非売品です。TVのながら視聴と2chやtwitterのリアルタイムなメッセージの融合により新しいながらスタイルを提案する製品?単なる表示機じゃないんですよ。新しい生活スタイルを提案するものです。”でも”私は単なる表示機として使わせてもらっています。すいません。
その目的は、K4-GPセパンでのドライバーへの情報伝達。レースにおけるドライバーとの意思疎通はピットサインが基本なのですが、何しろ24時間のレースは長い。暑い。ピット側でサインガードに陣取ってサインを送るのも大変なのです。
二年前の2009のときはwifi無線を使ってメッセージを送るシステムを使用し、大幅にピット側の労力の軽減ができました。しかし、PCを車両に積むために車両内の取り回しも大変で、機器の設定やらで人員が必要だったりちょっとレースに集中しずらい状況でした。2011年は、流行のtwitterを利用してメッセージのやり取りを行う案が早い時期から提案され、実現方法を検討しました。
twitterを利用することにより、遠隔地からのドライバーにメッセージを送ることができます。これは平行して準備をしている車載からのUstreamを利用した映像配信との組み合わせも考えてのことです。しかし、PCは積みたくない。PDAでは表示が小さいし、昼間の明るさでの視認性が悪い。タブレット形のandorid端末なぁと考えていたところに目に止まったのがanobarです。
この製品は、単なる表示機ではなく最初に述べたように新しい生活スタイル、TVとインターネットの融合を目指したものだと解釈しましたが、それはちょっと脇にして。
セパンに出発する4日前の日曜日に物が二台届きました。空けてみると結構でかい。車内にどう固定するか苦労しそうです。表示は明るくて見やすい。まぁ、昼間の日光を直接浴びたら見えなくなるでしょうがちょっと日除けをつければ昼間でも使えそうです。電源は12V3A。車両からの12V直接食わすと問題が起こりそうなので、大昔のカーナビ用に使っていたDCDCを経由する予定。
設定としては、2chの実況チャンネルを中心にtwitterなどの表示が割り込んでくるのが本来の想定された使い方のようですが、twitter関連だけを表示する設定に。twitterの表示方法としてはTLを表示する画面とハッシュタグなどの検索結果をリアルタイムに表示するものがあります。twitterの使われ方としてはハッシュタグで表示かなぁと思ったのですが、リアルタイム表示は一回しか表示されません。これではドライバーが見落とす可能性が高いので、mention表示を現在は考えています。
もう一台は車載用の予備機ですが、ピットに置いてハッシュタグ"#k4gp","#k4gp205"の表示に使う予定です。
6日、webから入力したハッシュタグを赤外線リモコンから有効にできない。分速表示が止められない。
7日、分速の非表示オプションを追加してもらった。webからハッシュタグの有効設定をできるようにしてもらったら、メッセージを拾ってくれない??
8日、新しいTLが表示されない。いつまでも3時間前のまま。時報が表示される条件も問い合わせ中。
時差を修正するオプションも追加してもらった
さて、現地に到着しレース前日にコンテナから荷物を降ろし、昼から取り付け作業です。心配していた取り付け作業は、助手席のインパネの上に予想以上に良い感じで取り付けることができました。左側はロールケージに縛りつけ、右側は水温計などのメーターを取り付ける台をうまく加工して円形の取り付け金具を作って固定しました。
電源も、家に転がっていた古いSONYのポータブルカーナビ用の電源アダプタが電圧、容量ともにちょうど良く。12V直結よりは安定して動作したと思います。表示の明るさも昼間でもちゃんと読み取れます、夜間明るすぎるかなと思いましたが自動調整機能が働いて問題ありませんでした。
回線は、IDEOSに現地celecomのプリペイドSIMを刺しlaproidというラップタイムと現在位置をリアルタイムに伝えるアプリケーションを動作させた上でデザリング機能を有効にしanobarへの通信もサービスします。3Gなのでそれほど通信速度は速くなく速度測定では上り下りともに100Kbps程度ですが足りるでしょう。
結局設定は一番単純な「サイン」機能を使いました。twitterのタイムライン表示でmentionされた最新三つのメッセージがリピートで流れ、それにハッシュタグで指定したメッセージが割り込むことを考えていたので、外部へのアナウンス文面なども修正してもらいました。
練習走行は順調に終了しましたが、私がドライバーで決勝がスタートしても全く同じメッセージが出ています。走行を終えてピットに戻って確認してみると、もう一台のanodarの管理画面に一生懸命メッセージを打ち込んでいました。異なるブラウザで使い分けていたのですが、どこかで間違ってしまったようです。
その後順調に動作し、表示される遅れは5秒ほどなのですがlaproidでコース上のどの位置を走っているかが把握できることもあり、ピットインの支持なども的確なタイミングで送ることができたと思います。
トラブルは、電源が抜けてしまうのが三回。ちゃんと電源ケーブルを固定していないのが敗因です。一度電源が切れてリセットされてしまうと「サイン」の表示にするために赤外線リモコンを表示の切り替えをしなければいけないのがちょっと面倒。まぁ、電源が切れなければこの問題も生じないのですけど。
特に夜間はこのシステムはとっても目立つので他のチームからも注目の的。見るからに重くて電気を喰いそうなので本気組は冷ややかに見ていたかも知れませんが、多くの人が面白がって色々質問されました。
もっと、製品の特徴を生かした使い方をしたかった。2chに実況板でも作ればよかったのかなぁ?ドライバーからのレスポンスの仕組みがやっぱり必要。anobarで「まだ燃料があったらメインストレートでウィンカーを出して」とかやりましたのでそれはそれで面白いのだけども、ドライバーからYES/NO程度のレスポンスは欲しい。2009年には実現できていましたしね。
無線機も一応積んだのですが、ヘルメットに付けるマイクがそろっていなくて一部のドライバーだけだし。付けたドライバーもコネクタが抜けやすくてあまり使えませんでした。