らいおんスクエア
Lion Square
ちょっと手の込んだカドゲ探してる人向けのゲームです。
20点からスタートして、3ラウンド行って、最も点数が残っていれば勝ちます。
プレイ自体は、全員で3x3枚にカードを1枚ずつ出します。
9枚埋まったら、自分の側3枚が、その額面分、失点となります。 ※イラスト3
もちろん、それだと出したもん勝ちになるので、「1列を引き取る」というアクションがあります。
ただ、引き取ったカードは2枚でー1点です。
また、カードは「すでに出されたカードと同じ色」のカードを「隣接して」出さなければなりません。
これをうまく使って、相手に引き取らせます。
で、このゲームには考えるコツがあって、「四隅の角のカード」は、隣のプレイヤーと共通となります。
ここに「仲良いカードを出すと」うまく終了へ向かうかもしれません。
カードの1手1手に意思が出るゲームです。列を取らせたいプレイ、終わらせたいプレイなど、思惑が見えるゲームです。
困ってる人を見るのが楽しい、切り抜けるともっと楽しいカードゲームです。
発売日
2023/12/09(土)-10(日)ゲームマーケット2023秋
元のゲームの概要を読んだ、ゲームマーケット2022秋のちょっと前、「これは面白そうだ」と思ったことから始まります。
実際、ゲームを買ってきて遊んだんですが、なんと1回目はルールを間違って遊んだというね。すみません。
でもそのおかげで、面白かったと思えたので、今回の出版につながりました。出版を快諾頂き、O2TY様、ありがとうございます。
今回は、出せることになってからのディベロップの話を書きます。
とはいえ、今回は割とパラメーターを変更することが多く、それらへのテスト、検証に多くを費やしました。
まず、カードの数字についてです。
手札が1~3の数字で、このゲームではそれがそのまま失点につながります。
ここでよくゲームデザイナーが当たって検討しなければならない、「1のカードの3倍の強さを持っているカードが3のカードだけど、バランスは大丈夫か?」にぶち当たります。
数字がそのまま減点や得点につながるゲームで、1のカードというのは非常に厄介で、ほかのカードから見ると圧倒的に弱くなってしまい、ゲームバランスを著しく壊してしまうことがあります。
そのため、1のカードの採用は慎重にしなければなりません。
また、特に上限が小さい、このゲームのように3だとゲーム上のバランスでは重要性が非常に増します。
そんな訳で、数字の検証から始めます。
検証って何するの? とお思いかもしれませんが、基本的に「計算」です。もちろん、テストプレイをして考えてもいいんですが、時間もかかるし、何より、テストプレイの結果、やっぱり数字が悪かったね、となると、「計算で出せたじゃん」ってなるので、計算で出します。
1人回しでもいいので、シミュレートして、最大減点と最小限点を比べて、その数字の関与を見ます。
できる人なら数式を作って出すことができます。
私みたいな、似非理系を地でいっているような人は、いくつかの例を持って、その分布を見ます。具体的に言うと、一人回しで複数回試すのです。
それで、今回の3つの数字になるまで、大体10通りぐらい試します。割と時間食うんですけどね。
その中で大体の数式らしきものが出てくるので、それを再検証した結果、最初にあった、1~3でよいことがわかります。
もちろん、これで確定させてもいいし、テストプレイでの検証を1回ぐらいかましてもいいかもしれません。私は今後のこともあるので、1回だけ、可能性のある数字セットで試しました。(1~3ではありません)
こちらと同様に検証するのが、カードの色数です。
今回のゲームでは、カードの種類数が割と重要で、4~7種類での検証をしています。
色が多いとどうなるか、逆に少ないとどうなるか。ゲームの面白さ、バランスとしては何色がいいのか、という点です。
結果、原作は6色でしたが、5色になりました。手札の総枚数、ラウンド数、プレイ時間などからの逆算も含めた結果です。
次にルールの構築です。
先のルールミスによるルール、をベースに、追加や変更を考えます。
この時、追加カードが欲しかったので、いくつか案を出し、比較検討を行い、絞っていきました。それが今回のガゼルカードです。
こうしていったん仮組をしたら、テストプレイの開始です。
結果としては、「得点が少し正しくなさそう」ということもあり、分かりにくいのですが、引き取ったカード2枚でー1点となりました。
正直、直感的ではないので、好きではないのですが、引き取るアクションの面白さと比較して、この数字で落ち着きました。
今回は、リメイクがベースとなっているため、構築の多くを行う必要がなく、検証や調整がメインとなりましたが、割と多岐にわたる部分で時間をかけた感じです。