論文16 サムソンの物語から

現代のエホバの業の進展を洞察する


これらの事は象徴的な劇となっています。

ガラテア4:24

 2012/11/21


⑯-1聖書の物語には預言的な意味がありますが、サムソンの物語は現代のエホバの業を年表のようにまとめた興味深い仕方で成就しています。今までの論文では、①神の組織と②サタンの世に関する預言的な今後の進展について説明してきました。では、それらと比較しつつ、このサムソンの物語の預言的な意義を考察してみましょう。


⑯-2まず、大きく分けると、裁き人13、14章は今日の神権組織内での出来事を扱っています。15章は世界の出来事です。しかし、これらは別個ではなく、一連の出来事を預言的に示しています。まず、最初に神の家の裁きがあり、その後、サタンの世に対する裁きがあるからです。また、16章は別個で、終わりの日における油そそがれた統治体の活動を示しています。


重要なのはサムソンがイエス・キリストを預言的に示しているということです。しかし、イエスは様々な人や組織を動かして世界の物事を進展させてゆかれます。ですから、サムソンが行なったことを目に見える形で実際に行なうのはイエスが動かす人や組織です。では、その点を留意して読み解いてみましょう。


サムソンの物語の預言的な意義を考察する


裁13-14章=神権組織内の出来事

裁15章=世界の出来事

裁16章=終わりの日における油注がれた統治体の活動



今日におけるサムソンの物語の成就


⑯-3裁13章。まず、マノアとその妻にみ使いが現われ、生まれてくる子供についての指示を与えました。今後、誕生する特筆すべき子供とは、新しい地を受け継ぐ後継者であるヤコブ級のことです。間もなくイエスはこのヤコブ級を伴って世界本部を検分するために来られるのです。しかし、その情報は前もって現代のエリヤによって伝えられることになっています。(論文05、06を参照)。


マノアとその妻=統治体

生まれてくる赤子=ヤコブ級


新しい指導者であるヤコブ級が登場することは、

前もって統治体に知らされる。


⑯-4裁14章。サムソンはライオンを引き裂き、後日そこから蜜を見出しました。ライオンとはサタンのことです。それと関連するのは、イサクの子ヤコブがみ使いと組打ちをした出来事です。(創世記32:24‐32)。しかし、ヤコブ級はエホバの忠実なみ使いと戦うのではなく、闇の世の支配者たちである悪霊たちと霊的な戦いをします。(エフェソス6:12)。その結果、ライオンは引き裂かれます。つまり世界強国の背後にいる悪霊たちの腹の中つまり実体はより明らかにされます。(論文02と15を参照)。


女とその胤の実体はすでに20世紀の油そそがれたクリスチャンが明らかにしてきましたが、蛇とその胤の実体については、ほかの羊の大群衆から出るヤコブ級がさらにより詳しく明らかにするのです。つまり、前者は天に属する事柄なので天的級が解明し、後者は地に下ってきた者たちとその支配下の地に関する事柄なので地的級が解明するのはふさわしいことです。そして、それらの実体を聖書の預言的な物語に照らして考察することで、今後のエホバの業の進展が明らかになります。ですから、蛇とその胤の実体の解明に伴って預言の理解はいっそう明らかになりました。つまり、ライオンを引き裂いて、蜜を得ました。この蜜を得た点は、ヤコブ級を表わすヨナタンが蜜を得たことによっても予表されていることを論文14の14節で述べました。


サムソン=ヤコブ級

ライオン=サタン、悪霊たちの組織


ヤコブ級は、

悪霊たちの組織(ライオン)の中身を

いよいよ明らかにすることにより、

聖書預言に関する理解(蜜)を得る。


⑯-5その後、サムソンは花婿付き添い人になぞをかけました。しかし、彼らにはそれが解けませんでした。それで、サムソンの嫁がそれを聞き出し、その秘密をばらします。この花嫁と花婿付き添い人はイエスを裏切る人々です。ですから、彼らはエホバの組織内から生じます。しかし、私たちすべてはエホバとイエスに忠実を保てますように。ところで、その裏切る人々はサムエル第一2‐4章の祭司エリと二人の息子たちによっても示されています。彼らは警告を受けなかったわけではないでしょう。しかし、彼らはそれに注意を払いませんでした。結局、二人の息子は同時に死に、エリも席から落ちて死にます。つまり、裏切る人々はエホバの組織から追放されます。しかし、彼らのせいでエホバの契約の箱は敵に奪い取られてしまいます。つまり、裏切り者は預言者バラム、アヒトフェル、ユダ・イスカリオテのように行動し、エホバの組織を中傷し、忠実な者たちを敵に売ると思われます。その結果、統治体の忠実な成員はアメリカ政府から逮捕されることでしょう。それは、16章の七房の編み髪を剃り落とされた時のことによっても示されています。この七房の編み髪は会衆の頭であるイエスに堅く付き従う油そそがれた統治体です。(論文07の9、12節を参照)。


花婿サムソン=主イエス

花嫁と花婿付添い人=組織内の不忠実な者たち

         =祭司エリとその息子たち

         =預言者バラム、アヒトフェル、ユダ・イスカリオテ

組織内から裏切る者が生じる。


⑯-6裁15:1‐5。ここからは、世界の出来事です。イエスが動かすのはヤコブ級だけであるとは限りません。では、注意深く読み解きましょう。結局、花嫁は他の人のものとなりました。つまり、イエスは裏切られます。その結果、サムソンは300匹のきつねを用いて仕返しをします。その結果、フィリスティアは大損害を被ります。同じく、サムエル第一5章にもあるとおり、敵は契約の箱を奪ったものの、そのおかげでフィリスティア人は大損害を被ります。ダゴンは平伏し、人々は痔で打たれます。また、裁き人16章でもやはり、敵はサムソンを捕らえはしますが、その結果、ダゴンの神殿は破壊され、フィリスティア人は大損害を被りました。この契約の箱と捕らえられたサムソンが神とキリストを地上で代表している統治体であると言えます。ですから、アメリカ政府は統治体を逮捕しますが、その後でアメリカは大損害を被ります。


捕らわれたサムソン=逮捕される統治体

         =奪われた契約の箱


アメリカ政府は統治体を逮捕するものの、

そのために大損害が生じる。


⑯-7裁15:6。300匹のきつねによる災いの結果、フィリスティア人は怒り、その原因を探します。結局、サムソンの嫁とその家のせいだと結論し、彼らを火で焼きました。これはイエスを裏切った花嫁級とその父の家、つまり偽りの宗教全体が完全に滅ぼされることを意味しています。(啓示17:16)。


サムソン(主イエス)を裏切った者たちが焼かれる

=大いなるバビロンの滅び


⑯-8裁15:7、8。それに対して、サムソンはフィリスティア人に復しゅうします。つまり、偽りの宗教を滅ぼすのはアメリカであり、それに恨みを抱いていた中国がアメリカに報復の戦争を行ないます。これは、裁き人19、20章の出来事です。(論文03の8から10節を参照。)


サムソン=北の王中国


北の王中国は、

大いなるバビロンを滅ぼした

アメリカに報復する。


⑯-9裁15:9‐20。サムソンはエタムの大岩に隠れます。そして、フィリスティア人はサムソンを捕らえに来て、レヒを踏みにじります。ですから、アメリカが滅んだ後、中国は圧政的な支配を行なうでしょう。これは啓示16章の第四の鉢による災いです。(論文04を参照)。太陽は人々を焦がします。ですから、大群衆はしばらく隠れて地下活動するようになるでしょう。しかし、最後にサムソンは雄ろばのあご骨をもってフィリスティア人を打ちます。つまり、イエスは雌ろばの子なるヤコブ級のあご骨つまり口を用いて大々的な警告の業を行ないます。それは啓示16章の第五の鉢の災いと一致しています。サタンの世はその偽りを暴露されます。そして、ハルマゲドンによってキリスト・イエスは諸国民すべてを滅ぼすでしょう。その後に、大群衆は命の水を飲んで生気づくでしょう。


アメリカ壊滅後、

中国は圧政的な支配を行なう。

(飢きんの七年)。


ろばのあご骨=ヤコブ級

      =雌ろばの子


禁令下で、ヤコブ級と大群衆は

大々的な警告の業を敢行する。


ハルマゲドンの戦いの後、

大群衆は命の水を飲んで生気づく。


⑯-10裁16章は終わりの日における油そそがれた統治体の活動です。これは、13‐15章と一部重複しています。成就の詳細は説明しませんが、表を参考にして、ご自分で確認してみてください。