京都手をつなぐ育成会山科支部・京都市山科区社会福祉協議会 公開学習会
知的ハンデイのある人が地域で生活するために〜子どもの行く先を作った話〜
2017年9月4日に開催された会に参加しました。お話をされたのは放課後デイサービスfun・funwariの石橋宏信さん、就労継続支援B型事業所SOLACOの三王寺慎太郎さん、そしてプルデンシャル生命保険の芳賀久和さん。いずれも40歳台の若いお父さん3人。子どもさんたちはまだ小さいのですが、将来を見据えて、それぞれ事業所を立ち上げ、具体的なチャレンジに邁進中です。
放課後デイは制度スタート当初は専門知識がなくても開設が可能だったので、全国各地でいろいろな問題が起きましたが、その後規制が厳しくなり今では職員に専門職の占める割合が一定必要となりました。その中で、スタッフにも恵まれた石橋さんは二つ目の放課後デイも開設し、まだまだ事業の発展を目指しておられます。三王子さんは、飲食店経営のノウハウを生かして、お弁当の箱や包装、型抜きや煮物など、いろいろな工夫をして仕事を作ってきたとのこと。さらに、クッキーの製造は別の作業所が担い、包装と販売だけを分担することで、より高い効率性を求めているのだそうです。また地元の企業と手を結び制服の販売の下請けもしておられます。さらに石橋さんと三王子さんのお二人は第三水曜に支援センター「らくとう」で後輩のお母さんたちの相談にも一役買っておられるのだそうです。地元密着の先輩たちの発言は、具体的で頼もしいだろうと思います。芳賀さんは、転勤の多い企業を退職して外資系の保険会社に転職した上、仕事を探す若者と地元の企業をつなぐ「CoCoネット」の活動や、啓発のための発信に力を入れておられます。7月にはNHKの夕方のニュースの時間に芳賀さんや子どもたちの様子の紹介がありました。双子の男の子たちの通う小学校では、子ども同士の自然なやり取りがあって、本当に感動的でした。芳賀さんは、小学校で一緒に過ごした子どもたちが大きくなった時に「ああ、そういう子もいたね」と自然に受け入れてくれるのではないかと思うと話されました。将来は生活の環境が「普通」に整い、多少の配慮はあるとしても「普通」に地域で暮らしていく社会になって、親は安心して死んでいけたらと明るく話されました。芳賀さんは自社の生命保険で親亡き後の子どもの生活費の管理運用をする計画だそうです。前に毎日新聞の野沢和弘さんもこの保険をかけたと聞きました。障害のある人の親亡き後の選択肢の一つですね!
頼もしい若いお父さんたちにパワーをもらった一日でした。