外部コマンドの呼び出し

subprocess.run を使った外部コマンド実行（推奨）

Python 3.5 以降では、外部コマンドの実行には subprocess.run() を使うことが推奨されている。
従来使用されていた subprocess.call(), check_call(), check_output() は現在も動作するが、run() を使うことで多くの用途を一つの関数でカバーできる。

1. subprocess.run() の基本

run() は外部コマンドを実行し、終了コード・標準出力・標準エラーをまとめて扱える。

result = subprocess.run(cmd, shell=True, capture_output=True, text=True)

主な引数:

• capture_output=True: 標準出力・エラーを取得

• text=True: 文字列として取得（デコード不要）

• check=True: 終了コードが 0 でない場合に例外（CalledProcessError）を発生
  
  

2. 旧 API との対応

従来の関数　　　→　　　　　　　　subprocess.run() での代替

subprocess.call()　　　　　　　run(...).returncode を見る

subprocess.check_call()　　　run(..., check=True)

subprocess.check_output()　　run(..., capture_output=True, text=True, check=True).stdout

3. ファイル一覧取得の具体例（旧 check_output → 新 run）

従来の書き方：

fns_ = subprocess.check_output(

    'find ' + bdir + ' -name "zos*.nc"', shell=True

).decode('ascii').split('\n')

if fns_[-1] == '':

    fns_ = fns_[:-1]

これを run() に書き換えると次のようになる：

result = subprocess.run(

    f'find {bdir} -name "zos*.nc"',

    shell=True,

    capture_output=True,

    text=True,

    check=True

)

fns = result.stdout.split('\n')

if fns[-1] == '':

    fns = fns[:-1]   # 最後に空行が入るため削除

text=True を使うことで、Python 3.6+ では decode() の必要がない。

4. subprocess.Popen と communicate()

より細かい制御が必要な場合（逐次出力の取得、パイプ処理など）には Popen が使える。
communicate() を呼ぶと、標準出力・標準エラーを取得できる。

p = subprocess.Popen(cmd, shell=True, stdout=subprocess.PIPE, stderr=subprocess.PIPE)

out, err = p.communicate()

ただし、多くの場合は subprocess.run() で十分であり、Popen を直接使う場面は減っている。

5. さらに古い書き方（非推奨）

• os.system()（戻り値は終了コードのみ）
  commands.getoutput()（Python 2 系の関数）
  これらは現在は使われない。