C03 アポロニウスの円
定点AとBからの距離の比が一定である点の軌跡です。高校の教科書にも例題として載っている、有名な軌跡です。
「GeoGebra日本」の「GeoGebra実例」ー「C03 アポロニウスの円」のページでは,比をスライダで決め,2点からの円の交点の軌跡としてアポロニウス円を描いています。
この2つの円の半径は,半直線上のスライダで決め,このスライダ上の点Eを駆動点としています。半径をEのx座標 x(E) として円を定義しているのですが,Cinderellaの作図ツールでは円の半径を動的に決めることはできませんので,
Cindyscriptで円の半径を決めます。Cが比を決めるスライダ上の点,Fが半径を決めるスライダ上の点Fのとき
a=C.x/2;
C0.radius=F.x;
C1.radius=a*F.x
としますが,このようにすると「軌跡」ツールで軌跡を描くことはできません。
交点の足跡(残像)を表示すれば次のようになります。
原理としては正しいのですが,あまりきれいではありません。
アポロニウス円は,2点を結ぶ線分をその比に内分する点と外分する点を直径の両端とする円です。そこで,この2つの点をCindyscriptで計算して円を描けばきれいにできます。
まず,材料として,比の値を決めるスライダを2つ( 1:a とせず,a:b とします),定点を2つ,内分点と外分点を2つとります。内分点と外分点の座標は後で決めますので適当な場所にとればよいでしょう。
つぎに,内分点と外分点の中点をとり,これを中心として円を描きます。
円周上に点をとり,2つの定点と結んだ線分も描いておきましょう。
Cindyscriptで,内分点K,外分点Lの位置を決めます。
a=|A,E|;
b=|C,F|;
drawtext(E.xy-[0.5,1],"a="+a);
drawtext(F.xy-[0.5,1],"b="+b);
K.xy=(b*H.xy+a*G.xy)/(a+b);
L.xy=(-b*H.xy+a*G.xy)/(a-b);
Shift+Enter で実行すれば,K,Lの位置が決まります。スライダで比を変えてみましょう。
また,円周上の点Nを動かして2定点からの距離も見ることもできます。