D スライダとアニメーション

GeoGebraやCinderellaのような,インタラクティブなソフトでは,スライダは基本的かつ重要なアイテムといえるでしょう。

GeoGebraではスライダはツールとして用意されています。Cinderellaでは作図とCindyscriptで作成します。

GeoGebraのスライダツール

右から2番目のツールボックスにスライダーツールがあります。これを選んで,グラフィクスビューのどこかでクリックするとダイアログが出てスライダの設定ができます。次の図はスライダで角度を設定するものです。

できたスライダーの位置を変えるには,右クリックしてプロパティを開き,プレファレンスでスライダの「固定された」チェックを外します。このプレファレンスで縦横,幅なども変えられます。

Cinderellaでのスライダ

Cinderellaでは,次の手順でスライダを作ります。

(1) 作図ツールで線分を作り,その上に点を置く。

(2) Cindyscriptで点の位置から値を取得するスクリプトを書く。

さらに,インスペクタで点の色や大きさを変え,点A,Bが動かないように留め,rの値を表示するようにすれば次のようになります。

スライダそのものは幾何要素なので,長さや位置は自由に変えられますし,斜めに置くこともできます。

角度のスライダ

GeoGebraでは前述のように,はじめに出る設定ウィンドウもしくは,右クリックしてプロパティを開いて出るプレファレンスの「基本」タグで,スライダで数値を取得するか角度を取得するかを選択できます。

Cinderellaでは,角度をコントロールするのに,円を使って円形スライダにすることもできます。

点Bの位置で決まる角度を取得する方法はいくつかあります。

(1) 円周上の点の属性 angle を使う th=B.angle 範囲は 0~2pi

(2) arctan2() を使う th=arctan2(B.xy-A.xy) 範囲は -pi〜pi

(3) 角CABを作図ツールで計測し,そのオブジェクトを使う。

オブジェクトの識別名がα0のとき th=α0 範囲は一般角

(3) の方法は,三角関数のグラフを動的に描くときに便利です。

アニメーション

GeoGebraでのアニメーションは,スライダを自動的に変化させることで行います。

Cinderellaでは,アニメーションのツールを使うか,Cindyscriptでコンピュータの内部時計を取得して動かします。たとえば,円と円周上の点,円の外部の点と円周上の点の中点を作図し,アニメーションツールを選んで,ガイドに従って円周上の点をクリックすると,左下にコントローラができます。プレイボタンを押せば円周上の点が動き,同時に中点も動くアニメーションができます。

簡単なものでは両者にそれほど違いはありませんが,場合によっては結果が異なることがあります。GeoGebraとCinderellaのアニメーションの作り方とその違いについては,「04 実例」の「H01 4節リンク機構」に例示しましたのでごらんください。