使用カード:2組(ジョーカーを除く 52枚ずつ合計 104枚)カードの順列:小さい順に、 A, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, J, Qです。 Qが一番大きい値になります。
Kはワイルドカード(オールマイティ)です。
自分の持っている、個人山札をすべて先に出し切った人が勝ちます。山札を出すために、手札や捨て札の山からどんどん中央にある共通の山札にカードを出していきましょう。勝つためには、相手が嫌がるようなカードの出し方をすることも必要です。
2組のトランプを使います。
一方の組から個人山札として14枚ずつを配ります。ゲーム中、この山札は、自分の山札しか使うことができません。
個人山札を配り終えたら、1組の山札として重ねます。この山札は共通の山札として自分と相手の両方が使います。
次に、共通の山札から1枚ずつ、捨て札として置いておきます。
最後に、共通の山札から、自分と相手に1枚ずつ合計 5枚を、手札として配ります。
これで、ゲームをはじめる準備ができました。
では、ゲームをはじめる順番を決めます。それぞれの個人山札の一番上のカードを 1枚、表にして比べます。
カードの順列の大きい方がスタートプレイヤーとなり、最初の順番です。
もし、二人とも同じ値だったときは、いまめくったカードを個人山札の一番下に入れ、また一番上のカードをめくって比べます。
自分の番がきたら、まず手札を 5枚になるよう補充します。
一番最初は手札がすでに5枚あるので、補充の必要はありません。
2回目以降は、手札が少なくなっているので、足りない枚数だけ共通の山札から補充します。
上の例では、手札が3枚だったので、共通の山札から2枚を補充して、手札の合計を 5枚にしました。
自分の番にはおおきく4つのことができます。このうち次の 3つは好きな順番に好きな回数だけ組み合わせて自由におこなえます。
(a)、(b)、(c)いずれの場合も、出せるカードがあっても、出さなくてもかまいません。出すも、出さないも自由です。また、カードのマークは、このゲームでは関係ありません。
そして、自分の番の最後に、(d)手札から捨て札をする ことで、相手の番に変わります。
それぞれについて、くわしく説明します。
(a)手札から中央に出す
中央には全部で 4つの置き場があります。
自分の手札から、1枚を選んで中央に出します。
上の例では、何も置かれていない場所に Aを出したところです。
(b)捨て札から中央に出す
自分の捨て札から 1枚を選んで中央に出すことができます。中央にカードを出すルールは (a)手札から中央に出す ときと同じです。つまり、次の順列になるカードのみを置くことができます。
また、捨て札から出せるカードは、それぞれの重ねた一番上のカードです。一番上のカードを出すことで、新しく一番上になったカードも、続けて出すことができます。
上の例では、1枚だけ置かれていた捨て札の 2を、中央の Aの上に出して重ねたところです。
(c)自分の山札から中央に出す
自分の山札から中央に出すことができます。中央にカードを出すルールは (a)手札から中央に出す ときと同じです。つまり、次の順列になるカードのみを置くことができます。
この個人の山札を減らすことが、このゲームの目的です。
上の例では、自分の山札から 3を出し、中央の 2の上に重ねたところです。
自分の山札を出したあと、すぐに自分の山札の一番上のカードを 1枚だけめくり、山札に重ねて置きます。いまめくられたカードは、出せるようであれば、すぐに出すことができます。
上の例では、自分の山札の一番上のカードをめくり、山札に重ねて置いたところです。つぎに使えるのは Qです。
(d)手札から捨て札をする
自分の番の最後に、手札から 1枚を捨て札として、自分の捨て札の置き場に置きます。
捨て札の置き場は各自の場所に 4つあり、それぞれの一番上に置くことができます。置くときは、下のカードが何であるかわかるように、少しずらして重ねます。
捨て札の置き場に置くことができるカードは、中央と違って、どのようなカードでも置くことができます。
上の例では手札から 6のカードを、捨て札の場所に出したところです。
捨て札をすることで、自分の番を終え、相手の番に交代します。相手は手札の補充から始めます。
手札が無くなったとき
ゲーム中、手札の5枚をすべて出し切ることがあります。手札が無くなったら、共通の山札から手札として追加の 5枚をとり、自分の番を続けます。
上の例では手札の最後の 1枚である Aを中央に出したところです。
手札が無くなった時、共通の山札から 5枚を補充しました。順番を交代せず、自分の番を続けます。
中央の山が Qまで出たとき
中央の山が Qまで出たとき、一番上が Qになっている(あるいはQの代わりに置かれた Kの)完成した山をとって、脇に避けて置きます。空いた場所は、また新しく Aを置くことができるようになります。
共通の山札が無くなったとき
共通の山札が無くなったとき、あるいは無くなりそうなときは、わきに避けて置いた Qまでの山をすべて集め、シャッフルしたあと、まだ残っている共通の山札の下に補充します。目安として、共通の山札が12枚以下ぐらいになったときに、補充するといいでしょう。用意していたトランプ2組の背が違う場合、混ぜても区別が付きますが、気にせずシャッフルします。
誰かが個人の山札を中央に出し切ったとき、ゲームが終了します。
山札を出し切った人が勝ちです。得点を記録する場合は、残っている相手の個人山札の枚数を得点とします。
上の例では、中央の 7の上に手札から 8の代わりの Kを出し、自分の山札の 9を出せるようにしたところです。
最後に自分の山札から 9を出し、ゲーム終了です。
スパイト・アンド・マリスは細部にバリエーションが多く、ここで紹介したルールは「プレイ時の制約が少なく」「プレイ時間も短め」になるよう、選択したルールになります。また、John McLeod氏のサイトで紹介されている Masachusetts Variationを意図的に採用しています。書籍で紹介されることの多いルールとは異なることに注意してください。
ルールを紹介するにあたり、以下の文献・コンテンツを参照しました。
ルール紹介をおこなうにあたり、草場純先生の「夢中になる!トランプの本」の影響を大きくうけています。関係者の方で、問題があるとの判断があればご連絡ください。