2023/01/15
当講座の俵藤先生の学位審査会が2023/01/11に開催されました.
俵藤先生はp53というがん抑制遺伝子のもつ変異スペクトラムについて解析を進めております.この遺伝子の本来の機能は細胞増殖シグナルの抑制効果にあります.俵藤先生は口腔扁平上皮癌について,p53遺伝子のDNA配列とその変異について網羅的に解析し,変異のタイプによって個々のがんの予後に差があることを示しました.われわれはこの遺伝子の変異によって,細胞増殖を強く抑制できているか,あるいは全く抑制できない,逆に細胞増殖を強く活性化する,などの現象が様々な効率で起こりうると考えており,p 53遺伝子に関して”変異スペクトラム”という概念を提唱しています.
当日の審査会では主査,副査の先生方から,たくさんのご指摘・ご質問を受けましたが,俵藤先生の適格な応答が認められ,みごと学位審査通過となりました.
この研究は,当科とも関わりの深い,愛媛大学医学部口腔顎顔面外科学講座(主任教授 内田大亮教授)との共同研究として行われました.