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著作物
私の詩集から
理科系であり技術者である私には全く似合わないとよく他人から言われるのですが、私の趣味の一つに「詩」があります。古今の名作を読むのが好きで、とくに漢詩をはじめとする文語定型詩が大好きです。定型詩のリズムが心地よく心に響くので、何度か詩作りの真似事をしてきました。用語・用法に間違いが一杯ありそうなのは承知ですが、あえてここに、作品を三つほどご紹介しようと思います。一技術者の駄作と思って、ご笑覧下さい。
陽光台讃歌
数年前、無人の丘陵を切り拓いて出来た新住宅地「陽光台」。そこに移り住み、新しい住環境を作り上げようとする新住民の心を想って作った詩です。当地の自治会会報に掲載して好評でした。当初は第3節まででしたが、東日本大震災による当地への物理的・心理的影響も無視できず、急遽第4節を追加しました。
(一)筑波嶺の 眺め遥かに
陽光の 輝くところ
大いなる 希望を胸に
移り来て 早や幾年ぞ
幸多き 明日を夢見て
質実に 生きる喜び
(二)清らなる 大気巡りて
友愛の 溢るるところ
街角に 交わす言葉の
重なりて 紡ぐ人の和
暖かき 夕餉の灯り
爽やけき 人々の笑み
(三)夢追いつ 駆け行く子らの
歓声の 絶えざるところ
逞しく かつ大らかに
生き抜けと 切なる願い
新たなる ふるさと創り
未来への 虹を懸けばや
(四)激動の 試練乗り越え
情熱の 漂うところ
再びの 希望を胸に
新たなる 飛翔の旅路
人の世の 高みに向けて
こぞり起つ 心一つに
研究所四季歌
東京国分寺市に、武蔵野の面影が今も残る森があり、その中に日立の中央研究所があります。私が長年勤務していた研究所です。この詩は、私が在職中に、そこで日夜研究に勤しむ仲間たち、後輩たちの心の糧にならないかと願って、敷地内の風景を織り込んで作ってみたものです。
(一)池の面に 春の息吹よ
芳しき 花の香巡り
明日の世の 夢を育む
学究の里
(二)紅の 夏の大空
勇姿見せ 飛び立ち行きし
先達の 飛躍の礎(いしずえ)
星霜の跡
(三)山並みに 秋の雫よ
若人の 瞳にも似て
来し方と 行く方を見む
真実の道
(四)露白き 冬の樹々にも
幸多き 叡智の陽光(あかり)
天つ人の 賛歌も聞こゆ
卓越の技術(わざ)
送別の歌
土浦の神立というところにあった日立の機械研究所で、親しかった後輩が定年で退職する際、その送別の席への欠席を詫びて代わりに送った送別の詩です。
(一)梅雨のさなかのこぼれ陽が
神立の地に虹を生む
そこに知恵湧く泉あり
その名を機研と人の言う
(二)この地にありて たゆみなく
メカトロニクスに夢を乗せ
幾多の技を産み出せし
賢人一人ここにあり
(三)類い稀なる人柄と
泉と溢る情熱で
新たな歴史創りつつ
磨きてここに幾星霜
(四)後にありては人のため
心を配り身を砕く
その真髄は若人の
規範となりて根付きたり
(五)いつしか齢 満ち充ちて
この地去るとの報せあり
無念なるかな我が身には
馳せ参ずるもあたわざる
(六)いつか再びあい見え
美酒酌み交わす日もあらむ
はるかに願う 来る日々の
更なる多幸、壮健を
乾杯 !!