全国手をつなぐ育成会 制作
DVD 『みんなの暮らし』 のご紹介
全国手をつなぐ育成会の制作した『みんなの暮らし』は、重いハンデイのある人達のケアホームでの暮らしぶりを紹介しているDVDです。
DVDの映像の一つ一つに、人生の主人公は「わたし」である、という強いメッセージを感じました。主人公である「わたし」とその人の気持ちを本気でくみ取ろうとする支援者たち、ともにその人の人生を紡ぎ出している「わたしとあなた」のいくつもの輪が、全国のあちこちで暖かな笑い声に包まれて存在しています。それを思うと私達も本当に励まされる気がします。
『みんなの暮らし』には、わたしとあなた ①立ち上がるstory、 ②豊かさへのchallenge、
③見えてきたmy way、 ④それぞれのmyselfと題して四つのケアホームでの実践が報告されています。
① 立ち上がるstoryは、西宮市の「青葉園」に通所している先間佳子さんのお話です。重度心身障害者の佳子さんは、24時間支援体制の中でマンションの一室「あおば戸田ホーム」に住んでいます。通所施設ではクッキーをつくり、アフターファイブには大好きなジャニーズジュニアのカレンダーを予約しに本屋さんに行きます。本人を囲み、支援者、保護者が一緒になって、本人の表現する感情のひとつひとつを検証しながら本人の現在の生活、将来の支援のあり方を話し合う場面は、全国に先駆けてこの個別支援計画つくりに取り組んできた清水明彦さん達の活動の成果を見た気がしました。清水さんは言います。本人主体というのは本人が生きようとする力をまず認め、まわりの人達も共に立ち上がっていくことだと。
② 豊かさへのchallengeは、北海道伊達市のケアホーム「野ぶどう」に暮らす丸子和成さんのお話です。ケアホームの食事の場面では、彼が次に何を食べたいと思っているのか、一生懸命に考えて対応する若い職員。職員は、和成さんが不自由なく食べたいものを食べたいときに食べられるようになってほしいと言います。彼のその真摯な姿勢、それを支えている伊達という地域のレベルの高さを感じました。
③ 見えてきたmy wayは、北海道石狩市の自閉症の人のためのケアホーム「こすもす」に住む北充博さんと堤圭史郎さんのお話です。今年3月高槻であった自閉症の人のためのケアホームの報告会でも紹介されていましたが、社会福祉法人「はるにれの里」は23カ所のケアホームを運営し100人の自閉症の人を受け入れています。このケアホームでは、パニックや他害・破壊のあった人も次第に落ち着いて暮らしていくといいます。解説には、親の負担が大きい場合、親子のちょうどよい距離を見つけ親も子も自分らしい人生を生きるために、ケアホームの暮らしが光を与える、とありました。
④ それぞれのmyselfは、神奈川県藤沢市の「黒崎ホーム」に住む4人と世話人さん、支援員さん達のお話です。個性も年齢も障害区分も違うそれぞれのメンバーとごく普通の若者の支援者達。福祉のプロではないけれど、互いの個性を尊重して紡ぎ出す愉快な時間が、都会のセンスを感じさせました。仕事先での様子もとても興味深かったです。
DVDの解説書には、本人の意志を汲み取ってくれる人、一緒にいると落ち着くと感じられる人がいる安心な環境の中でさまざまな体験をする、そして自分に合うものを選択する、その「ワクワク感」が生きる意欲をうみ豊かな「わたしの暮らし」を作り上げていくのだとありました。
皆さんにも是非見て頂きたいDVDです。谷内までお声かけ下さい。貸し出しします。
(報告:谷内)