論文01 人の子のしるしはどのように現れるか 


「またその時、人の子のしるしが天に現われます。

…彼らは、人の子が力と大いなる栄光を伴い、

天の雲に乗って来るのを見るでしょう。」

マタイ24:30

 

2012/03/14 


①‐1.イエスは、神とキリストに従わない心のかたくなな人たちに臨むことになっている裁きの最高潮について上のように述べました。

 

しかし、それは具体的にどのような状況なのでしょうか。また、その裁きに至るまでにはどのようなことが起きるのでしょうか。

 

それを正確に理解しておくなら、今後私たちが行なうべき事柄もおのずと明らかになるでしょう。  


「人の子のしるし」とは? 

その時、何が起きるのか?

 


 

①‐2.ところで、この人の子のしるしは「天に現われる」ことになっています。かつ、それは「地のすべての部族」に見えます。つまり、このしるしは地球の上空に生じ、かつ世界中で観察が可能であるということです。


ということは、それは地球の上空の周囲一帯に何かが生じるか、あるいは地球の上空を何かが周回することと何らかの関係があることになるでしょう。


ところで、そのような状況から連想できる聖書物語がありますか。あります。それは、ヨシュアとイスラエル軍がエリコを周回したヨシュア6章の物語です。

 

「人の子のしるし」は天に現れる。 

かつ世界中で観察が可能。


つまり、 

地球上空を何かが覆うか

周回することを意味。


その状況は、イスラエル軍が

エリコを周回した物語と似ている。



①‐3.この物語の中のヨシュアはイエス・キリストを預言的に示しています。そして、それに従うイスラエル軍は霊的イスラエルで、契約の箱を担ぐ祭司たちも祭司級の復活した油そそがれたクリスチャンを的確に表わしています。


ところで、その時エリコの人々はどう感じていましたか。その点についてエリコのラハブは斥候たちにこう証言しました。「その事について聞くと、わたしたちの心は溶けてゆき、あなた方のゆえにだれもいまだ霊を奮い立たせていません」。


そして、その斥候たちはヨシュアにこう報告しました。「エホバはその全土をわたしたちの手にお与えになりました。そのため、その地に住むすべての民はわたしたちのゆえに意気をくじかれてもいます」。(ヨシュア2:11、24) 


これは、イエスが予告していた次の諸国民の心境と一致しています。「地のすべての部族は嘆きのあまり身を打ちたた(くでしょう)」。「同時に人々は、人の住む地に臨もうとしている事柄への恐れと予想から気を失います」。(マタイ24:30、ルカ21:26) 

 

検証:以下にその類似点を挙げる。


ヨシュアイエス・キリスト


イスラエル軍霊的イスラエル

祭司たち祭司級

(いずれも14万4000人のこと)


エリコの人々の絶望的な心境は、

イエスが預言した

終わりの日の諸国民と同じ。

エリコの人々諸国民) 


 


①‐4.では、この諸国民でさえも明らかに識別できる「しるし」とは何ですか。ヨシュアとイスラエル軍はエリコの周りを七日間行進しました。 

 

ですから、これは諸国民の住む地、つまり地球の周りを何かが周回するということを意味しています。それは、何でしょうか。

 

ダニエルはその2章の巨大な像の夢に関する記述の中で、「ついにひとつの石が人手によらずに切り出され、それが像の鉄と成形した粘土とでできた足のところを打って、これを砕きました」と述べています。(ダニエル2:34) 

 

そして、この石によりエホバ神は「すべての王国を打ち砕いて終わらせる」のです。これは、「それらの王たちの日」に、つまり現在の事物の体制の終わりの日に生じます。(ダニエル2:44) 

 

ですから、これらを考え合わせると、そのしるしは人手によらずに切り出される巨大な石、つまり隕石であり、それが七日間地球を周回し、その後衝突して諸国民すべてが滅びるほどの影響を与えると結論できます。

 

「人の子のしるし」巨大隕石!




①‐5.もしそうである場合、ヨシュアの行進の一日目から六日目は一日一周ずつでしたから、最初の六日間は同じ方向から飛来してくる隕石を地球の自転によって観察することになるでしょう。

 

そして、七日目には七回周回しました。ですから、七日目にはいよいよ地球の引力圏内に突入し、さらには大気圏に突入すると大気との摩擦で光り輝きながら、隕石はものすごい勢いで地球を周回し始めるでしょう。

 

その速さは地球の上空を一日以内に七周も飛行できるほどです。それは、凄まじい轟音と衝撃波を生じさせながら超音速で飛行するので、たとえ目をつぶっていてもその大きな音と空気の激しい振動によってその存在を無視することのできる人はだれもいないでしょう。これは、祭司たちが吹き鳴らした角笛の音によって的確に表現されています。

 

最後に、イスラエル軍はときの声を上げ、そしてエリコの城壁は崩れ落ちました。それと同じように、隕石が衝突する寸前にはジェット戦闘機のように高い音をたてながら落ちてゆき、そして地表に衝突するでしょう。

 

その時のことについて、ペテロはこう言いました。「そのとき天は鋭い音とともに過ぎ去り、諸要素は極度に熱して溶解し、地とその中の業とはあらわにされるでしょう」。(ペテロ第二3:10) そのようにして、サタンの事物の体制はエリコの城壁のごとくに崩壊するのです。


隕石は七日かけて地球に近づき、

七日目には七回周回して衝突。

イスラエル軍巨大隕石


祭司の角笛隕石の轟音と衝撃波

軍隊のときの声隕石の落下音


サタンの体制は

エリコの城壁のごとく崩壊する。

エリコの城壁サタンの体制


 


①‐6.ところで、もしこの巨大な隕石が海に落ちた場合、海の水が蒸発し、また津波のようになって一時的に退くことによって、それまで海底にかかっていた水圧が一気に取り除かれます。すると、何が起きますか。

 

ご存知のように、今の地上の水はノアの大洪水の時に天から降り注いだものです。その水があまりに大量だったので海底には水の重みが加わって亀裂が生じ、その力が地表を動かして、洪水以前よりも山々が隆起して高くなったのです。

 

その点を「聖書に対する洞察」の「大洪水」の項ではこう説明しています。


「『水の深みの泉』と「天の水門」が突然に開かれたため、莫大な量の水が地球にあふれました。(創7:11) このことによって、地表には激変が生じたかもしれません。

 

地殻は比較的薄く、・・・かなり可塑性のある塊の上に広がっています。したがって、水の重みが加わった時、地殻には大変動が起きたと考えられます。やがて新しい山が隆起し、古い山が高度を増し、浅い海盆が沈降し、新しい海岸線が形成されたのかもしれません」。


(引用終わり)。

 

ですから、その水の重みが急に取り除かれた時の反動で生じる全地球的な巨大地震は、隕石の衝突時に起きる衝撃の比ではないでしょう。その結果、サタンの体制は取り除かれます。

 

(また、その隕石の衝突の影響で地上の水が天に戻って、洪水以前の地球環境に戻るでしょう。もしかすると、上空を飛行する間に隕石から放出されるガスか、あるいは大気との摩擦による熱などが原因となって、大気中の構成成分に変化が生じ、その結果、洪水前のように天蓋が再び形成されるのかもしれません) 

 

こうして、古い世は過ぎ去り、新しい世が到来するのです。


隕石の衝突によって海水が退き、

全地球的な地殻変動・大地震が起きる。



 


①‐7.しかし、その隕石の衝突の際、神とキリストに従う大群衆はどうなるのでしょうか。彼らはノアの大洪水の時に箱船に入ることによって滅びから救われた人々と同じように邪悪な世から明確に取り分けられていることでしょう。

 

それと同じく、エリコの滅びの際、ラハブは自分とその親族の命を容赦してもらうことになっていましたが、「だれでも、あなたの家の戸口の外に出る者がいれば、その者の血は自らの頭に帰することになります」と警告されました。(ヨシュア2:19) 

 

また、確かに隕石の衝突は想像もできないほどの全地球的な災厄となるに違いありません。しかし、イエスは「…実際、その日が短くされないとすれば、肉なる者はだれも救われないでしょう。しかし、選ばれた者たちのゆえに、その日は短くされるのです」と約束されました。(マタイ24:22) 

 

それに、例えばダニエルの三人の友が火の中に投げ込まれた時に、み使いの保護によって無事だったことを考えるなら心配する必要はありません。(ダニエル3:27) 

 

ですから、この患難から救われるのに重要なことは、この邪悪な世から明確に離れていて、エホバ神に是認された者となるということです。そうすれば、イエス・キリストとみ使いたちは私たちを保護してくださるでしょう。


忠実な人々は保護される

ラハブとその家族忠実な人々