGebra

グラフィクスビュー上の2点を順にクリックすると,その2点を通る半直線が作図されます。

Cinderella

Cinderellaにはこの機能はありません。

2点を結ぶベクトル

GeoGebra

グラフィクスビュー上の2点を順にクリックすると,その2点を通るベクトルが作図されます。

または,入力バーに Vector[A,B] を入力します。A,Bは2点の名前または座標です。

Cinderella

線分を描いて,インスペクタで矢線にします。ただし,ベクトルの成分は取得できません。

arrow3d(座標1,座標2,options)で2点を結ぶ矢線を描くこともできます。

始点を指定したベクトル

GeoGebra

すでに描かれているベクトルと点を選択することで,そのベクトルと同じベクトルがクリックした点を始点として描かれます。

Cinderella

この機能はありません。

折れ線を描く

Cinderella

join3d(座標リスト,options)で,座標リストの各点を折れ線で結びます。

垂線グループ

垂線

GeoGebra

点から直線または平面に垂線を引くことができます。目的のオブジェクトを順にクリックしますが,数式ビューにクリックしようとしているオブジェクトの式がガイドで出ますので簡単にできます。

Cinderella

点から直線下した垂線の足の座標を求める関数があります。平面に関しては単位法線ベクトルを求める関数があります。これらを利用して垂線を引くことができます。

関数 perp(座標1, 座標2, 座標3)

機能 2点を通る直線への垂線の足の座標を求める。

説明 座標1,座標2の2点を通る直線に,座標3の点から下した垂線の足の座標を返す。

関数 normalvec(座標1, 座標2, 座標3)

機能 3点を通る平面の単位法線ベクトルを求める。

説明 座標1,座標2,座標3を通る平面の単位法線ベクトルを求める。

平行線

GeoGebra

ある点を通り直線に平行な直線を引くことができます。

Cinderella

直線上の2点をとれば平行線が引けます。

角の二等分線

GeoGebra

3点または2直線を指定して角の二等分線が引けます。

Cinderella

2直線と角の二等分線は同一平面上にあるので,平面の作図ツールで引いた二等分線がそのまま空間でも二等分線として見ることができます。ただし,その方程式は取得できないので,必要ならば計算することになります。

接線・極線または直径・軌跡

GeoGebra

平面の場合と同様に作図できます。

Cinderella

Cinderellaにはこれらの機能はありません。必要に応じてスクリプトを書きます。

多角形グループ

多角形

GeoGebra

すでに描かれている点を順にクリックすると多角形が描かれます。ただし,4点以上の場合はそれらが同一平面上になければ定義されません。

Cinderella

関数 poly3d(座標リスト,options)で多角形が描かれます。

多角形を色塗りしたい場合は,plate3d(座標リスト,options)を使います。

円グループ

軸と通る点で決まる円

GeoGebra

直線と点をクリックすると,その直線に垂直でその点を通る円が描かれます。

Cinderella

circle3d(中心, 法線ベクトル, 半径,option) で描きます。disc3d(中心, 法線ベクトル, 半径,option)で,面を塗った円盤を描きます。

中心,半径,向きで決まる円

GeoGebra

中心を選択し,半径と向きは入力します。

Cinderella

circle3d(中心, 法線ベクトル, 半径,option) で描きます。

3点を通る円

GeoGebra

3点を選択するとその3点を通る円を描きます。

入力バーで,Circle(点,点,点) としても描けます。点は名前か座標。

Cinderella

直接はできないので,3点から中心の座標と半径,法線ベクトルを求めて,circle3d()を使うことになります。

中心と弧上の2点で決まる円弧

GeoGebra

中心と弧上の2点をクリックすると弧が描かれます。半径は長い方が選択されます。

Cinderella

drawarc3d(中心, 法線ベクトル, 半径, 範囲,option) で描きます。弧だけが描かれます。

3点を通る円弧

GeoGebra

3点を選択するとその3点を通る弧を描きます。

Cinderella

直接はできないので,3点から中心の座標と半径,法線ベクトルを求めて,drawarc3d()を使うことになります。

中心と弧上の2点で決まる扇形

GeoGebra

中心と弧上の2点をクリックすると扇形が描かれます。半径は長い方が選択されます。

Cinderella

Cinderellaには扇形を描く関数は用意されていません。

弧上の3点で決まる扇形

GeoGebra

3点を選択するとその3点を通る弧でできる扇形を描きます。

楕円・双曲線・放物線・5点を通る2次曲線

GeoGebra

焦点と通る点(放物線は準線)を一つ選択すると楕円が描かれます。

Cinderellaには,空間でのこれら2次曲線を描く関数はありません。

曲面の交線

2曲面の交線

GeoGebra

2つの曲面を選択するとその交線を描きます。たとえば、円錐と平面を描いておき,その交線を描くと,交線は2次曲線になります。

Cinderella

Cinderellaには曲面の交線を求める関数はありません。

平面グループ

GeoGebraでは,いくつかの方法で平面を描きます。平面は矩形で描かれ,その表示領域はGeoGebraが決めます。

Cinderellaでは平面をどの範囲で描くかをシステムが決定しないので,これらの関数はありません。

3点を通る平面

3点を選択するとその3点を通る平面を描きます。平面は矩形で描かれます。

平面

平面を決定するいくつかの方法があり,GeoGebraではそのそれぞれで平面を描くことができます。

・3点

・1点とその点を通らない直線

・交わる2直線

・多角形:その多角形を含む平面

直交平面

点を通り,直線に垂直な平面です。

平行平面

点を通り,平面に平行な平面です。

多面体グループ

GeoGebraでは,これらのツールで多面体が描けます。この中にない多面体(正十二面体や一般の多面体)を描くには,頂点を作図して線分で結ぶか,多角形ツールで面を描いていきます。

Cinderellaでは,一般的な多面体を描くには,polyhedron(頂点リスト,面リスト,options) で描きます。面を塗るのであれば fillpolyhedron(頂点リスト,面リスト,options) を用います。色はoptionで設定します。また,convexpolyhedron(ファイル名,倍率,options) により,小林・鈴木・三谷による多面体データ polyhedrons_obj を用いて多面体を描くことができます。たとえば,サッカーボール型の多面体は

setdirectory(”データフォルダのパス”);

convexhedron(”s06.obj”,2,[”Hide=1”,”size=2”]);

で描けます。

角錐

GeoGebra

底面の角頂点と角錐の頂点を選択します。ガイドには「底面の多角形」とありますが,多角形を作図しておく必要はありません。

Cinderella

typyramid(頂点リスト,options) で描きます。面を塗るなら filltrpylamid(頂点リスト,options)

底面が正n角形の場合は pyramid(数,半径1,半径2、高さ,options)で描けます。半径1が底面で,上面の半径2を0にします。

角柱

GeoGebra

底面の角頂点と上面の1点を選択します。

Cinderella

typyramid(頂点リスト,options) で描きます。面を塗るなら filltrpylamid(頂点リスト,options)。頂点リストで底面と上面が同じ多

角形になるようにします。

角錐/円錐に押し出す

GeoGebra

多角形または円を描いておき,これをドラッグすると角錐,円錐を描けます。多角形をクリックしてから高さを入力することもできます。

Cinderella

Cinderellaにはこの機能はありません。

角柱/円錐に押し出す

GeoGebra

多角形または円を描いておき,これをドラッグすると角錐,円錐を描けます。多角形をクリックしてから高さを入力することもできます。

Cinderella

Cinderellaにはこの機能はありません。

円錘

GeoGebra

底面の中心と頂点を選択してから,底面の半径を入力します。

Cinderella

frustum(半径1,半径2,高さ,options)で描きます。半径1が底面,半径2が上面で,半径2が0なら円錐です。

面に色を塗るなら,fillfrunstum(半径1,半径2,高さ,options) を用います。

円柱

GeoGebra

底面と上面の2点を選んで半径を入力します。底面と上面は選ばれた2点を結ぶ直線に垂直になります。

Cinderella

frustum(半径1,半径2,高さ,options)で描きます。半径1と半径2が同じなら円柱です。

四面体

GeoGebra

ツール名は「四面体」ですが,2点を選択するとその2点を1辺とする正四面体を描きます。

Cinderella

正多面体を描く rpolyhedron(面数,半径,options) を使います。指定された半径の球面に内接する正多面体が描かれます。

立方体

GeoGebra

2点を選択するとその2点を1辺とする立方体を描きます。

Cinderella

正多面体を描く rpolyhedron(面数,半径,options) を使います。指定された半径の球面に内接する正多面体が描かれます。

展開図

多面体の展開図を描きます。

GeoGebra

多面体を選択します。

Cinderella

Cinderellaにはこの機能はありません。

角錐台,円錐台

Cinderella

typyramid(頂点リスト,options) ,frustum(半径1,半径2,高さ,options) で描きます。正角錐台なら pyramid(数,半径1,半径2,options)です。面を塗るなら,それぞれ fill を先頭につけます。

球面グループ

中心と通る点で決まる球面

GeoGebra

中心と通る点をクリックすると球面が描かれます。点が描かれていない場合は,始めにクリックした点が中心になり,2番目にクリックした点で半径が決まります。ともにxy平面上の点です。

Cinderella

drawsphere(中心,半径,options)で描きます。経緯線の入った球面が描かれます。GeoGebraのような球面を描くにはCindy3Dを用います。

中心と半径で決まる球面

GeoGebra

中心をクリックし,半径を入力します。

Cinderella

drawsphere(中心,半径,options)で描きます。

計測グループ

角度

GeoGebra

3点または2直線を選択して角度を計測します。

Cinderella

angle3pt(A,B,C)で∠A,B,C が求められます。

距離または長さ

GeoGebra

2点または線分を選択すると2点間の距離を計測します。多面体・円を選択すると外周を計測します。

面積

GeoGebra

多角形・円・2次曲線を選択すると面積を計測します。

Cinderella

Cinderellaには面積を計測する関数はありません。

体積

GeoGebra

立体を選択すると体積を計測します。

Cinderella

Cinderellaには体積を計測する関数はありません。

鏡映グループ

平面に関する鏡映

GeoGebra

オブジェクト,平面(多角形)の順に選択するとオブジェクトの鏡映を作ります。オブジェクトは点に限りません。

Cinderella

reflectpoint(座標,リスト)で第1引数の点に対し,第2引数の3点のリストで与えられた平面に関する鏡像が得られます。

reflection(リスト,リスト)で,第1引数のリストで与えられたプロットデータに対し,第2引数の3点のリストで与えられた平面に関する鏡像が得られます。

直線に関する鏡映

GeoGebra

オブジェクト,直線の順に選択するとオブジェクトの鏡映を作ります。

Cinderella

reflectpoint(座標,リスト)で第1引数の点に対し,第2引数の2点のリストで与えられた直線に関する鏡像が得られます。

reflection(リスト,リスト)で,第1引数のリストで与えられたプロットデータに対し,第2引数の2点のリストで与えられた直線に関する鏡像が得られます。

点に関する鏡映

GeoGebra

オブジェクト,点の順に選択するとオブジェクトの鏡映を作ります。

Cinderella

reflectpoint(座標,リスト)で第1引数の点に対し,第2引数で与えられた点に関する鏡像が得られます。

reflection(リスト,リスト)で,第1引数のリストで与えられたプロットデータに対し,第2引数で与えられた点に関する鏡像が得られます。

直線のまわりに回転

GeoGebra

オブジェクト,点の順に選択して回転角を入力します。

Cinderella

rotate3d(座標,角リスト)で回転をします。角リストは,x軸まわり,y軸まわり,z軸まわりの回転角のリストです。

ベクトルに沿ってオブジェクトを平行移動

GeoGebra

オブジェクト,ベクトルの順に選択して平行移動します。

Cinderella

transfer3d(リスト,移動リスト) で,第1引数のプロットデータを第2引数の[x,y,z]だけ平行移動します。

なお, Cinderellaでは,作図関数のオプションにも鏡映や回転・平行移動があります。鏡映では1点を与えるとその点に関する鏡映,2点では直線に関する鏡映,3点では平面に関する鏡映になります。

倍率と中心点を指定してオブジェクトを拡大

オブジェクト,中心点の順に選択すると,倍率を入力するウィンドウが開きます。

Cinderellaにはこの機能はありません。

テキスト

テキストの挿入

文字列を画面に表示します。GeoGebra,Cinderellaとも,空間内に文字を描くわけではないので,図を回転しても文字列は移動しません。

GeoGebra

グラフィクスビュー上をクリックして文字列を入力します。

Cinderella

平面の「文字を追加する」ツールを選び,グラフィックスビュー上でクリックして文字列を入力します。この文字列は,図を回転しても移動しません。

letter3d(リスト)を用いると,空間座標で指定した位置に文字列を表示します。この文字列は図の回転とともに位置を移動します。向きは正面のままです。

グラフィクスビュー

3Dグラフィクスビューを回転する

GeoGebra

ドラッグにより軸のまわりに図を回転します。このツールをクリックしなくても,「移動」ツールで標準的に同じことができます。

Cinderella

画面左にある円形スライダで軸のまわりに図を回転します。

グラフィクスビューの移動

GeoGebra

ドラッグして原点を移動します。

Cinderella

画面下の「平行移動」ツールで原点を移動します。

ズームイン/ズームアウト

GeoGebra

画面上でクリックすると一定の比率でズームイン/ズームアウトします。マウスホイールやトラックパッドのスワイプでもズームイン/ズームアウトできます。

Cinderella

画面下のズームイン/ズームアウトツールを使います。マウスホイールやトラックパッドのスワイプでもズームイン/ズームアウトできます。

オブジェクトの表示/非表示

GeoGebra

選択したオブジェクトを非表示にします。

Cinderella

図形ツールで描いた点や線はインスペクタで非表示にできます。関数で描いた図は非表示にはできません。

ラベルの表示/非表示

GeoGebra

オブジェクトをクリックするとラベルの表示/非表示を切り換えます。

Cinderella

図形ツールで描いた点や線のラベルはインスペクタで非表示にできます。

表示スタイルのコピー

GeoGebra

オブジェクト間でスタイルのコピーができます。

Cinderella

スタイルのコピーはできません。個々に設定します。

削除

GeoGebra

このツールを選択してオブジェクトをクリックすると削除されます。このツールを選択しなくても,オブジェクトを選択してDeleteキーで削除できます。

Cinderella

作図ツールで描いた幾何要素は,削除ツールで削除できます。

ビューを揃える

GeoGebra

各軸の方向から見た図にします。

Cinderella

Cinderellaにはこの機能はありません。